世界の第一線で30年間以上に渡りロサンゼルスを拠点に活躍し続けるミキサー/レコーディング・エンジニア/プロデューサー KENJI NAKAI 氏から直接、レコーディングからミキシングまでの音楽制作の非公開プロセスを体験し学べる少人数グループ限定のスペシャル・ワークショップ「レコーディング&ミキシング ワークショップ 2025 [ハイブリッド]by KENJI NAKAI」にて、WARM AUDIOのマイクとプロセッサーを使用していただきました。
今回使用したマイク、プロセッサーの感想を教えてください。
マイクプリアンプ WA273、WA273-EQ について

Q. こういう音が作りたいならWA273、273-EQというのを教えてください。
幅広い用途に使えますが、少しエッジを立てたい音質を求める時にその良さが発揮されます。
Q. 今回はスネアとキックに使用されたとのことですが、どのような狙いで選択されたのでしょうか。
ゲインを上げて、少し派手めになるEQ的な目的で使用しました。
Q. 他の定番と言われるマイクプリアンプ(RupertNeveやAPI、AMS Neve、Focusriteなど)と違うポイントを教えてください。
WAのこのプリアンプは、例えば、元祖NEVE1073にない周波数の選択肢の多さや、入力インピーダンスの切り替え機能が搭載され、より幅広い用途に使えます。
Q. どのような声質のボーカルに向いていますか?
声の存在感の少ないボーカルから、声量のあるシンガーまで使えます。
Q. どのような楽器に向いていますか?
リボンマイクと併用してギターキャビットが定番です。
Q. 今回使用した際のセッティング(つまみ位置、ボタンのON/OFF)を教えてください。


Q. GAINとOUTPUTつまみは、何を基準にセッティングしたらよいですか?
まずOUTPUTは、12時にセットし、ゲインを決めます。そこから、音質の変化に注意しながら、ゲインとアウトプットを反対方向に回し、ベストなバランスを決めます。
Q. GAIN、OUTPUTつまみのおすすめのバランスを教えてください。
ゲインは、35-55dBの間を使います。出力は、DAWのフルスケールの80%くらいに設定します。
Q. WA273-EQの3バンドEQについて各帯域ごとに調整する上で気にするべきポイントを教えてください。
使わないEQもON/OFFで音が変わるので、そこを見極め、最も良いコンビネーションを見つけます。
Q. TONEスイッチのON/OFF時の音色について感想を教えてください。
コンデンサーマイクによっては、あまり効果的な変化は感じられませんが、ダイナミック系の場合は、良くも悪くも劇的に変わることがあります。
Q. WARM AUDIOのマイクプリアンプはどのような(レベルの)(サウンドを求める)ユーザーにおすすめですか?
安価なインターフェースの内蔵プリアンプからのステップアップに最適です。
コンプレッサー WA76-A2 について
Q. こういう音が作りたいならWA76A-2というのを教えてください。
ブラックフェイスより更に張り出した音色を求める時にオススメです。
Q. WARM AUDIOのコンプレッサーが他のブランドのコンプレッサーと比べて優れていると感じるポイントはどこですか?
やはりパラレルコンプレッションが可能な点だと思います。それによってより広範囲に使用できます。
Q. WARM AUDIOのコンプレッサーにはDタイプもありますが、今回Aタイプを選定された理由を教えてください。
シルバーフェイスの方が派手な音がするので、ギターキャビネットに使ってみようと思いました。
Q. 今回のワークショップではどのような目的で使い方をされましたか?
ギターキャビネットに使い、予想にかなり近い結果を得られました。
Q. INPUT、OUTPUT、ATTACK、RELEASEとありますが、設定していく際、どのようなポイントに注意していますか?
アタックタイムが元来かなり早めに設定されている機器なので、それを考えながら比較的、遅めのアタックタイムの設定から始めます。
Q. WA76-A2ならではのサウンドキャラクターというかクセのようなものはありましたか?
通すだけで、1176シルバーフェイス系のキャラクターになるという印象を受けました。
Q. ボーカルであればどのような声質に、楽器であればどのような楽器に使用するのがおすすめですか?
派手な音色を求めるボーカルやギター、ドラムスなどに向いていると思います。
マイク WA-CX12、WA-CX24 について

Q. 録音したサウンドの第一印象はいかがでしたか?
CX12は、かなり明るい音色でした。CX24は、そのステレオ型なので、同様な印象です。
Q. 高域・中域・低域のバランスや質感にどんな特徴を感じましたか?
女性ボーカルに使用した場合は、中低域のふくよかさには物足りなさを感じましたが、中高域が張り出し、オケに埋もれない音色が得られました。

Q. ボーカル/楽器の質感(温かみ、抜け、存在感など)はどう感じましたか?
アコースティックギターに使用した場合は、かなりアグレッシブな音の印象で、普段になくEQで3-5kHzをかなりカットして使いました。
Q. 他のマイクと比べたとき、特に優れていると感じた点はありますか?
音の張り出し感は優れていると思います。

Q. ミックス時の扱いやすさや、EQでの調整のしやすさについてはどうでしたか?
音の張り出し感を持ちつつ、特に耳障りになる中高域でのピークはそれほど目立ちませんでした。
Q. WA-CX12 / WA-CX24を特におすすめしたいシーンや楽器はありますか?
もちろん相性もありますが、まずはボーカルです。ヌケの良い音色を求める場合に効果的です。

Q. 今回のセミナー受講者の方の反応はどうでしたか?
個々の機材についてのコメントではありませんが、どの音もこれまでにない素晴らしい音との評価を頂きました。
WARM AUDIO製品を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
録音の基本は、マイキングです。
マイキングを学ぶためには、ペア(2本)での購入がより効果的です。もしプロスタジオで定番とされる高価なマイクを1本購入する予算があったら、まずは、WAのマルチパターンのマイクを2本、そして、ステレオでプリアンプ(余裕があれば、コンプレッサー)を一揃えするとより多くの録音技術が学べます。
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