目次
- UPシリーズ共通の魅力
- 3モデルを一気に比較
- UP1の特徴
- UP2の特徴
- UP2SEの特徴
- UP2とUP2SEの違い
- 操作性と設置性
- どのモデルを選ぶべき?
- 使用シーン別・実践ルーティングと音質比較
- まとめ
1. まず知っておきたいUPシリーズ共通の魅力
Platane UPシリーズは、デスク上で場所を取らないポータブル設計に、32bit/192kHz対応、マイク/楽器入力、ヘッドホン出力、+48Vファンタム電源、Loopbackミキサー、OTG端子によるモバイル連携をまとめたUSBオーディオインターフェイスです。
モバイル接続で重要なポイント
OTG端子へスマートフォン/タブレットだけを接続した場合は、録音用インターフェイスではなく再生・ヘッドホンアンプ用途となります。モバイル端末と組み合わせて録音する場合は、PCへ接続した状態でOTG端子を併用するのが基本です。
2. 3モデルを一気に比較
| 項目 | UP1 |
UP2 |
UP2SE |
|---|---|---|---|
| 入出力 | 1入力 / 2出力 | 2入力 / 2出力 | 2入力 / 2出力 |
| 最大解像度 | 32bit / 192kHz | 32bit / 192kHz | 32bit / 192kHz |
| マイクゲイン | +9dB ~ +73dB | +0dB ~ +85dB | +9dB ~ +73dB |
| マイク入力Imp. | 5kΩ | 2.5kΩ | 5kΩ |
| 楽器入力Imp. | 1MΩ | 1MΩ | 1MΩ |
| A/D S/N | 120dB | 114dB | 120dB |
| D/A S/N | 124dB | 123dB | 124dB |
| ライン出力 | - | 18dBu | 20dBu |
| DAC | ES9018K2M | AK4493 | ES9018K2M |
| Mic Preamp | TLV320 | PGA2500 + OPA1612 | TLV320 |
| サイズ | 7.5×12.5×4cm | 7.6×13×4.1cm | 7.6×13×4.1cm |
| 重量 | 約 220g | 約 350g | 約 318g |
3. UP1 - 最小構成を突き詰めた1入力モデル



UP1の魅力は、1入力に割り切ったコンパクトな設計です。ボーカルやナレーション、ギター/ベース録音、1人配信など、同時に複数入力を必要としない用途なら、必要な機能を省スペースにまとめられます。ノートPCと一緒に持ち出しやすく、サブ機としても使いやすいモデルです。なお、UP1は本体背面にライン出力(MAIN OUT)を搭載しておらず、音声出力は前面のヘッドホン端子(PHONES)のみとなっています。そのため、ヘッドホンやイヤホンでのモニタリングを中心とした使い方に適したモデルです。モニタースピーカーを使った制作環境を考えている方は、この点も確認しておきたいポイントです。
UP1が特に合いそうな人
1人で歌・ナレーション・楽器を録音する/机を広く使いたい/ノートPCと一緒に持ち出したい/メイン機とは別に高品位なサブ機が欲しい、というユーザーにフィットしやすいモデルです。
4. UP2 - 録音・ミックスまで意識した上位モデル



UP2は、UP1のチャンネル数を増やしたモデルではなく、シリーズの上位グレードとして設計されたモデルです。録音だけでなく、モニタリングやミックス、より本格的な配信環境まで視野に入れた製品です。
UP2を選ぶ理由のひとつが、ゲインの余裕。低感度のダイナミックマイクを使う場合、必要な録音レベルを確保しやすい仕様です。さらに4ペア=8チャンネルのバーチャルLoopbackチャンネルを備えており、複数のPC音声やマイク、BGMを扱うライブ配信でも柔軟なルーティングを組みやすくなっています。
UP2のポイント
「2入力だからUP2」だけではなく、最大85dBゲイン、AKM系コンバーター、+18dBuライン出力、8ch相当のバーチャルLoopbackまで含めて、制作環境全体を一段上げたい人向けのモデルとして見ると分かりやすいです。
5. UP2SE - UP1を2入力化したモデル


