オリジナル曲を作っていると、「ベースラインが単調でつまらない…」という悩みにぶつかる人は少なくありません。
特に作曲初心者やベース経験が浅い人ほど、ルート音をただ弾き続けるパターンになりがちです。もちろん、ルート弾きは曲を安定させる重要な役割を持っていますが、それだけでは曲に立体感や推進力が生まれにくい場合もあります。
今回は、初心者でもすぐ試せるベースラインをカッコよくできる初級アレンジテクニックを紹介します。

初級アレンジテクニック
初級編では、練習しやすく変化がわかりやすいように、C → F → G → C という定番のコード進行を使ってアレンジを進めていきます。
ドラムはシンプルな8ビート、テンポはBPM120に設定。
記事内の解説を試しやすいよう、TAB譜とサンプル音源も用意しましたので、ぜひ参考にしながら手元の楽器で実践してみてください。
1. リズムを変えてみる
ベースラインの印象は音の高さだけでなくリズムでも大きく変わります。
例えば、同じルート音でも「四分音符で刻む」「八分音符で動かす」「裏拍に置く」など、リズムパターンを変えるだけで曲の雰囲気が一変します。
ここで8ビートのシンプルなドラムループ上でどのような変化があるのか聞いてみましょう。
■ 実例
四分音符刻み

四分音符で弾くことで、リズムに大きな余裕が生まれ、落ち着いた印象を与えられます。
八分音符刻み

八分音符で弾くと、曲に推進力や軽快さを加えることができます。
裏拍で入れる

あえてキックに合わせないポイントで弾くのもアレンジにおいては効果的です。
ただし、ズラすポイントを間違えるとグルーヴの安定感が損なわれるので注意が必要です。
いかがでしょうか。
ドラムのパターンが同じでも、ベースのリズムを変えるだけで曲全体の印象は大きく変わります。
シンプルな変化でも、グルーヴや雰囲気に明確な違いが生まれるはずです。
2. オクターブで動かす
ルート音をそのまま繰り返す代わりに、同じ音名のオクターブ上やオクターブ下を織り交ぜて弾くと、立体感が生まれます。
特にポップスやファンク系、ディスコミュージックではオクターブ奏法が多用されます。
■ 実例

3. パッシングノートを入れる
「ルートから次のルートに移る間」に1音だけ余計な音を入れてあげるテクニックです。
これにより滑らかに音が繋がり、流れるようなラインになります。
今回は次のコードのルート音の半音下の音を入れてあります。
コードCからFに移る場合:
C→ E(Fの半音下)→ F
■ 実例

4. 音の長さをコントロールする
ベースラインは「何の音を弾くか」だけでなく「どれだけ伸ばすか」も重要です。
同じ音でもスタッカート(短く切る)とレガート(長く伸ばす)では全く違うグルーヴになります。
■ 実例(スタッカート)

5. ルート+5度の組み合わせ
初級者にとって最も安全で効果的なアレンジが「ルート音と5度音の組み合わせ」です。
ロックやカントリー、ポップスで多用される定番パターンで、ルートの上下に動きが出ます。
コードCの場合:
C(ルート)→ G(5度)→ C
■ 実例

実際のアレンジ例
今まで紹介したテクニックを組み合わせてベースラインを考えてみました。

紹介したテクニックを全て取り入れたので少々エクササイズフレーズ的な感じですが、ルート音だけの単調なものに比べるとだいぶベースラインに表情がついたと思われます。
まとめ
初級編では、以下のようなシンプルなアイディアをご紹介しました。
- リズムを変える
- オクターブで動かす
- パッシングノートを入れる
- 音の長さをコントロールする
- ルート+5度の組み合わせ
こういったちょっとした工夫で単調感をなくすことができます。
ただ、重要なのは「やりすぎない」ことです。
曲の主役はメロディやボーカルであり、ベースはその土台を支える役割です。
ほんの少しの変化を加えるだけで、曲の印象は大きく変わります。まずは今回紹介した基本テクニックを試して、ベースラインの幅を広げてみてください。
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