今回はフォグマシンの修理・サポートご依頼を月20件以上対応しているスタッフが、よくある症状、あるあるをご紹介します。
何度か修理の記事は書かせていただきましたが、あらためてまとめてみました。
症状紹介の前に、フォグマシンの中身のどうなっているの?ということでお見せします。
(写真はANTARI Z-1000II)

簡略化すると3つのパーツで構成されています。(機種によって若干構成は変わります)
それは、ヒーター、ポンプ、PCB(基板)の3つです。

ヒーター:ポンプから送られてきたリキッドを熱して気化させてスモークを発生させます。
ポンプ:リキッドタンクからヒーターへリキッドを送り込みます。
PCB(基板):ヒーターの温度管理、ポンプのON/OFFなど全体の動作、制御を行います。
それでは、症状と症状から考えられる要因を併せて説明します。
症状① : スモークが出ない、量が少ない
確認パーツ → ヒーター、ポンプ

● 要因
・ヒーターが目詰まりを起こしリキッドが出てこない。
・ポンプが故障しリキッドが送られない。
・ヒーターの目詰まりによってポンプに負荷が掛かり壊れてしまった。
〇 あるある:目詰まりした状態で使用を続けると、出口をなくしたリキッドがチューブのすき間から漏れだし液漏れする。また、ヒーターとポンプを繋ぐチューブの中が焼きついて詰まっていることもある。
症状② : リキッドが吸い上がらない
確認パーツ → ポンプ、PCB

● 要因
・ポンプの故障。
・PCBが故障しポンプに電力が供給されない。
〇 あるある:ポンプが壊れている場合は高確率でヒーターも目詰まりを起こしている。
症状③ :ヒーターが温まらない(ウォームアップしない)
確認パーツ → サーモスタット、温度ヒューズ

● 要因
ヒーターの温度が上がりすぎてしまい過加熱防止用のサーモスタットが作動。
または温度ヒューズの溶断により、ヒーターへの電力供給がされていない。
〇 あるある:温度が上がりやすい風通しが悪いところなどで使用していると再発の恐れ有り。
症状④ :電源が入らない
確認パーツ → ヒューズ、電源スイッチ

● 要因
・ヒューズボックス内のヒューズが溶断している。
・電源スイッチの接点劣化により電源が入らない。
以上がフォグマシンの修理でよく見る症状です。
最後に内部洗浄の方法も載せておきます。
内部洗浄の方法
タンクを空にした後、洗浄剤(蒸留水:80%、酢酸:20%)をリキッドタンクに1/3程度入れ本体の電源をオンにして下さい。
本体のウォームアップ完了後、タンク内の洗浄剤がほとんどなくなるまでフォグ出力を行って下さい。この際、タンク内が空にならないようにご注意ください。洗浄作業は完了後、フォグリキッドを再度注入し本体を少しの間動作させてください。これによりポンプ、ヒーター内に残っている洗浄剤を出力させることができます。
※絶対にリキッドタンクが空の状態でフォグマシンを動作させないでください。
初心者向けガイド「虎の巻」にフォグマシンのメンテナンス方法をご紹介していますので、併せてご覧ください。