UP2SEは、UP1をベースに2入力へ広げたモデルです。たとえば歌とギターを別々の入力で録音したいとき、1入力のUP1では録音を分ける必要がありますが、UP2SEなら同時収録という選択肢が生まれます。フロントに2つの入力端子が並ぶ姿を見ると、この違いは直感的。自宅での弾き語りや2人のトーク収録など、使い道が具体的に思い浮かびます。
そのため、UP2SEは、UP1の2入力版と考える方がシリーズの関係性を理解しやすいモデルです。UP2とは同じ2入力でも立ち位置が異なり、UP1から自然に入力数を増やしたいユーザーにとって有力な選択肢になります。
6. UP2とUP2SEは「同じ2入力」でも立ち位置が違う
2入力という共通点だけで選ぶと迷いがちですが、UP2はゲインや回路構成、Loopbackの拡張性まで考えて選ぶ上位モデル。UP2SEはUP1の基本的な方向性を保ちながら2入力を使いたい人向けです。実際の使い方を想像すると、必要なマイクの本数と配信時の音声ルーティングが選択の分かれ目になりそうです。
7. 操作性と設置性

実機写真を並べて見ると、UP1の小ささが印象的です。UP2とUP2SEも机の上に収まりやすいサイズですが、UP1はノートPCと組み合わせた最小限のセットを作りたいときに魅力を感じるデザインです。
操作面では、ソフトウェアミキサーを中心に音量やルーティングを管理する点が特徴です。ノブを手探りで回すタイプとは少し違い、画面上で信号の流れを確認しながら設定するスタイル。初めて使うときは、マイク入力とPC再生音をどこへ送るかを一度整理しておくと、配信や録音の準備がスムーズになりそうです。
8. どのモデルを選ぶべき?
| モデル | おすすめしたいユーザー |
|---|---|
| UP1 | 1入力で十分/とにかく小さくしたい/持ち出し用・サブ機が欲しい/1人配信・ナレーション中心 |
| UP2 | 2入力が必要/低感度マイクを使う/最大85dBゲインが欲しい/録音からミックスまで音質を重視/複雑なLoopbackも使いたい |
| UP2SE | 2入力が必要/UP1系の回路構成に魅力を感じる/高出力ヘッドホン環境も重視/UP2との価格・音質・ゲインのバランスで選びたい |
迷ったら、まず「同時に何本録音したいか」を考えるのがおすすめです。1本で足りるならUP1、UP1に近い設計で2本必要ならUP2SE。ゲインの余裕や配信時のルーティングまで重視するならUP2が候補です。
9. 使用シーン別・実践ルーティングと音質比較
■ 本体を手にしたときのサイズ感・重量感
実機を並べて比較してみると、特に印象的なのがUP1のコンパクトさです。UP2とUP2SEもデスク上にすっきり収まるサイズ感ですが、UP1はさらに小型・軽量で、ノートPCと組み合わせたシンプルな制作環境にぴったり。持ち運びのしやすさも魅力です。
一方、UP2とUP2SEは2系統の入力を備えているため、マイクとギターなどを同時に接続できるのがポイント。省スペースで手軽に使いたいならUP1、複数の機材を接続して録音の幅を広げたいならUP2/UP2SEと、用途に合わせて選びやすいラインナップになっています。


■ ドライバー導入から音が出るまでの手順
接続の流れも確認しておきたいポイントです。PCとUSBで接続し、Windowsでは必要に応じて公式のドライバーを導入。OSの音声出力先をPlataneに設定し、ヘッドホンやスピーカーの音量を低い位置から調整するのが基本です。
※実際の導入時は、接続する端末とドライバーの対応状況を最新の案内で確認してください。
■ ルーティングを考えるときの基本
専用ソフトウェアミキサーでは、マイクなどの入力音声とPCの再生音を分けて扱えます。まず「録音・配信へ送る音」と「自分がヘッドホンで聴く音」を区別すると、設定の目的が明確になります。以下では、実際の利用場面を想定して、接続から音の行き先までを具体的に整理します。
なお、画面上のチャンネル名や設定項目はソフトウェアのバージョン、使用OS、配信・録音ソフトによって異なる場合があります。以下の経路は設定例として参照し、実機では各入力・出力の割り当てを確認してください。

