ご無沙汰しております。
前回、 AIを使って好きな曲のギターサウンドを再現してみた という記事を寄稿させていただきました、淀川 詩温です。
今回は、サウンドハウスで買った機材で自作曲を制作して、CD Babyで配信してみた ということで、 サウンドハウスで購入した機材を使ってピアノソロ音源を制作する過程と、その音源を書き出して CD Baby という海外の音楽ディストリビューターを使って配信する方法をご紹介できればと思います。
今回使用する機材
まずは、自作曲を制作するにあたって使用する機材をご紹介します。
- M-AUDIO ( エムオーディオ ) / Keystation49 mk3 USB MIDIキーボード 49鍵
49鍵盤のMIDIキーボード。パソコンにつないで、ピアノ音源を鳴らすために使用。 - XLN AUDIO ( エックスエルエヌオーディオ ) / Addictive Keys: Duo Bundle 簡易パッケージ版
パソコン上で動作するピアノ音源。音色はStudio Grandを使用。 - SONY ( ソニー ) / MDR-7506 定番スタジオモニターヘッドホン
演奏した音源をリアルタイムで確認するために使用。 - Native Instruments ( ネイティブインストゥルメンツ ) / KOMPLETE AUDIO 2 オーディオインターフェイス
ヘッドフォンをパソコンに繋ぐために使用。
録音の準備
まずは、お好みのDAW(今回はREAPERを使用しました)を立ち上げます。 新規トラックを作成して、プラグインにAddictive Keysをインサート。 今回は、少しローファイなイメージで制作したかったので、マイクのプリセットは AMB TUBE を選択しました。
入力を Keystation49 mk3 に設定し、モニターを開始します。ピアノの音が鳴れば、準備完了です。
録音が終わったら
次に、すべての曲の録音が終わったら、一曲ごとに範囲を選択して、wavファイルに書き出します。 その後、新規プロジェクトを作成して、タイムラインに書き出したwavファイルを読み込みます。
本来は、この段階でオートボリューム系のプラグインや、オートメーションなどを使って曲中の音量差をなくしていくのですが、今回はローファイなイメージかつ、ダイナミックレンジの広い、ラウドネス的な論争から一歩引いた音源が作りたかったので、True Peakが-1dbになるようにノーマライズしたのち、ディザーだけ適用して書き出しました。
44.1khz / 16bit のwavファイルを1曲ごとに書き出したら、制作は完了です。
CD Babyで各種ストリーミングサービスに配信してみる
せっかく音源が完成したので、今回は CD Baby という海外の音楽ディストリビューターを使って楽曲を配信してみることにしました。
それでは、実際に配信の手続きをした手順をご紹介します。
1. CD Babyのアカウントを作成する
cdbaby.com を開いて、右上の"GET STARTED"というボタンを押します。
すると、アカウントの登録画面が出てきます。
画面に沿って、メールアドレス、名前、国、ユーザー名、パスワードなどを入力して"create account"とかかれたボタンを押します。
すると、入力したメールアドレスに確認のメールが届きます。
届いたメールの、"Verify Now"と書かれたボタンを押すと、アカウントの作成は完了です。
2. 配信したい曲の情報を入力する
さて、アカウントの作成が完了すると、次のような画面になります。
今回は、複数曲を配信したかったので、"Album"を選択しました。
"Album"を選択すると、このような画面になります。
以下を参考に、それぞれの項目を入力してください。
- Compilation Album
- 複数のアーティストが参加している場合はYes、それ以外の場合はNoを選択。今回は、複数のアーティストは参加していないため、Noを選択しました。
- Album Language
- 今回は、Japaneseを選択しました。
- Artist Name
- アーティスト名を入力します。今回は日本語で入力しましたが、問題なく配信できました。
- Album Title
- アルバム名を入力します。今回は英語で入力したため未検証ですが、おそらく日本語でも配信できるのではないかと思います。
- Release Date
- アルバムのリリース日を選択します。ここでは、月/日/年の形式で表示されるため、間違えないように慎重に…
- Record Label
- レーベル名を設定する場合は入力します。今回は空欄にしました。
- Copyright Owner
- 著作権者(おそらく原盤権を有する方)を設定する場合は入力します。今回はこちらも空欄にしました。
入力したあと、スクロールするとバーコードの取得について入力します。
配信するアルバムにUPCなどのバーコードをすでに持っている場合は、ここで入力します。
今回はバーコードを持っていないため、"assign me bar code"と書かれたほうを選択しました。
つづいて、ジャンルなどを選んで入力します。
メインカテゴリで、ポップスやジャズなどを、サブカテゴリでJ-POPやjazz fusionなどを選択できます。
