「エフェクターは音を作る機材」
「アンプは音を出す機材」
こういう認識を持っている人がいれば、この機会にぜひ音作りについて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
結論から言うと、
ギターのサウンドはアンプで決まるといっても過言ではありません。
この動画の音、エフェクターなどは一切使わず、アンプだけで作られています。
そう聞けば、驚いてしまう人は一定数いるのではないでしょうか。
特にギターを始めたばかりの人や、若手ギタリストの中には、先述のように、「エフェクターで音を作り、アンプで音を出す」という認識を持っている方が非常に多いのではないかと思います。
しかし、この動画のようにギターとアンプだけでも、これだけ多彩な音づくりができるのです。
この動画に使用されているのはMarshallのDSL100というアンプで、多くの練習スタジオなどに導入されているJCM2000の後継モデル。JCM2000自体がかなり古いモデルなため、最近の製品に比べれば、実はこれでも音づくりの幅は狭いほうなのです。
先の動画を見て、
「え、もう音これでいいじゃん」そう思った方、実は...
そうなんです。
実際プロ・ギタリストの中でも、ほとんどの音づくりをアンプで完結してしまう人は多く、特にハイゲイン系のサウンドを使用するギタリストの中にはエフェクターをすべてOFFにしても大して音が変わらない、という人も多いです。
つまりアンプで大半の音を作ってしまい、アンプにはないモジュレーション系エフェクトやダイナミクス系エフェクトなどをエフェクターで補う、というやり方ですね。
アマチュアのギタリストは逆に、アンプのセッティングをなるべくフラットでクリーンな設定にしておき、エフェクターで音を作るという人が多いです。音を歪ませたり、EQを調整したりと、アンプでもできる調整を自前のエフェクトペダルで行うスタイルです。
これは確かに、アンプの運搬が難しく、借り物のアンプで演奏しなければならないシーンが多いアマチュアにとっては、どんなアンプでもある程度自分の好きな音を出せる、という利点があり、とても便利な手法ではあります。
しかし、エフェクターで音を作るデメリットとして、アンプとの相性があげられます。特にサウンドへの色付けが濃いアンプの場合は、エフェクターの乗りが悪く、周波数レンジが狭い音になってしまったり、音抜けが悪くなってしまいがちです。
その点アンプ単体で音を作る場合、相性は関係なく、そのアンプの性能を存分に発揮できるため、音圧があり、抜けの良いサウンドを得やすいです。
また、真空管アンプの場合は、真空管で音を歪ませることで、エフェクトペダルなどでは味わえない極上のディストーションが得られます。
アンプの音作りが重要なのは分かったけど、アンプなんて買っても運ぶの大変だし。
と思っている方!!
実は一昔前から小型アンプのブームが来ていて、「がんばれば持ち運べる」モデルもかなり増えてきています。加えて、小出力モードが付いているアンプも多く、自宅でも使用できるようなアンプが多数ラインナップされています。
てな訳で今回はMyアンプに興味が出てきたという人のために!
「ライブに持っていけるハイゲインアンプ10選」
ご紹介したいと思います。
PEAVEY ( ピーヴィー ) / 6505 Mini Head
Peaveyの伝説的ハイゲインアンプ、6505の小型モデルです。ボディは小型でもサウンドはド迫力。120Wモデルに負けない音圧を持っています。6505は自分も所有していましたが、重厚なローと突き抜ける様なハイがクセになるハイゲインアンプです。
ORANGE ( オレンジ ) / DARK TERROR
イギリスの老舗アンプメーカーOrangeの小型ハイゲインアンプ。Orangeの特徴であるジューシーな歪みはこのアンプでも健在。図太いサウンドが得られます。そして特筆すべき点はコントロールのシンプルさ。VolumeとShape(TONE)、そしてGAINの3つしかありません。骨太ロックサウンドならOrangeで決まり!!
ORANGE ( オレンジ ) / ROCKER 15 TERROR
またまたOrange!こちらは人気のコンボアンプ「Rocker 15」のヘッドバージョン。
TINY TERROR時代の1チャンネル仕様から2チャンネル仕様へ、さらにFX LOOPも追加され、多機能モデルへとアップグレードを遂げています。伝統のブリティッシュサウンドが魅力の一台。
Positive Grid ( ポジティブ グリッド ) / BIAS MINI GUITAR
真空管アンプの持つ特性を演算によって再現するアンプシミュレーター、その中でも最先端を行くPositive Grid / BIAS HEADのコンパクトバージョンです。
SEND RETURN、MIDI端子、XLRのLINE OUTなど、ライブでもレコーディングでも使用できる本格派モデル!
ENGL ( エングル ) / Gig Master 15 Head
モダンハイゲインサウンドを牽引するドイツの新鋭アンプブランド、ENGLのコンパクトヘッド。
こちらのGig Masterはゲインを抑えたロックサウンドモデル。最大の魅力は極上のチューブサウンド。ぜひ弾いてみていただきたいです。スピーカーアッテネーションやキャビネットエミュレートアウトなど、機能も充実。
HUGHES&KETTNER ( ヒュースアンドケトナー ) / Black Spirit 200
青く光るフロントマスクが特徴的なケトナーから、まさかのソリッドステートアンプが登場!これは注目せざるを得ないですね。世界初となる真のパワーアンプサギングコントロールを搭載しているのが特徴。ケトナー自慢のRED BOXアウトはもちろん、MIDIも搭載している多機能派向けモデル!
PRANDALL ( ランドール ) / Thrasher 50
ソリッドステートアンプのイメージが強いRandall。実はチューブアンプもイイんです。Ola Englund氏のシグネイチャーモデルをリリースしていることでも有名。アメリカンハイゲインが好きな人には絶対オススメ。注目のハイゲインアンプです。
HUGHES&KETTNER ( ヒュースアンドケトナー ) / GrandMeister Deluxe 40
ケトナーはOrenge同様、古くからコンパクトヘッドをラインナップしていますが、その集大成といえるような完成度のアンプヘッドです。 どんなジャンルにでもマッチする極上のドライブサウンドと、透き通るようなクリスタルクリーンが魅力の一台。これがあれば他は何もいらない。そんなヘッドではないでしょうか。
RANDALL ( ランドール ) / Ola Englund Satan 50
先ほど紹介したRandallがラインナップする、Ola Englund氏のシグネチャーアンプ。Ola氏の極悪メタルサウンドを手に入れられます。えぐみのあるハイミッドが特徴的なアメリカンハイゲイントーンに、Ola氏のこだわりをプラスした極上のトーンが魅力!
MARSHALL ( マーシャル ) / SC20H
Marshall至上主義者の方、大変お待たせいたしました。Marshallがリリースする、「あのサウンド」のコンパクトヘッドです。ロックシーンの象徴ともいえるレジェンドアンプ、JCM800のサウンドをコンパクトサイズに凝縮。余計な機能は一切いらない男のロックアンプ!
いかがでしたでしょうか。 中には「持ち運びに便利」とは言い難いモデルもありましたが...
近年、日本の音楽シーンによく合うコンパクトヘッドが数々のアンプブランドからラインナップされています。 そしてプロのサウンドを目指すなら、アンプの音作りをマスターすることで絶対にステップアップできるはず。 今までアンプにコダワリがなかった方も、この記事をきっかけにアンプにハマっていただけたらうれしいです。