音楽制作やライブサウンド、あるいはVtuberやeSports / ゲーム配信など、エンタメ産業における多くの現場はコンピューター(パソコン / Mac)で運用されており、用途や運用方法などニーズの多様化が進んでいます。
これら現在のコンピュータベースの音楽制作やプロフェッショナルの音響現場を牽引してきたのが、今回紹介するMark of the Unicornの略称としても知られるMOTUブランドです。
コンピュータ黎明期から、シーケンスソフトのPerformer(現在はDigital Performer)を開発。世界初となるPCI規格のオーディオインターフェイスとなった2408、そしてFirewireでのオーディオ伝送を可能とした828の開発など、ソフトウェア/ハードウェア両面において先進的な製品を世に送り出してきました。
80年初頭の設立から今に至るまで世界中の研究機関が集まるアメリカ・ボストンを拠点とし、今日のプロオーディオシーンをユーザーと共に歴史を更新し続けています。
MOTUを象徴するソフトウェアのDigital Performerは、ライブサウンドのマニピュレートや、スタジオでの楽曲制作などの業務に携わるプロフェッショナル達から長年にわたり絶大な支持を得ており、多様化したDAWソフトウェア群の礎として、確固たる地位を確立しています。
プロフェッショナル用途に特化したDigital Performerは、編集ツールのバリエーション、完璧なサウンドデザインツールとしての機能充実など、高い汎用性と操作性を兼ね備え、音楽ソフトウェアとして産声をあげた30年以上前から今まで、世界中で愛用される信頼の製品です。
DAWの発展とともにオーディオインターフェイス業界の歴史も切り拓いたMOTUハードウェアは現在、Thunderbolt、USB、FirewireそしてEthernetベースのAVB接続規格を採用した製品を展開し、空間オーディオに代表されるマルチチャンネルのプロダクションをはじめ、豊富なラインナップと、その音楽的なサウンド、業務用途に対応するタフな設計と充実の機能を誇り、大規模コンサートホールからプロフェッショナルレコーディングスタジオ、設備音響などの分野の多くで、新旧の製品達が今現在も活躍しています。
また、長年プロフェッショナルをけん引し続けるMOTUブランドとしては初の価格帯となるM2 / M4などのMシリーズ製品は、これまで培ってきたMOTUの開発ノウハウと高い品質の実現により、音楽業界のプロに加えて、人気Vtuberや配信者たちの多くの環境にも採用され、ストリーマーやeSportsアスリート、ゲーマー、PCオーディオファンなど個人ユースのオーディオインターフェイス(あるいはUSB-DAC)として記録的なヒットととなりました。
今回の特集では、MOTUオーディオインターフェイスの現行ラインナップをシリーズ毎にご紹介します。
数十にも及ぶ豊富なMOTU製品ラインナップから、ご自身にピッタリの製品をお選びいただけます。
価格にして数十万円にも及ぶ業務用途のオーディオインターフェイスから、高級オーディオ機器に採用されるESS TechnologyのハイエンドDACを惜しみなく採用したコンパクトなMシリーズは発売直後から注目を集め、音楽クリエイター、映像制作、楽器奏者、配信者、ゲーマー、オーディオ愛好家などPCをベースとした音声環境を要するあらゆるニーズに対応し、そしてその評判による口コミから今もなおシェアを拡大し続けています。
Mシリーズ共通の仕様として最も注目されるのが、その出音の音質です。
スピーカーや外部機器に接続するアウトプット出力端子からの発揮される迫力の120 dBダイナミックレンジ・サウンド、そしてヘッドホン出力にも個別のESS DACと独自設計の回路が実装され、シビアなチューニングを必要とする音楽制作環境や、PCオーディオ愛好家、ヘッドホン・イヤホンで音楽を楽しむポータブルオーディオファンなどリスニング用途でも非常に高い評価を獲得しています。
ハイエンド機器に匹敵する低ノイズ(EIN -129 dB)仕様でクリーンな音質を誇り、あらゆるXLR接続のマイクで適正な音量で明瞭にキャプチャーします。
クリアで鮮明なマイク音声はボーカルや楽器録音に適していることはもちろん、配信環境でもより高音質のサウンドを提供します。また、EQやコンプレッサーなどのダイナミクスエフェクト、リバーブなどの空間を演出するエフェクトの効果もより一段発揮するピュアな音質で、音声入力環境を向上したいあらゆるニーズに対応する性能を誇ります。
また、マイクプリアンプ・ゲインは60 dbを提供する仕様となっており、低ゲイン仕様のマイクロフォンに対応していることも人気の要因です。
30年以上にも亘りコンピューター音楽業界をリードするMOTUだからこそ成し遂げられるハードウェア設計とドライバー設計により、ハイエンド機器の仕様と同等スピードの往復レイテンシー2.5msを実現します。(96kHz / 32サンプルバッファ環境で測定)
ドライバーのインストールとともにPCオーディオをMシリーズ本体と内蔵の仮想入力チャンネルを介したループバック機能が追加され、ゲーム実況や歌ってみた配信などに高音質のストリーミングを実現します。
また、Mシリーズはドライバーを必須としないクラスコンプライアントデバイスでもあり、Mac環境においては接続するだけで使用開始できることと、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスのオーディオインターフェイスとしても使用できることも利点となっています。
