こんにちは! “ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
今回は以前ゲットしコラムに書かせていただいた【PLAYTECH ST250】を「いかに手間とお金をかけずにポテンシャルを最大限引き出せるか」というテーマで改造してみたいと思います!
PLAYTECH ( プレイテック ) / ST250 Maple Gold
モディファイと聞くと最初に思いつくのが「パーツをアップグレードする」ということではないでしょうか。確かに、安ギターはコストを抑えるために安価なパーツが使われていることが多いです。改造の定番であるピックアップ交換はやれば必ず音は変わります。 しかしなんでもお金をかければ良い音になるのかと言われればそうではない、と僕は思っています。
モディファイや改造は良いパーツを載せることが目的ではなく、そのギターのポテンシャルを最大限に引き出す、という視点を持って行っていけば必ずベストな結果がついてくると思います。
なんとまぁ偉そうなことを語ってきましたが、僕はリペアマンでもないただの素人です。 今回行った作業は難易度別に分けて紹介していきますので、「これくらいの改造なら自分にもできるかも」ともし思えるものがありましたら是非チャレンジしてみてください。 わからないなりにパーツをバラしてみたり、組み立てみたりしているとギターの構造を学ぶことができます。新しい視点を持ててギターが楽しくなってくるかと思います。
■ その1.弦高調整:ネックシムを挟む
難易度:★

ドライバー1本とネックシムさえあれば簡単に行える弦高調整になります。
弦高調整って意外と難しく、特にストラトタイプだとブリッジを下げていくと弦高調整用のイモネジが飛び出してきてブリッジミュートしたときに手にあたってしまうんですよね。
ネックシムというのはネックとボディの間に挟むことによってネック自体に角度をつけ、弦高を下げるものです。ネックシムはサウンドハウスさんでも取り扱っていますが、昔の楽器だと厚紙を挟んだりしていたそうなので紙類でも代用できます。ただ厚紙等は分厚くなりすぎるとネックに角度がつき過ぎて弦高が下がりすぎてしまいます。微調整が難しいので、大人しく既製品を購入した方が簡単にトライできるかと思います。
音が変わってしまうのではないか、と心配される方もいるかもしれませんが個人的には気になりません。もし気に入らなくてもすぐに元の状態に戻せるのはいいですね。
■ その2.ボディ側のネックジョイントビスを拡張する。
難易度:★★
ストラトタイプのギターはネックとボディがネジで留めてあります。ボディからネックを取り外してみたとき、“ネジがボディ側に噛んでいて完全に緩めないと外せない状態”と“スポッと外れてしまう状態”とがあるかと思います。 前者の場合だと、ネジを閉めたときにボディとネックが密着しにくい状態になっています。後者の場合だと、ネジを閉めたときにボディとネックが引き寄せられるようになります。この違いによって楽器としての鳴りが変わってきます。
個人的には前者は柔らかい音、後者はタイトな音、といった印象です。人によって感じ方は違うかと思いますが…。 好みの問題もありますが、ネジの特徴や楽器の構造として正しいのは後者の方だと言われています。
この作業も電動ドライバーと直径4mmドリルビットがあればでき、そこまで難しい作業ではないです。
■ その3.ピックアップの高さを調整する。
難易度:★

冒頭にも書いたように、ギターのモディファイといえばピックアップ交換がメジャーではないでしょうか。しかしハンダ付け作業の手間やコストを考えると初心者の方からするとなかなか手が出しにくいのも事実です。ストラトタイプのギターなんてピックアップ3つもついていますもんね…。
ピックアップの音を決定付ける要素として“マグネットの種類”や“コイルの巻き数”、“コイルの材質”などいろいろな要素があります。これによって出力という数値が変わり、音色が変わります。
もうひとつ出音に影響しているのが、ピックアップの高さです。ピックアップと弦との間隔を調整することで音色をコントロールするというわけです。 ドライバー1本で調整ができるので自分の好みを探しながら行ってみるのも良いかと思います。
ST250のピックアップにはフィライトマグネットという、比較的磁力の強い磁石が使われています。磁力が強いピックアップが弦に近くセッティングされていると、弦の振動を妨げる傾向にあると言われています。ですので、今回は思い切ってピックガードスレスレのところまでピックアップを下げてみました。
最初の状態から比べると音量はやや下がってしまいますが、音は太く柔らかい印象に変わりました。この辺りは好みの問題もありますが費用対効果は抜群です。
ちなみに弦からピックアップまでの距離を測っておくと簡単に元の状態に戻せます。
この方法で満足できなかった場合にピックアップ交換を試してみる、というのも良いかもしれません。逆にこれでも変化が分からなければ、ピックアップ交換をしても変化に気付けない可能性があるのでよくよく考えてモディファイを進めていく必要があるかと思います。
いかがでしたでしょうか! このような方法でしたら手間もお金も最小限にモディファイを楽しむことができます。いろいろ試して実験できるのも安価なギターならではかと思います。気になった方はぜひ試してみてください! それではまたー!
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