スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けの人気オーディオインターフェイス、Saramonic / SmartRigシリーズ。iOSからAndroid、一眼レフまで、幅広く対応しています。
今回は、その中でもiOS用のLightning端子を備えたSaramonic / SmartRig+ Diを使って、各種配信サービスへの対応状況を検証しました。
Saramonic / SmartRig+ Di
前回、こちらの記事でオーディオインターフェイスの配信サービス対応状況を調査しました。その際の1つの結論としては、使用の可否は「アプリの仕様に大きく影響される」というものでした。しかし今回の検証は、その前回の結論をいい意味で裏切る結果となりました。
その結果をご紹介する前に、まずはSaramonic / SmartRig+ Diがどういう機器かご紹介します。サウンド&レコーディング誌でも本製品のレビューが掲載されています。こちらもぜひご確認ください。
サウンド&レコーディング 「SARAMONIC SmartRig+ DI」製品レビュー:Lightning接続を採用した2イン/2アウトのiOS専用オーディオI/O
<特徴>
- 本体付属のLightningケーブルを挿すだけですぐに使用可能
- 48Vファンタム電源を供給可能
- XLR端子のダイナミック・マイク、コンデンサー・マイクに加え、3.5mmステレオミニ端子のプラグインパワー・マイクが使用可能
- 入力している音声をモニターする場合は[REC]へ、iOSデバイスの再生の音声は[PLAY]にスイッチを合わせてモニター可能
- M/Sスイッチで、モノラルとステレオを切り替え可能
- 9V電池で駆動するモバイル仕様
- iOSデバイスに接続しない場合もスタンドアローン動作が可能
- 本体底部に1/4インチのネジ穴を備え、カメラの三脚などに設置可能
上記のとおり、通常のオーディオインターフェイスと比較しても配信向けにフィーチャーされた仕様となっています。特筆すべきは「M/Sスイッチ」。これが先述の「アプリの仕様」問題を解決する鍵となっています。ちなみに、その問題とは、アプリの仕様によっては1chしか入力されなかったり、ステレオ仕様のアプリでは1chのマイクの音は完全に左に振られ、2chのギターの音が完全に右に振られてしまったりするような症状のこと。「M/Sスイッチ」は、M=モノラルとS=ステレオを切り替えるスイッチです。マイクやギターなどモノラルの音声を入力する場合は「M」、ミキサーなどから1ch、2chへステレオで入力する場合は「S」にします。この指定ができることにより先述の問題をクリアすることができるのです!
では、検証結果をご覧ください。
ライブ配信アプリ
アプリ | 対応状況 | 仕様 |
---|---|---|
17Live | ◯ | モノラル |
instalive | ◯ | モノラル |
pococha | ◯ | ステレオ |
ツイキャス | ◯ | ステレオ |
line live | ◯ | モノラル |
You tube | ◯ | ステレオ |
TikTok | ◯ | モノラル |
音楽アプリ
アプリ | 対応状況 | 仕様 | ソフトウェアモニタリング |
---|---|---|---|
nana | ◯ | モノラル | ◯ |
Garage Band | ◯ | ステレオ | ◯ |
ポケカラ | ◯ | ステレオ | ◯ |
※ソフトウェアモニタリングを備えるアプリでは演奏聴きながらの録音が可能
標準アプリ
アプリ | 対応状況 | 仕様 |
---|---|---|
iOS標準ビデオカメラ | ○ | ステレオ |
このように、検証したライブ配信アプリ、音楽アプリでは全て使用できることがわかりました!例えばpococha、ツイキャス 、YouTubeはアプリの仕様としてステレオになっているため、シンセやミキサーなど、ステレオの音源を1ch、2chに繋ぐことでステレオ配信することが可能です。モノラル仕様のアプリでも、「M/Sスイッチ」をM・モノラルにしておくことで、2本マイクを繋いだり、例えばマイクとギターという組み合わせで接続して同時に使用したりすることも可能です。
続いて、前回もほぼ使えなかったWEB会議や通話系のアプリを検証しました。
WEB会議、通話系アプリ
アプリ | 対応状況 | 仕様 |
---|---|---|
Zoom | ◯ | モノラル |
Skype | × | - |
FaceTime | × | - |
Google Duo | × | - |
Line通話 | × | - |
iOS通話 | × | - |
こちらはZoomを除き、使用はできないという結果になりました。しかし、同シリーズのTRRS端子が付いたバージョン「SmartRig」で確認したところ、iOSの通話や、Line通話などでも使用することができました!
ライブ配信ならSmartRig+ Di、通話などでの使用を念頭に置くならSmartRigと、用途に合わせて選ぶのが良さそうです。
Saramonic / SmartRigシリーズはまさに今の時代に合致した進化型のオーディオインターフェイスと言えそうです!
どなたでも簡単に使い始めることができるので、ぜひその真価をお試しください!