Logic Pro XはMac専用のDAWということもあり、とても洗練されたデザインと操作性が特徴です。
CubaseやPro Tools、Digital Performerなどと並んで30年以上の歴史を持ったソフトウェアですので、その歴史の中で培われてきた機能は数知れず。私は15年来のLogicユーザーですが、未だに新しい発見が尽きません!
とても基本的にも関わらず最近まで知らなかった便利機能も未だにあったりするので、今回、そんな「基本的でありながらスルーされがちな便利機能」をご紹介していきたいと思います!ついでに他のDAWではどのように実装されているかも調べてみました。
1. 代替プロジェクト

<ファイル→代替プロジェクト→新規代替バージョン> 曲の構成で迷っているときや、いろんなアレンジを試してみたいとき、PCが重くなってバウンスするときなど、制作の分岐点に立ったときにこの機能を使って保存しておけば、サクッとその時点に戻ることができます。
もちろん「別名で保存」でもいろんなバージョンを保存しておくことは可能ですが、プロジェクトファイルが増えてどれがどのバージョンかわからなくなりがちですし、違うプロジェクトを立ち上げると開く際にも時間がかかってしまいます。
この機能を使えば一括でバージョンを管理できて、過去のバージョンと聴き比べたりするのも気軽に行えます。
Cubaseでは「新しいバージョンを保存 (Save New Version)」、Studio Oneでは「新規バージョンを保存」という名称で実装されています。
2. Logic Remote

iPhoneやiPadからLogicをコントロールできる無料のアプリLogic Remote。(画像はiPhone版)。
実は最近まで使っていませんでしたが、使い始めたらもはや手放せないくらい便利でした! 一人で自宅レコーディングなどする場合は、当然オペレーターとプレイヤーの一人二役をやることになります。
アコギを構えてマイク位置セッティングして、いざレコーディングしようと思ったら、PCが遠くてその状態から操作ができない、、という悲しい思いをした人は3万人ぐらいはいると思います。
Logic Remoteはこの悲しみから解放してくれます。
再生、録音の操作はもちろん、音量調整やロケートまで、レコーディング時にちょっとだけ操作したい時にサクッとスマホで操作できるので大変便利です。
これまでは録音時にテンキーを演奏する手元に持ってきて操作していましたが、スマホで操作できるようになり、テンキーと別れを告げました。
接続もとても簡単で、アプリ入れて立ち上げるといくつかダイアログが出て、すぐに繋がります。
Cubaseでは「Cubase iC Pro」、Studio Oneでは「Studio One Remote」、Pro Toolsでも「Pro Tools | Control」など、最近はアプリに対応しているDAWも多いです。
3. ベストテイクの作成

個人的にLogic Pro Xが好きな理由のひとつは、この機能の使い勝手のよさにあります!
ボーカルなどのテイクを複数録って、あとからシーンごとにテイクを選んでいく作業がとてもやりやすいです。ドラッグするだけで簡単に好きなテイクの好きな部分を選んでいくことができます。
上書きして重ね撮りしてしまっても、自動でテイクを分けてくれるので、ほぼ無意識でこの機能を使うことができます。
いろんなパターンでテイク選択したバージョンも複数とっておけたり、あとからテイクを別トラックに分けることも簡単にできたりと、機能にも抜かりがありません。
Studio Oneでは「コンピング」、Cubaseでは「履歴を保持」という名称になっています。
4. DRUMMER

この機能もほとんど使ったことがなかったのですが、最近になって出番が激増中です!
簡単にドラムパターンを作成できるツールです。
簡単なパラメーターをちょいちょいといじっていくと自分の作りたかった感じのフレーズが自然とできあがっていきます。
6人ぐらい仮想のドラマーがいて、選ぶことができます。ドラマーを変えるとフレーズも大きく変わるので、ドラマーを選び、ドラムキットを選び、ビートプリセットを選び、と進んでいくとどんどん自分の欲しいテイストに追い込んでいくことができます。
さらにこだわりたい場合はMIDIに変換して後からフレーズを調整していくことも可能です!(ここ重要!)
最近は、デモレベルならこれで欲しい感じのフレーズ作って後からMIDIで調整するパターンが増えてきました。(これに頼ってばかりだとMIDI打ち込みのレベルが落ちそうなことが心配ですが...)
実はこの機能が1番Logicの独自性が強い部分かもしれません。
5. チャンネルストリップ

よく使うソフトシンセの特定のプリセットや、よく使うプラグインの設定をすぐに呼び出せるようにしたり、お決まりのソフトシンセとプラグインの組み合わせなどをセットですぐに呼び出せるように設定を保存しておくことができます。
自分の場合だと、Native Instruments / Guitar Rig 4をよく使うので、Guitar Rig 4の自作のプリセットがすぐ立ち上がるようにしていたり、XLN Audio / Addictive Drums 2 とWaves / H-COMPがセットで立ち上がるようにセッティングしたりしています。
6. パラアウト

別のDAWを使っているメンバーとプロジェクトを共有するためには、トラックごとにファイルを書き出す必要があります。
Logicではその作業を一回の操作で実現してくれます!
特にレコーディングスタジオではProToolsがほとんどなので、エンジニアさんに渡す際にはこの機能は必須です!
最近のDAWはこの機能はついていることが多く、CUBASEならエクスポート、Studio Oneならステムという名称になっています。DP10でも最新アップデートでこの機能が追加されるようです。
と、Logicの便利機能としてご紹介してまいりましたが、他のDAWとも互いに同質化が図られていて、記載したように何らかの機能で実現していることも多いです。Logic使いの方以外もぜひお使いのDAWで装備されているか確認してみてもらえればと思います。
まだまだ紹介したい機能はありますので、また次回に続けていきたいと思います!
個人的にableton Liveもはるか遠いLive4の時代から使っているので、Liveバージョンもいずれ!!