また、Artist locationですが、こちらは日本で活動しているのでJapanを選択しました。
次に進むと、アルバムの枚数を入力する画面になります。
2枚組など、複数枚にまたがる場合はその枚数を、そうでない場合は1と入力します。
今回は、1と入力しました。
次は、それぞれのディスクに対して収録されている曲数を入力します。
今回は、4曲なので、4と入力しました。
次に進むと、各トラックのタイトルを入力する画面です。
今回は日本語で入力しましたが、こちらも問題なく配信できました。
次の画面では、曲の詳細を入力します。
"START"や"EDIT"と書いてあるボタンを押して、順番に入力していきます。
- Parental Advisory
- NSFWな内容や暴力的な内容が含まれる場合はYes、そうでない場合はNoを選択します。
- Language Of Lyrics
- 歌詞の言語を入力します。今回はインスト曲なので、"Instrumental"を選択しました。
- Is this track a Live Version
- ライブバージョンであればYes、そうでなければNoを入力します。
- Composition type
- 曲の権利的なタイプを選択します。オリジナル曲であればOriginalを、カバー曲の場合はCover songを、パブリックドメイン曲の場合はPublic Domainを選択してください。今回は、Originalを選択しました。
全曲分この作業を繰り返すと、次に進めます。
次は、ISRCを持っているかを入力する画面です。
今回は、持っていなかったため、needと書かれたほうを選択しました。
次に進むと、配信先を選ぶ画面になります。
今回は、amazon music、apple music、line music、youtube musicのみ選択しました。
今度は、それぞれの配信先で新しくアーティストを作成するかを聞かれます。以前に同じアーティストとして配信したことがある場合は、ここで選択します。
今回は、はじめての配信であるため、Createと書かれたものを選択しました。
次は、pre-orderの有無を確認する画面です。これは、配信日前に購入などの手続きを済ませれる仕組みです。
今回は、必要ないと思ったためNoを選択しました。
次は、10分以上のトラックが存在するか聞かれます。
今回は、存在しないためNoを選択しました。
次に進むと、配信先の地域を選べます。
今回は、すべての地域を選択しました。
次は、いわゆるショート動画での収益化のオプションを選択できます。これを有効化すると、配信した曲が使用されたショート動画での収益が分配されます。
今回は、すべて有効化しました。
次は、先ほど選択したショート動画での、使用される部分の選択ができる画面です。
今回はデフォルトのままで十分だと思ったため、そのまま続行しました。
今度は、ジャケット写真をアップロードする画面です。
最後に、実際に配信する音源をアップロードします。
それぞれの項目にアップロードしたら、この工程は一旦終了です。お疲れ様でした!
3. 配信手数料を支払う
最後に、配信手数料を支払います。
まず、先ほどの手順が完了すると、このような画面になります。
ここで、Add to cartと書かれたボタンを押します。
すると、このような画面になるので、チェックアウトします。
支払い手段を選ぶ画面になります。今回は、paypalを選択しました。
支払いが完了するとこのような画面になります。お疲れ様でした!
だいたい5日ほどでcdbaby側の審査がおこなわれ、その後それぞれの配信先に送信されて、リリース日に配信が開始されます!
CD Babyの良かった点・他と違う点
さて、今回CD Babyを利用して配信してみて感じた、良かった点・他と違う点などをそれぞれ挙げていきます。
良かった点
- 金額が安い
- 2024年10月現在、9.99ドルで配信できて、更新費用も不要な点は私にとっては大きなメリットでした。
- YouTube 公式アーティスト チャンネルの申請要件が他社と比べて緩かった
- 将来的にYouTube 公式アーティスト チャンネルの申請を行おうと考えていたのですが、CD Babyでは申請要件に登録者数の項目がないため、比較的簡単に申請が行える点もいいと思いました。
他と違う点
- 配信先のURLが通知されない
- 配信してかから気がついたのですが、他社では配信先の楽曲のURLまで表示されるのに対して、CD Babyでは自分で検索してURLを見つける必要がありました。
- 支払いがドル建てである
- これはメリットにもデメリットにもなるのですが、配信手数料の支払いも、それから収益が入ったときの支払いもドル建てになるため、為替の影響を受けやすいという若干の懸念があります。
さいごに
今回は、サウンドハウスで買った機材で自作曲を制作して、CD Babyで配信してみた ということで、自作曲の制作過程と、CD Babyの使い方などをご紹介してまいりました。
この記事が少しでもみなさんの音楽活動のお役に立てましたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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