
弦楽器といえばギター、ベース、バイオリン、チェロなどがありますが、日本の伝統的な弦楽器といえば三味線です。弦3本で表現する和の音楽の世界は、津軽三味線など意外と激しい演奏だったりもします。そこで三味線の世界を知るために、三味線のカッコいい演奏を集めてみました。
■ 三味線とは・・・
演奏をご紹介する前に三味線についてざっくりご説明します。三味線は中国伝来の「三絃」を日本で改良したものです。犬や猫の革を張った胴に繋がる棹に張られた弦を、撥(ばち)で弾いて演奏します。弦の本数は3本で、ギターの6本、ベースの4本、バイオリンの4本、チェロの4本と比べても一番少ないです。
■ 三味線はざっくり分けると「太棹」「中棹」「細棹」の3種類
「太棹」は津軽三味線など大きな音でアグレッシブに演奏する場合に使用されます。最近では、エレキギターなど音の大きな洋楽器と組み合わせる場合やバンド編成の中でも使用されます。
「中棹」は民謡や豊後系浄瑠璃、小唄などを演奏するときに使用します、太棹よりも高音域の演奏ができます。いろんな演奏に応用がきく三味線です。
「細棹」は長唄などを艶っぽく演奏するときに使用します。3種類の中では一番音が高くなります。
■ 三味線には複数のチューニングがある
三味線もギターのドロップDなどと同じで複数のチューニング方法があります。チューニングのことは調子とよばれ、6種類の代表的な調子があります。調子は曲ごとに決まっています。
■ 倍音の表現がポイント
ギターでいう倍音の表現は「さわり」でおこないます。さわりとは一番太い糸(一の糸)を棹に触れさせてびびり音を発生させることです。これにより他の2本の糸も共鳴します。さわりのない音よりも音が複雑な響きになります。
■ 三味線のカッコいい演奏をご紹介します!
○ 吉田兄弟 「津軽じょんがら節」 ライブ映像
○ 風のとおり道 / DAISHI DANCE feat.吉田兄弟 [PLACE : teamLab Borderless(TOKYO)]
津軽三味線といえばこちらの吉田兄弟でしょう。吉田兄弟は北海道登別市出身、5歳から三味線を始め、その後津軽三味線を習い、1999年にメジャーデビューをしました。津軽三味線と様々な音楽をミックスさせ、三味線のイメージを大きく変えた方々です。
亀屋邦楽器 ( カメヤホウガッキ ) / 津軽アフリカ花林三味線
○ 津軽じょんがら節 / はなわちえ
青森県津軽地方に伝わる民謡「津軽じょんがら節」をじっくり聴けます。歌のない三味線のみのバージョンは「曲弾き」といわれます。はなわちえさんは、9歳から津軽三味線を始め、2000年には津軽三味線全国大会のA級女性部門で最年少チャンピオン(当時17歳)になっています。
○ X JAPAN - 紅 (津軽三味線/Shamisen Cover)
三味線で弾くロックです。演奏は黒いマスクで謎めいたShamimaskさん。太棹の津軽三味線はこういった激しい曲調も弾くことができます。
○ 勧進帳【長唄三味線】杵屋勝国毅 杵屋くに緒 杵屋勝壽 杵屋ちよ(上調子)【唄】杵屋勝眞規 杵屋勝四助
歌舞伎十八番の一つ、勧進帳(かんじんちょう)の長唄演奏です。歌と三味線の絶妙な掛け合いが楽しめます。
YAMAHA ( ヤマハ ) / 長唄三味線セット S011A
■ 新しい三味線!SHAMIKO(シャミコ)に注目
SHAMIKO ( シャミコ ) / 五合枡三味線 シャミコ
SHAMIKOは三味線をベースに新しく開発された三絃の楽器です。三味線よりもコンパクト、ギターでいうボディの胴には日本酒などを計る日本の伝統的な計量器「枡(ます)」を使用しています。
胴に張られている革は通常犬や猫の革を使いますが破れることがあり、張り替えに何万円もかかる場合があります。SHAMIKOの革はパルプ由来の特殊紙を使用し、破れにくくなっています。弦は伝統的な三味線の場合一の糸に絹を使う場合もありますが、SHAMIKOは全てナイロン製なので切れにくくなっています。
また、三味線初心者でも弾き易いように、撥の替わりにピックが付属しています。いきなり本格三味線を購入するのには勇気がいるので、最初はコンパクトで耐久性があって使い易いSHAMIKOから始めてみるのもおすすめです。
○ QUEEN『ボヘミアン・ラプソディ』with シャミコ(SHAMIKO) by 雅勝(MASAKATSU)【HD画質】
■ 休日には三味線を演奏!粋ですね
楽器の演奏が趣味の場合ギターなど洋物の楽器が多いでしょうが、三味線が趣味っていうのも粋ですよね。ぜひ、始めてみてはいかがでしょうか。
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