ハーフラックの筐体に詰め込まれた豊富な入出力系統と、それら全てがプロ・クオリティのベストサウンドを提供するMOTUインターフェイスを象徴するモデルの一つである「UltraLite」の第五世代モデル。
ESS Technologyのハイエンド高級DACを採用し広いレンジをパワフルに出力します。入力、出力共に大ヒットのMシリーズ・インターフェイスを上回る音響スペックを実現しており、豊富な系統数とともに確かなサウンドの恩恵を受けられます。
また、本体にはDSPを内蔵しており、EQ、コンプレッサー、リバーブエフェクトを内部処理で完結し、いわゆる掛け録りレコーディングが可能。(リバーブはモニターに活用できます)
UltraLite mk5を入出力用のオーディオインターフェイスとして活用するほか、デジタルミキサーやADDAコンバーターとして操作、活用できる専用のコントロールアプリCue Mix 5が提供されます。
ボーあるレコーディング用、マルチチャンネル制御、配信システム特化など、用途に応じたミックスを作成することができ、PCやiOSデバイスでコントロールが可能になります。
ループバックソースの指定など、高度な設定にも対応する仕様でDAWを用いたレコーディングやミキシングのほか、スマホ環境での配信にも活躍します。
Thunderbolt、USB接続に加え、新たにEthernet接続も可能としたAVBシリーズ。ネットワークオーディオが注目される傾向にありますが、MOTUが新たに採用した「Sabreコンバータ」(一部品目のみ)、新設計のマイクプリなど、単体のオーディオインターフェイスとしても現行MOTUラインナップの中で最上位のモデルとなります。
低レイテンシー、低ノイズのIOとしての機能のほか、Ethernetならびにスイッチングハブを用いて複数のユニットを接続することにより、コンピュータに対して最大128in 128outのオーディオシステムとして構築可能。ネットワークオーディオとして最大512chの送受信ができます。
AVB(Audio Video Bridging)を採用したMOTUインターフェイスはCat5e、もしくはCat6 Ethernetケーブルによって、マルチチャンネルと長距離の伝送を容易にしつつ、それら高品質サウンドを超低レイテンシーで送受信することを実現しました。
MOTU AVBシリーズには、新しいAVBミキサーを搭載。単体もしくは複数台のMOTU AVBユニットは、有線接続されたコンピュータに加えて、同Wifiネットワーク化にあるiOSデバイスでのコントロールも可能な、ブラウザベースのミキサーソフトウェアで制御します。遠隔操作を可能とすることで、大型ホールなどのライブサウンドシチュエーションでの活用や、商業施設をはじめとした設備音響の制御システムにも役立てられます。
複数台のMOTU AVBユニットのオーディオ送受信は、AVBミキサー(MOTU AVB Discovery)での設定において、一度仮想チャンネル(AVB Stream)に出し、任意のユニットに対して、任意のストリームをあてがうイメージとなります。
業界初となったFirewireインターフェイス、“828”を輩出したMOTUインターフェイスは現在、第三世代のmk3シリーズとしてラインナップ。ハーフラックサイズにUSB2.0とFirewireの両端子を搭載したUlraLite mk3も業界初なるハイブリット接続で大きな注目を集めました。
mk3シリーズの一部品目は、FirewireもしくはThunderboltとUSBの両端子を搭載しており、DSPエフェクト、低ノイズの定評マイクプリ、入出力の計測ツールなどを備えています。
MOTUのmk3シリーズは共通して、ミキサーソフトである、CueMixが付属します。MOTUインターフェイスの全ての製品はDSPを内蔵しており、コンピュータに負担をかけずに入出力のプロセッシングを行います。インターフェイス本体でもボリュームや設定の変更が行えますが、付属のCueMixソフトウェアをご利用いただくことで、より容易なミキシングを可能にします。独自のモニター設定や、ミキサーのリコールなどもMOTU mk3シリーズとCueMixはデジタルミキサーとしての機能も兼ね備えています。
mk3シリーズのCueMixには、豊富な計測ツールが搭載されています。スペクトラムアナライザー、位相メーター、オシロスコープ、チューナー。これらが付属しており、幅広い用途にご利用いただけます。たとえば、DAWからの出力に対してスペクトラムアナライザーを表示させ、視覚的なEQ操作を行うなどの制作面での活用方法から、コンサートホールなどのスピーカーチューニングにこれらのツールが使われるケースも少なくありません。
CueMixでは任意の入出力チャンネルに対して、高品位なエフェクトを施せます。最長60秒のリバーブタイムを持つClassic Reverb、著名ブリティッシュ・アナログコンソールを忠実に再現した7バンドEQ、銘機LA-2Aを忠実に再現したLeveler、これらはインターフェイス本体のもつDSPで処理されるため、コンピュータに負荷をかけることなく、エフェクトを施せます。(品目により、エフェクト数もしくはエフェクト使用できないものもあります)