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オリヒメ

2018-05-11

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

オリィ研究所 オリヒメ

AIの進化には目を見張るものがある。昨今では「分身ロボット」のプロジェクトが話題に上っている。当初から様々な用途が提言され、中でも障害者の方々への支援が大きな目標として掲げられた。そしていつしか、オリヒメと呼ばれるロボットが、体に問題を抱える人達の代わりとなって、周囲の声を聴きながら反応するという仕組みが出来上がった。たとえ声が出せなくても、手足が不自由であっても、何等かの形でロボットを通じてコミュニケーションをとれるような新時代の到来だ。

オリヒメは、つまるところ、身体的な問題だけでなく、その場所にいなくても自分の代わりに人々とお付き合いをしてくれるという対面志向のロボットだ。よって、つい最近では学校に通えない児童の代わりに、ロボットが授業に参加するという仕組みまでが実用化されている。いわゆる「分身ロボット」というものだ。いまや学校に出向かなくても、オリヒメを通じてリアルタイムに授業に参加している学生がいる。オリヒメはたしかに賢く、内蔵カメラで周囲の画像をとらえ、周囲の音をきちんと伝えてくれることから、遠隔操作でまさにユーザーがそこにいるのと同じような情報を得ることができるのだ。しかも、オリヒメは手を挙げたり、会話をしたり、拍手などもできる。

YAMAHA / Duet with YOO

音楽の世界でもAI化により激震が走っている。ヤマハが開発した「Duet with YOO」は、AIが人間と一緒にピアノを演奏する技術を極めたものだ。人工知能合奏と呼ばれる新技術により、演奏者はAIが自分のレベル、弾き方などを即座に理解し、合奏してくれることから、安心して演奏に集中できる。その結果、さほど練習をしてない初心者でも、条件設定によっては、誰もがすごいと思うレベルの共演をAIと共にすることができるのだ。ピアノがAI化なら、ギターもバンドも、勿論、AI化が可能になる。もはやロボットのバンドメンバーと、ロックバンドを組むことも夢ではない。むしろ今よりもさらにレベルの上がった演奏を楽しめるのだ!!

さて、そこまでロボットがやってくれるなら、今後どうやって楽器を練習するモチベーションを保てるのだろうか、とふと、疑問に思ってしまいます。聴いている人にとって、もはや人間かロボット、どちらが演奏しているかはわからなくなるのだろう。今、はやりのボーカロイドとて、さらに技術が向上すれば、人間かバーチャルか、見分けはつかなくなる。

学校にしても、確かにやむをえず出席できない場合のロボットの活用は、今後重宝されるだろう。しかし登校拒否に対してオリヒメ登場が当たり前になってしまうと、仲間と学ぶ環境が本来大切であるのに、その学びの場をないがしろにしてしまわないか、心配だ。また、ロボットと一緒に座ることを余儀なくされる学生側の気持ちはどうなのだろう。。。 ロボットに自己紹介??ロボットに声をかけるかな?? いやいや、それはまだ、想像するに及ばない。異様な雰囲気という限度を超えているのではないだろうか。ふと気が付くと、ある日、学生全員が授業をボイコットして、オリヒメ40人をデスク上に置く教室で、先生が淡々とロボットに語りかけていることにならないだろうか。なんか、おかしい。。。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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