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吹けよ、狂喜の風 呼べよ、フロイド・ファンの嵐 原始神母ライブ 追想記 第二部

2022-09-30

テーマ:イベント・ライブ情報, ショーレポート, アーティスト&楽曲

2021年12月30日 六本木EX THEATER
『“おせっかい/Meddle”+“原子心母/Atom Heart Mother” 全曲再現2本立て ~ 50years anniversary tour ~』

アルバム『アニマルズ』リミックス版や新曲のリリース、ロジャー・ウォーターズのツアー等、現在も精力的に活動を続けるモンスター・バンドでありながら、日本のロックファンからはとても遠い存在であるピンク・フロイド。 ここ日本では、ミュージシャンたちが、その演奏力とエンターテインメント性を限りなく昇華させた、世界的にも類を見ないピンク・フロイドのトリビュート・バンド、その名も原始神母が、多くのフロイド・ファンを狂喜させています。

先日約3年ぶりに開催された「1967 LONDON PSYCHEDELIC HAPPENING 2022」。
この日は1stアルバムのタイトル『夜明けの口笛吹き』をバンド名にしてライブイベントを行いましたが、チケット発売後、すぐにソールドアウトという人気ぶりでした。
人気の背景にはもちろん、リーダーである木暮"shake"武彦氏のカリスマ性溢れるギタープレイをはじめとする、メンバー各々の演奏力の高さもあるのですが、視覚的にも楽しめるエンターテインメント性を持ち合わせていることも、重要なカギとなっているのはこれまでのブログでお伝えした通りです。
ここでは昨年末に行われた、センセーショナルな原始神母ライブの後半部分の熱演ぶりをお届けしたいと思います。

さてアルバム『おせっかい』全曲再演を中心としたライブの第一部
これだけでもフロイド心を満たされてしまった中、後半はどんな展開が待っていたのでしょうか。

1、あなたがここにいてほしい - Wish You Are Here

第二部のスタートは、アルバム『炎~あなたがここにいてほしい』の中から。

木暮"shake"武彦さんと扇田裕太郎さんによるアコースティック・ギター・アンサンブルが、少しゆったり目な感じで、程良い緊張感を与えてくれています。ケネスさんのボーカルはデヴィッド・ギルモアとロジャー・ウォーターズが重なったかのように聴こえ、実に心に響きわたります。ピアノの音も歌詞の中にある感情をより深く表現しているようにも聴こえました。前回見た時は初めてだったので興奮のあまり深く聴き入ることができなかっただけに、今回も演奏してくれたことが本当にうれしかったです。

2、アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール - Another Brick in the Wall

お馴染みのけたたましいヘリコプターの大音量に導かれてアルバム『ザ・ウォール』からのヒット曲が飛び出します。前回同様ライブ・アルバム『P・U・L・S・E』に近いアレンジで「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール」PART ONEのギターリフからスタート。曲の途中でライティングシステムがステージ前に下がってきて、客席からはステージが一部しか見えないようになっていく演出には、否が応でも原始神母による『ザ・ウォール』完全再演に期待を膨らませてしまいます。

3、コンフォタブリー・ナム - Comfortably Numb

イントロが鳴り出すと、ステージ前にあったライティングシステムが天井に向かって上がっていき、この曲の詩に出てくる「医師の処方による覚醒と浮遊感」を表現。
エンディングでのギルモア以上に感情たっぷりの木暮"shake"武彦さんのギター、そして柏原克己さんの歌心あふれるドラミングを聴いていて、フロイドのトリビュートを楽しんでいるというよりも、原始神母の演奏に引き込まれている事に気が付きます。まさに至福の時!

4、アランのサイケデリック・ブレックファスト - Alan's Psychedelic Breakfast

ここまでアルバム『おせっかい』の再演を中心とした第一部、第二部を聴いて正直かなりの満足感だったのですが、この曲が始まったときの「そうか、今日はアルバム『原子心母』の再演も聴けるんだった!」と思い出した瞬間は忘れられません。今回はアルバムの曲順ではなく、ラストナンバーからスタート。

前回の再演よりもステージ上のライティングを増やして曲の世界を劇的に昇華させているところが素晴らしかったです。昔、とある本で『原子心母』の頃のピンク・フロイドのライブでは、曲によっては寸劇を取り入れていたというのを思い出しました。
扇田裕太郎さんが、アコースティックギターにスライドにと大活躍でした。

5、もしも – If

アルバム『狂気』に入っていいくらいメロディーと歌が美しい、「病んだ牧歌フォーク」の名曲。ケネス・アンドリューさんが実に味わい深く歌っています。一番を歌い終わったときの効果音がさらに強烈に鳴り響き、同時にステージの照明も前回より効果的になっていて、この曲の偉大さが強調される演出がなされました。

6、デブでよろよろの太陽 – Fat Old Sun

鐘の音が神聖に鳴り響いた後に、まったりと始まったこのフォーク・ナンバーはケネス・アンドリューさんによる弾き語り。木暮"shake"武彦さんのスライドギターのサウンドがよろよろの太陽を表現しているかのようでもあり、サイケ感を強調しているかのようでもあります。

まったりとした2大フォークの後は、もう一つのメインイベントが始まります。アルバム『原子心母』のA面組曲「原子心母」を演奏するべく、チェロ奏者ホーン隊、コーラス隊の皆さんがステージに登場。初めて体感するオーディエンスはもちろん、前回の興奮が忘れられないファンも楽しみにしていたことが、場内の熱気から伝わります。前回は興奮のあまり我を忘れて楽しんだので、今回は冷静に聴こうと心に決めたものの…

