「イベントや舞台音響の時に、どうやってBGMや効果音を出そう?」と悩まれたことはないでしょうか? 大まかに分けると「①サンプラーと呼ばれる機材を使う」「②PCソフトと関連製品を組み合わせる」という2通りの方法があります。後者の例だと、DAWソフトABLETON LIVEを使うパターンは、その利便性の高さからあのDTMステーションでも取り上げられたほどです。
シンプルな構成であれば、手軽に導入できるのも嬉しいABLETON LIVE。
今回は、そんなABLETON LIVEや関連製品を交えたポン出しについてご紹介していきます!
■ ABLETON LIVE Lite付属コントローラー
NOVATION ( ノベーション ) / Launchpad Mini MK3
ポン出しに使うソフトはABLETON LIVE。一部のDTM機材は、購入するとその簡易版であるABLETON LIVE Liteというソフトが付いてきます。今回はポン出しに便利なMIDIコントローラーの中から、手頃かつABLETON LIVE Liteが付属するものを選んでみたいと思います。
上記のLaunchpad Mini MK3は、LIVE Lite上で設定することにより、64個のパッドにアサインされたBGMや効果音を簡単に呼び出すことができます。(同時に再生できる音は最大8個)
※下記リンク先の動作環境を満たしたUSB端子を備えるPC/Macと、ソフトのインストール時にはインターネット接続が必要です。
■ インストールの流れ
ABLETON LIVE Liteの体験版は、実は無料で試すことができます。
プロジェクトの保存などはできませんが、動作環境や操作性のチェックには十分なので、気になる方は購入前にぜひお試しください!
ABLETON LIVE Lite付属のDTM製品を購入したら、大まかに下記の流れでLive Liteをインストール/認証します。
DTM製品のメーカーサイトへ製品登録
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ABLETONメーカーサイトでアカウント作成
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ABLETONのマイアカウントへLIVE Liteのシリアル番号を登録
※シリアル番号は商品によって「①DTM製品側のメーカーサイト内、マイページにシリアル番号が表示されるパターン」「②紙で製品に付属しているパターン」があります。
Launchpad Mini MK3は前者で、NOVATIONサイト内のマイページへ製品登録後にLive Liteのシリアル番号が表示されます。
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上記のダウンロードページからLive Liteをインストール
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Live Liteを立ち上げてオンライン認証
■ 環境設定
ここからはLIVE Liteの設定を具体的に見ていきましょう。画像はWindowsです。Macだと環境設定のレイアウトが若干違います。

オプション→環境設定と進みます。

Audioの項目内、「オーディオ出力デバイス」を使っているパソコンのスピーカー/ヘッドホン出力デバイスに設定します。
※パソコンによって出力デバイスの名称は異なります。パソコンに標準搭載されているオーディオデバイスだと、上手く音が出なかったり遅れが生じたりと、サウンドクオリティがいまいちなケースがあります。その場合は、最後の方に記載しているようなオーディオインターフェイスが必要になります。

Link MIDIは、コントローラーとABLETON LIVEをリンクさせる項目。接続しているコントローラーを赤枠部分で選択しましょう。
※コントローラーなしでとりあえず体験版を試す方は設定不要です。

Record/ Warp/ Launchタブの赤枠部分を「None」へ設定。そうしたら環境設定は閉じましょう。
先程「環境設定」を呼び出したオプション内にある「ラウンチクオンタイゼーション有効」のチェックを外します。
ラウンチクオンタイゼーション関連の設定をやっていないと、音が一定のタイミングで再生するように補正されます。ポン出しは再生ボタンを押したらすぐに音が出てほしいので、勝手にタイミングが変わらないようにこの機能はオフにします。
■ トラック設定

次は画像のようにトラック横の空白部分を右クリック→「オーディオトラックを挿入」と操作してオーディオトラックを作ります。
デフォルトで「1 MIDI」トラックがありますが、ポン出しでMIDはあまり使いませんので、操作しやすいように不要なトラックは右クリックで削除しましょう。

