今回は私が1年以上、週に3、4日使用して来たギターケースの話である。part1、part2に分けて述べたい。
Part1
ギターケースはハードケースとギグバック、ソフトケースと大別してゆく。色々呼び方があるがツアーケース、ハードケース、ギグバック、ソフトケースと格付けする。
まず、ハードケース。スタジオなどに車で運ぶ時に重宝する。ほとんどのハードケースは重さを分散するハンドルの位置が、ボディ寄りに付いている位の対処で、非常に重い。電車に乗ってケースを床に置いて座ったら、周りの人に迷惑であるし、スタジオ等に行くまでに両手は疲れるだろう。しかしハードケースを持って街中を歩く時、これからギターを弾くぞ!というモチベーションに効果がある。大抵の人はハードケースの中に何が入っているかわからないかも知れない。これにはプラス面マイナス面があるかも。
但し例外がある。SKB FS6ハードケース。
SKB ( エスケービー ) / FS6 ストラト/テレキャス用ハードケース TSA対応
ハードケースとしては3、72kgと軽い。SKBのロゴが全体を引き締めており、ギターに詳しくない人から「高そうなケースだね。」楽器店で他のお客さんに「どこで購入したの?」と何回も言われている。内部にはCDや弦、小物が入るし、工夫すれば小型エフェクターが入る。長年保管用、搬出に使用しているがハードケースとしてはルックス、耐衝撃性、価格と三拍子揃っている。これなら街中颯爽と歩けるかも知れない。本当は使って欲しくないけどおすすめ。
またツアーケースという最初から大型トラックや飛行機などに搭載する事が、前提の、主に黒いケース。白い文字でバンド名が入ったケースがあるが、これは特別な人しか使わないので説明は必要無いと思う。
ではギグバックについて。
初心者が一番最初に手に入れるエレキギターに付属するソフトケース。これは生地がペラペラでギターを購入した時の『お買い上げ袋』と思って良いかと判断する。(写真)FENDERと大きく書かれたバック

安価なギターを購入した際に付いているソフトケースであり、満員電車の中で揉まれてペグが破損したり、不意にコンクリート地面に落としたらストラップピンの破損は避けられない。Gibson系のヘッドに角度がついているのは勧めない。さらにマホガニーの様なデリケートなネックの保護など、Gibson系ギターはFENDER系メイプルネックより不安だ。
最初はアクセサリーが入って、小物が入るポケットのあるプレイテックがおすすめだ。安価な割には色も豊富で価格も安い。これなら多少の悪天候、衝撃にも『お買い上げ袋』よりは遥かに良い。5万円程のギターに適するのでは。まあこのくらいの値段なら我慢出来ると思って良いだろう。
また¥1000~¥2000予算をアップしたらアイバニーズからカラフルなケースも発売されており、高校生や大学生位のお洒落に決めたい女の子にはうってつけかも知れない。
では私が過去使用して来た二、三のギグバックについて述べたい。
初心者用ギターから腕前もグレードアップして二本目以降のギターを購入したら以下のギグバックをおすすめする。今回はPart1という事で3種のギクバックについて述べたい。私が最低2年間以上使用した上でのリアルな感想だ。
まずsuhr。非常に軽い。
SUHR ( サー ) / Deluxe Gig Bag
画像通り下部に艶がなくビニールっぽいが余分なケースの膨らみがほとんどない。スタイリッシュだ。ジッパーを広げるとネックサポートも付いておりネックに角度のあるGibson系のギターもある程度大丈夫。そしてこのケースの売りは、『アクセサリー等入れるポケットの容量』。コンパクトエフェクターを3個もいれると普通ならケースが膨らむが、suhrはあまり膨らまない。綺麗な流線型デザインをキープする。ストラップが2本あり、勿論背負う事も出来る。
残念な事は、取っ手が数ヶ月の使用で毛羽立ち始める事。ケースの 素材もあまり高級感がない。雨が降ると生地に雨水が染み込みそう。また『上部の小さなポケット』のジッパーは貧弱でスタジオ5分前退場の時に、即座に小物を片付ける時に、クリップ式チューナーを入れて落とした経験がある。オマケ程度に付いている感じで、急いでいる時など、大切な物を入れない方が良い。大雨対策のレインジャケットなど万一紛失しても後悔しない物を入れておくのがベストかと思う。
休日に持ち歩く程度に利用する人向き。
あまり被らないブランドだし、私もギターリペア店でセミプロの方が持っているのを数回見ただけ。スタイリッシュ・軽量・他のケースと比べたら容量がある。以上がセールスポイント。
次に Gig Bag SZ GDX
GIGBAG ( ギグバッグ ) / SZ-GDX

これは縫製がしっかりしている。日本製。私が購入したデラックス仕様のケースはYKKのAQUAガードがジッパーに使用されており、折り畳み傘で済む程度の雨なら大丈夫。ジッパーに特殊な加工が施されており安心感がある。
改善して欲しい点は、アクセサリーポケットを細い革ベルト2本で開け閉めする事。使い勝手が非常に悪い。
また、ストラト、テレキャスにそぐわない横幅の広がり。セミアコ型ギターが入るのではないか?と思うほどの横幅の広さ。CDショップの狭い通路で品定めしていると周りに大迷惑だ。
しかし¥15000以下のケースとしては縫製、作りなどしっかりしているのでオススメ。見た目も高級感ある。

最後にNAZCA。¥25000~
日本の職人がハンドメイドで作っているギグバックで、市場に出回っている商品の中では最も軽い分野に位置し、耐衝撃性のあるケース。一年保証もあり、バンドマン御用達ギターギグバック。
私は雨対策にバーガンディの防水加工されたバックを選んだ。雨に強いが何度となく雨にさらすと1年でバーガンディの色が褪せて来た。防水仕様はカラーも数種類しか選べない。しかしアクセサリーポケットは、なかなか良く出来ている。上部分の小さなポケットも申し分ない。背負うショルダーストラップも上手く設計されており、重さ対策がなされている。
改善して欲しい点は、手で持つ時にマジックテープで止められたグリップの作りが今一つ良くない事。快適に運びづらい。NAZCAを愛用しているオーナー共通の悩みである。
強みはカラーが豊富なこと。カラーによっては納期がかかるが、珍しい色もあり、お洒落なラインナップだ。珍しい色にオーダーする事で盗難・紛失時の防犯効果が高く、街中で被ることはまず無い。鮮やかな緑や青、渋いグレーなどカラーに個性がある。
楽器店でのある会話で、 私「ギターケース探しているのですがオススメのケースありますか?」と尋ねると、 店員「なんすか~?」とぶっきらぼうに答える。私「だから、オススメは?」店員「だから、なんすか?」接客最低だな。と思い、三回目で「ああNAZCAね。」とわかった。実話である。
値段は高めになるが、オプションが豊富で自分の求めるオリジナルケースが作れる。特殊生地は重くなる事があるが、軽くて丈夫な国産メーカーだ。寸法とイメージした形、色、更にオリジナル刺繍も応相談。納期は多分かかるが原則どのような形のギターでも可能。
軽くて、耐衝撃性を求め、カラーバリエーションが多く、自分のオリジナルバックを求めるならこのメーカーは最適。
NAZCAは既に処分したため写真が無い。
以上3点。次回は現在でも私が愛用しているギクバックケース2点プラスα。
お楽しみに!!
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