■ ケース1:UP1|SHURE SM58とSONY MDR-7506でナレーション収録
- 使用機材例
- SHURE SM58(ダイナミックマイク)、SONY MDR-7506(モニターヘッドホン)、Steinberg Cubase(DAW)。
- 接続
- SM58 → XLRケーブル → UP1のマイク入力 → USB-C → PC(Cubase)。MDR-7506はUP1前面のPHONESへ接続します。
- ルーティング例
- Cubaseでモノラルトラックを作り、UP1の入力1を指定。録音した声とDAWの再生音をヘッドホンへ送り、録音中は二重モニターにならないようDAW側と本体側の経路を調整します。
- 選び方のポイント
- 1人の声を1本のマイクで録るなら、UP1のシンプルな構成が活きます。なおUP1に専用のスピーカーライン出力はありません。
■ ケース2:UP2SE|SHURE SM58とFender Player II Stratocasterで弾き語りを録音
- 使用機材例
- SHURE SM58(歌用マイク)、Fender Player II Stratocaster(エレキギター)、Steinberg Cubase(DAW)、SONY MDR-7506(ヘッドホン)。
- 接続
- SM58 → UP2SE入力1、Stratocaster → シールドケーブル → UP2SE入力2(楽器入力)。UP2SEとPCをUSB-Cで接続します。
- ルーティング例
- Cubaseでモノラルトラックを2本用意し、トラック1に入力1(歌)、トラック2に入力2(ギター)を割り当てて同時録音。ギターにアンプシミュレーターを挿す場合は、処理後の音を聴くかダイレクト音を聴くかを決め、重複モニターを避けます。
- 選び方のポイント
- 歌とギターを別々に録り、あとから音量やエフェクトを調整したい方に分かりやすい構成です。
■ ケース3:UP2|SHURE SM7B・OBS Studio・Spotifyを使った配信構成
- 使用機材例
- SHURE SM7B(低感度のダイナミックマイク)、OBS Studio(配信ソフト)、Spotify(BGM再生例)、SONY MDR-7506(モニター)。
- 接続
- SM7B → XLRケーブル → UP2入力1、PCの再生音(BGMなど)→ USB再生チャンネル、MDR-7506 → UP2のヘッドホン出力。
- ルーティング例
- 専用ミキサーでマイク音声とPC再生音のレベルを個別に調整し、配信用のLoopback経路にまとめてOBS Studioの音声入力へ指定します。OBS側で同じデスクトップ音声を重複して取り込まないように設定するのがポイントです。
- 選び方のポイント
- UP2の最大85dBのマイクゲインや複数のバーチャルLoopbackチャンネルは、低感度マイクと複数音源を扱う構成で活用しやすい仕様です。
■ 音質比較|テレキャスターで録音したUP1・UP2のサウンドを聴き比べる
比較音源
今回はエレキギター(テレキャスター)を使用し、UP1とUP2でそれぞれ録音した音源を用意しました。スペック表だけでは分かりにくい両モデルの違いを、実際のギターサウンドで確認できる比較です。
【UP1の録音音源】テレキャスター → UP1の楽器入力 → PCで録音。
【UP2の録音音源】テレキャスター → UP2の楽器入力 → PCで録音。
聴き比べのポイント
今回は、エレキギター(テレキャスター)をUP1とUP2それぞれで録音し、音質の違いを比較してみました。ピッキング直後のアタック感やコードを弾いたときの音の分離感、低音弦の輪郭、音の伸びや減衰などに注目して聴き比べてみてください。個人的な印象としては、UP2の方が4kHz(4,000Hz)付近の高域がわずかに持ち上がっているように感じられ、ピッキングのアタックや音の輪郭が少し際立って聴こえました。一方、UP1も自然なサウンドで、どちらが優れているというよりも、音のキャラクターに違いがある印象です。
仕様面での違い
UP1の楽器入力にはJFET方式、UP2にはBJT方式が採用されています。また、A/DコンバーターにはUP1がTLV320、UP2がAK5572ENを搭載しており、内部の回路構成にも違いがあります。
※今回の比較は、あくまでスタッフ個人の試聴による感想です。音の聴こえ方は、使用するヘッドホンやモニタースピーカー、再生環境、音量、個人の好みによっても変化するため、絶対的な音質評価を示すものではありません。また、録音時のギターの設定や演奏内容、入力ゲイン、エフェクトの有無、録音後の音量調整などによっても聴こえ方は変わります。
ぜひUP1とUP2の比較音源を実際に聴き比べて、ご自身の制作環境や好みのサウンドに合うモデルを選ぶ際の参考にしてみてください。
10. まとめ
Platane UPシリーズは、同じコンパクトなオーディオインターフェイスでも、使い方によって選ぶポイントが変わります。1人で声を録るならUP1、マイクとギターを同時に別トラックで録るならUP2SE、マイクと複数のPC音声を整理して配信するならUP2というように、音声の接続先と送り先から考えると違いが明確になります。
音質については、スペックだけでなく同じ条件で録音・再生した比較が重要です。必要な入力数、モニター環境、Loopbackの使い方を整理し、自分の制作スタイルに合うモデルを選んでみてください。






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