トラック名の端をドラッグするとトラック幅も変えられます。 トラック名やトラックカラーを変えて見やすくできるのもポイント。

左側の「フォルダを追加」からオーディオファイルを入れてあるフォルダを指定します。

追加したフォルダの中から、任意のファイルをトラックのマス目へドラッグします。 このマス目に入れたファイルを「クリップ」、再生することを「Launch」と呼びます。

Launchpad Mini MK3はこのように、LIVE Lite上で設定したトラックカラーを反映して、クリップがアサインされているパッドが分かりやすく点灯するところが大きな特徴です!
※写真の都合上パッドの中央部が強く光って見えますが、実物だともう少し均一に光って見えます。
LIVE Liteは、実は画面上のクリップをマウスでクリックしたり、パソコンのキーボードにアサインをしてそれなりに使うことが可能ではあります。
ただ直感的に操作できなかったり、トラブルの原因にもなるため、なるべくコントローラーを使うのがいいかと思います。

ちなみに画面上で個別トラックのクリップを止めたいときは、上記画像の青枠部分の四角をクリックします。

各クリップのLaunch方法は細かく設定ができます。
任意のクリップをダブルクリックで選択したあと、画面下にある画像の「L」部分をクリックすると、ClipとSampleの間に「Launch」という項目が出てきます。
デフォルトだとLaunch Modeは「Trigger」になっています。
この場合クリップをLaunchすると、最初から最後まで1回再生して終了となります。
ここを「Gate」にすると、Launchpadを押している間だけクリップを再生します。
他の再生モードなど、詳細はABLETONサイトのヘルプページをご参照ください。
上記画像の青枠「Warp」は、プロジェクトとクリップのテンポを自動で合わせてくれる機能です。
自動でONになっていて、音楽制作のときはすごく便利な機能です。
ただポン出しで「クリップのテンポがなんかイメージと違う」と思ったらオフにしたり、調整したりしましょう。
その横の「Start」「End」はクリップの始まりと終わりを決めます。
下の「Loop」はWarpが有効になっているときのみ、設定した部分をクリップがLaunchされている間ずっとループするようにできます。
クリップの音量調整をしたい場合は「0.00dB」と書いてある部分の上にあるフェーダーを操作して設定します。
■ シーン再生

ABLETON LIVEでは縦軸がトラックを表し、横軸はシーンと呼ばれます。
そしてシーン(同じ横軸に配置されているクリップ)は、Master下の再生ボタンを押すと一括でLaunchすることができます。
シーンに名前をつけて管理もできて便利です。
LIVE Liteではシーンは最大8つまでになります。
有料版ソフトABLETON / Live 10 Standardでは、トラック/シーン数ともに無制限です。
■ オーディオインターフェイス
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett 2i2 (gen. 3)
ちなみに音のクオリティを上げたいという場合は、オーディオインターフェイスが必要になります。様々な製品があるため、動作環境や入出力端子が用途に合うかもあわせて検討が必要です。例えばScarlett 2i2 (gen. 3)のようにマイクやラインレベルでステレオ入力ができるモデルだと、オリジナルのサンプリング音源を作る際にも使いやすくて便利です。
■ その他よく組み合わせて使われる機材
ご紹介した機材以外にも、フェーダー付きでトラックの音量調整もできるコントローラーや、省スペースなオーディオインターフェイスなどが用途に応じて使われています。
DTM製品に付属するLIVE Liteを所有している正規ユーザーであれば、トラック/シーン数を無制限に使えるLIVE 10 Standardがお得に手に入るアップグレード版も販売されています。
音効のスタンダードになりつつあるABLETON Liveと関連アイテム。 この機会にぜひご検討ください!
※ABLETON LIVE Liteは無償ソフトのためサポートはございません。予めご了承ください。