7、原子心母 - Atom Heart Mother

いやもう、出だしの低音オルガンから手に汗にぎります。メインテーマ「父の叫び」が始まった瞬間、ホール内が興奮のるつぼと化しました。

前回以上にブラス、コーラス隊、チェロ奏者そしてバンドの息が合った2回目の「原子心母」。演奏の細かい部分は前回のレポートを参照していただきたいのですが、もう最後の大円団まで鳥肌ものの名演でした。

ホーン隊、コーラス隊が入ったパートの興奮を煽る演奏とともに印象深かったのが、「むかつくばかりのこやし - Funky Dung」での一幕。大久保治信さんのエレピが醸し出すグルーヴ感が前回以上にホットに鳴り響き、それに対向する木暮"shake"武彦さんのギターサウンドがモーゼの杖の如く、一気にロッキンな世界へと一変させる様は、本家フロイドでも成せない迫力だと思いました。

正直、原始神母による「原子心母」再演の衝撃を言葉で再現しようとしたら何文字あっても足りません。 未体験の方のためにここで、昨年12月の再演の動画を紹介いたします。

『Atom Heart Mother / 原子心母』   GENSHI-SHINBO 原始神母 〜 PINK FLOYD TRIPS 〜2021/12/30 EXシアター六本木

さて、場内が大興奮の中、バンドメンバーとブラス隊が残りアンコールが始まります……

8、サマー'68 - Summer '68

リチャード・ライト作の田園ポップな一曲です。今回イントロ部分では、ケネス・アンドリューさんが溌剌としたスキャットを披露。大曲「原子心母」の後の充実感がこちらまで伝わります。ラヴリー・レイナさん、冨田麗香さんという二人の女性コーラスが加わった事で、ほんのりグルーヴィーなテイストも加わり実に楽しそうな演奏ですが、途中ブラスが入ると一気にかしこまった英国風ポップに豹変するところは、再演ライブだからこそ味わえる醍醐味と言えるでしょうか。

また、三國義貴さんのオルガンサウンドがさらに田園の景色を彩るような心地よさです。ずっとこのまま聴いていたい……。

9、ラン・ライク・ヘル - Run Like Hell

最後は再びアルバム『ザ・ウォール』収録の1曲。イントロで木暮"shake"武彦さんがギターカッティングを披露しながらオーディエンスを煽っていき、曲がどんどんと盛り上がっていきます。

私が『ザ・ウォール』愛好家なせいもあり、申し訳ないのですが前回同様、細かい部分を見失ったまま時が過ぎてしまいました。原始神母による『ザ・ウォール』完全再演、ぜひやってほしいです!!

『“おせっかい/Meddle”+”原子心母/Atom Heart Mother” 全曲再現2本立て ~ 50years anniversary tour ~』
2021/12/30(木)六本木 EX THEATER

原始神母 メンバー(敬省略)
木暮"shake"武彦(Guitar)
三國義貴(Keyboards)
大久保治信(Keyboards)
扇田裕太郎(Bass, Guitar, Vocals)
柏原克己(Drums)
ケネス・アンドリュー(Lead Vocals)
ラヴリー・レイナ(Chorus)
冨田麗香(Chorus)

画像提供:原始神母

活動開始から10年を迎える原始神母。昨年12月30日の熱演の様子をお伝えしましたが、喜ばしいことに来る11月に行われる待望のライブの情報も入って来ております。
それも今年でリリース50周年となるフロイドの隠れた名盤『雲の影』の再演を中心としたライブという、ディープなファンにとっては手に汗握る内容が期待できそうです。
また、アルバム『アニマルズ』からも代表曲を初演奏するという、実に贅沢なライブ。昨年の公演での「SHEEP」の素晴らしい再演を忘れられない原始神母ファンの方はもちろん、初めてその空間に触れる方にとっても忘れられない夜となりそうです。
既に長野、名古屋、神戸での公演が決定!

『PINK FLOYD 隠れた名盤「雲の影」~ 50周年 ~ +「Animals」』

【スケジュール】
◇2022年11月22日(火)
長野 ライブハウスJ
◇2022年11月23日(水・祝)
名古屋Electric Lady Land
◇2022年11月25日(金)
神戸 THE LIVE HOUSE CHICKEN GEORGE
◇2022年11月26日(土)
神戸 THE LIVE HOUSE CHICKEN GEORGE
※詳細は原始神母ホームページまで

最後に!サウンドハウスで取り扱っているフロイド心をくすぐるアイテムをここでもひとつ!

BSM ( ビーエスエム ) / OR

60年代後半に作られたOrange Treble & Bass Boosterを再現するトレブルブースター。
デヴィッド・ギルモアやWISHBONE ASHなどの有名プレーヤーが愛用していたもので、70年代のロックやプログレッシブ・ロックで用いられた、太く煌びやかなサウンドを再現!
ゲルマニウム・トランジスタには希少なOC76を採用。良いチューブアンプと組み合わせて用いるとPINK FLOYDの“Umma Gumma”や“Meddle”さらには、“Dark Side of The Moon”などで聴くことのできる衝撃的なサウンドを得ることができます。

営業部 / 市原 雅之

45歳にしてオヤジバンドにベーシストとして参加。バンドでサウンド・ハウスの存在を知りその勢いで入社。 趣味はUKロック、60年代ソウルやソフトロック等のレコード・コレクション。最近はSPレコードも愛聴しています。ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイとP.I.L.を愛する永遠の29歳。

BSM / OR

BSM

OR

¥39,800(税込)

ギター用エフェクター、オレンジトレブル&ベースブースタータイプ

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