展示用のFOCUSRITE (フォーカスライト) / Scarlett 4i4に触れる機会があり、複数のオーディオインターフェイスと比較してその実力を検証してみました! Scarlettも3rd Generationとなって、目玉機能の一つとして『AIR』機能が追加されました!
Focusriteの名作マイクプリ「ISA」をモデリングした機能となっており、マイクプリに自然な空気感を付加してくれます。この機能についてもサンプルを録音して検証していきます!
また、おまけのプラグインなどのソフトウェアもひとつずつご紹介していきます。

まず、この見た目!!
機材というよりはハイブランドのアイテムを手にしたときのような洗練されたデザインに、所有欲がヒタヒタと満たされていきます(借り物ですが)。
真紅のデザインに鮮やかなLEDがカッコよく光ります。電源投入時に全てのLEDが一瞬光るのですが、これがなんとも美しく、創作意欲を高めてくれます。あるいは今で言うと検証する意欲を掻き立ててくれます(笑)。
では各機能をチェックしていきます!

パネル正面のGAINノブは信号が入力されるとノブのフチ部分のLEDが光ります。
3段階で色違いに光るのがおしゃれなうえ、一目で簡易的にレベルを見分けることができて便利です。
メイン出力の調整は「MONITOR」ノブ、ヘッドホンの音量調整は一番右のヘッドホンノブと完全に独立していて、こちらもシンプルで使いやすいです。
接続は、オーディオインターフェイス側はUSB-C端子です。PC側はUSB-Aとなっているため、USB 2.0端子が付いていればそのまま接続可能です。まだまだUSB-Cも一般的とは言えず、この仕様の方が安心しますね。
48Vファンタム電源はボタン操作でオンオフできます。PADやAIR機能、ライン入力と楽器の切り替えやダイレクトモニタリングの設定などはパネルからの操作ではなく、ドライバソフトウェアの『Focusrite Control』から行います。(ちなみに2i2以下の下位モデルはFocusrite Controlではなく全て前面パネルから操作する形になります)
Focusrite Controlは4i4以上のモデルで扱うことのできるソフトウェア。内部的なルーティングや設定を行うことができます。
シンプルな操作画面は、ほとんど迷うことなく直感的に操作できます。
注意点としては、ダイレクトモニタリング機能が初期設定でオンになっており、マイクや楽器を入力した際に、DAWソフトからモニターするとダブって聞こえることがあります。
購入したばかりの時は焦らず、ダイレクトモニタリングを切るか、DAW側のモニターをオフにしてお試しください(自分が焦ったので笑)。
オーディオインターフェイスをPC(今回はMac)に繋ぐと、自動的にデスクトップにアイコンが表示されます。

このアイコンからブラウザを起動して順に進めていけばインストールも簡単に完了します。

初めてオーディオインターフェイスを購入した時はどうしていいか分からずあたふたしたものです。これだけ親切なら初心者の方でも迷うことはなさそうですね。
それでは、いよいよヘッドホン端子とメイン出力からサウンドをチェックしていきます。
音を出してみてびっくり、倍以上の価格のオーディオインターフェイスと比べても引けを取らない明瞭なサウンド!ブラインドテストしてみてもどちらが高価なオーディオインターフェイスか見極められないほどでした。
レンジが広く、上の帯域までくっきり出るため、女性ボーカルやエレクトリックな音色がとても心地よく響きます。
ローもしっかり出ていてバランスの良い上品な出音です。
続いて入力をチェックするため、エレキギターのマイク録りを試してみました。
ノーマルのバージョンと『AIR』機能をオンにしたバージョンと、2種録ってみました。
環境は以下の通りです。
Guitar : Fender Custom Shop / Master Design 1965 Stratocaster Relic Designed by Mark Kendrick
Amp : Fender / '65 Deluxe Reverb
Mic : audio technica / AT4050
DAW : Logic pro X
音源はギター2本とドラムが入っています。ギターは録ったままノンエフェクトでプラグインも何も挿していません。
ドラムはLogic pro Xにデフォルトで入っているループ素材のリズムです。
ギターだけの方が違いがわかりやすいのでそちらもアップします。
出力と同様、ハイファイで輪郭のくっきりした綺麗なサウンド。心地よい音質で録れました!
Focusriteといえばマイクプリ、マイクプリと言えばFocusrite、と言えるぐらい歴史を背負ってきたブランド。そのサウンドはこの価格帯のモデルにもしっかり受け継がれていました。
『AIR』機能については個人的にはちょっとしたエフェクトのようなものかと思っていました。しかし、これが非常に自然なサウンド。高音域の空気感が付加されて、音のテクスチャーが際立って気持ちいいです!
上品に仕上げたい時はオフに、派手に際立たせたい時はオンにして録音していくのが良さそうです。
続きまして、付属のバンドルソフトウェアもクオリティの高いものばかり。こちらも1つずつ紹介していきます!
● Focusrite Red 2 & Red 3 Plug-In Suite
名機と名高いFocusriteのアウトボード「Redシリーズ」をAAX、AU、VST プラグイン・エフェクターにしたバンドルです。
➢ Red2(EQ)
EQがはっきり効いてくれ、感覚的にかっこいい音が作れます。前に出てくるサウンドになります。

➢ Red3(コンプレッサー)
こちらもパキッとしっかりかかります。わざとらしさがなく綺麗な音は、ドラムやボーカルなどの普段使いに最適です。

● DAW
用途やテイストが大きく異なる2つのDAWソフトウェアを収録。自分に合うDAWソフトウェアを探るのにも最適です。
➢ Ableton Live Lite
直感的に扱える人気DAWソフト。一般的にはダンス系に強いイメージがありますが実はどんなジャンルでも受け入れられる懐の深さがあり、インスピレーションを生み出すプラットフォームになります。

● XLN Audio / ADDICTIVE KEY
➢ ピアノやエレピなど4種類の鍵盤の中から1種類をゲットすることができます。人気ナンバー1のピアノ音源との呼び声も高く、その噂に違わぬ素晴らしい音源です。ピアノ音源としてリアルであることはもちろん、かなり柔軟な音作りに対応しているため、どんなジャンルでも必ずハマると思います。個人的にもこのピアノ音源はレギュラー入り確定です!!

● Focusrite Plug-in Collective
➢ 数ヶ月に一回プラグインなどのソフトウェアが無償提供されるという、お得すぎるプログラム。コツコツ集めていけばかなりのコレクションが出来上がってしまうのでは、、と妄想してしまいますがそれが現実となるのです!

● Splice3ヶ月分
➢ サンプル素材のサブスクリプションサービスであるSpliceの3ヶ月分クレジット。一般的なサブスクリプションは無料期間が終わったら使えなくなりますがSpliceは期間終了後もダウンロード済みの素材を使い続けることができます!そのため無料期間後にサブスクリプションを続けるにせよ続けないにせよ、充分に利用する価値のある無料チケットです!

上記の通り、付録だけでも余裕で元が取れるような内容となっています。
その他、最新のソフトバンドル状況につきましては、下記のURL先をご参照ください。
https://www.soundhouse.co.jp/material/focusrite/
ハード単体で見ても相当のクオリティを誇っているのに、ソフトまで含めてかなり充実した環境が整うため、初心者の方の初号機としても、玄人の方のサブ機としても、完全に『買い』の商品と言い切れます!!