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吹奏楽部必見!?皆を虜にする福田洋介吹奏楽作品の世界

2022-02-14

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

吹奏楽の楽曲といわれるとどのようなイメージを持ちますか?まったくわからないという人から、いくらでも浮かんでくるといった人まで、様々だと思います。
そこで今回は、吹奏楽をやったことがある人で聞いたことがない者はない、そう言っても過言ではないほど人々を魅了する福田洋介さんの吹奏楽作品たちを、ごく一部ですが紹介させていただこうと思います。知っている人は「そうそう、これだ」と、初めて聞く人は「こんな曲もあったんだ」と、感じていただければ幸いです。
それは行きましょう!

作編曲家 福田洋介とは

本題に入る前にまず、福田さん自身のプロフィールを書いておきます。

1975年東京都杉並区生まれ。現在まで作・編曲は独学。吹奏楽・管弦楽・室内楽の作・編曲および指導・指揮に力を注ぐ。
CDや楽譜が各社より多数出版され、国内外で作品の評価が近年高まっている。佐渡裕&シエナWO、SEKAI NO OWARI、海上自衛隊音楽隊などの作編曲担当としても活動し好評を博す。また、学生団体・一般団体の常任・客演指揮も精力的に務めている。
( 福田洋介オフィシャルサイト https://sites.google.com/view/fukudayosuke/home より)

圧倒的な人気を誇る定番曲「さくらのうた」

福田洋介さんといえば外せないのがこの「さくらのうた」。ご存じの通り第22回朝日作曲賞受賞作品であり、2012年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅰです。現在は吹奏楽版だけでなく、管弦楽やアンサンブル、ソロなど様々な形態で演奏できるようになっています。そして先日福田さんのTwitterにて、新たにブラスバンド版が製作されているということもおっしゃられていました。

サクラを愛でながら思いを馳せるその心が、人によってまったく違うのと同じように、音楽のしなやかな変化を信じて、自分達だけの「さくらのうた」を演じていただけたら嬉しいです。(2011.12 全日本吹奏楽連盟会報「すいそうがく」No.188より抜粋)

と本人がおっしゃるように、課題曲ながらも自分だけの「さくらのうた」にしてほしい、そんな気持ちがこもった名作です。6/8拍子で奏でられる優雅で美しいメロディは、人々の心を引き留めて離しません。この曲、最初は「桜の花咲くころに」というタイトルで作り始められたのだとか。この言葉が流れるフレーズとして{B}からのフレーズが浮かばれたそうです(その後、真島俊夫さんが「さくらの花が咲く頃」という作品を発表なさったため変更なさったとのこと)。演奏はもちろんのこと、この際福田さん本人が書いている 「さくらのうた」誕生秘話も大変面白いので、ぜひチェックしに行ってほしいですね。
福田洋介note さくらのうたができるまで

(演奏フィルハーモニック・ウインズ・オオサカン)

これぞ日本の吹奏楽!「吹奏楽のための『風之舞』」

「さくらのうた」と並んで欠かすことができないのがこの「風之舞」。第14回朝日作曲賞受賞作品であり、2003年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅰです。
葛飾北斎をイメージした“Hokusai Impressions”というテーマの中、架空の歌舞伎舞台で「日本のオリジナル」を意識して作曲されました。「さくらのうた」同様、演奏者によって表情が変わり、その人たちオリジナルのものになっていく、そんな過程を楽しむことができます。某テレビ番組の「吹奏楽の旅」というコーナーでこの曲が取り上げられたこともあり、その人気は留まるところを知りません。
曲の初めから、この世界観に引き込まれ、聞き終わるころには「これぞ日本の吹奏楽なんだ」と感動することでしょう。個人的には、淀高の故丸谷明夫先生が、出だしの部分について、「お祭りの横笛のイメージや、とんとんとんひーやらとんとんって感じやろ!」とおっしゃっていたのがものすごく印象的です。
先ほども言った通り、吹奏楽コンクールの課題曲であったこの「風之舞」ですが、各校の演奏を聴き比べるのもその楽しみの一つです。
大阪府立淀川工業高校(現淀川工科高校)、天理高校、柏市立柏高校といった三校は、それぞれ違う表情を持った録音を残しています。ぜひ機会があれば聞き比べてみてはいかがでしょうか。

(演奏WISH Wind Orchestra)

編曲家福田洋介として

福田さんというと上記した曲のほかにも、「鳳凰」や「ほたるのひかり」など数々の素晴らしい楽曲を作られておりますが、それに加えていろんなジャンルの曲を吹奏楽用に編曲されています。昨今話題のポップスや「Make Her Mine」(本作は郷間幹男さんとの共同編曲)などのJazz等、その分野は様々ですが、その中でも私が皆さんに聞いていただきたいのは「魔女の宅急便コレクション」です。

(Winds Scoreより出版)

部活で吹奏楽をやられていた人は、演奏したことがある!という人も多いのではないでしょうか。久石譲さんによる「魔女の宅急便」の音楽の世界が、そのまま吹奏楽となっているのです。これを聞けば、まるで映画を一本見終わったかのようなアレンジとなっています。映画を知っている人でも、知らない人でも楽しめる久石譲さんの音楽、それを余すことなく感じることができるこの編曲も、福田洋介さんです。ぜひこのような編曲作品も探してみてください。思わぬ発見があるかもしれません。

最後に

いかがだったでしょうか。ここで紹介したのはわずか3曲。福田作品のほんの一部にしかすぎません。そして現在は、「12-Pieces Winds」と題した小編成編曲にも力を入れられています。福田さんのオフィシャルサイトにもぜひ行ってみてください。
( 福田洋介オフィシャルサイト https://sites.google.com/view/fukudayosuke/home )

この感動が少しでも共有できたらうれしいです。
しかし、福田洋介さんの魅力がさらにわかるのは、アンサンブル作品であると思っています。が、それについてはまた違うとこで…。
ありがとうございました。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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緑のふうせん

3歳からピアノをはじめ、中学より学校の吹奏楽団にてトロンボーンを始める。高校生になり、バストロンボーンに転身。その他、打楽器、ユーフォニアムなど様々な楽器を学ぶ。

 
 
 
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