エレキギターの弦を選ぶとき、「いつも使っているゲージだから」「定番だから」と、なんとなく同じ弦を選び続けていませんか?
エレキギター弦はゲージだけでなく、巻線に使われる素材や芯線(コア)の形状、製造技術、コーティングの有無などによって、サウンドや弾き心地が変わります。
「もっと温かみのある音が欲しい」
「チョーキングしやすい弦を探している」
「音の輪郭や抜けをよくしたい」
「コーティング弦は長持ちするけど、感触が気になる……」
そんなときは、ゲージ以外の部分にも注目してみましょう。
一般的に、同じチューニング・同じスケールであれば、細いゲージは押弦やチョーキングが軽く感じられやすく、太いゲージは張りが強く感じられる傾向があります。ただし、弾き心地はゲージだけで決まるものではありません。
弦のゲージや基本的な種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
⇒ エレキギター弦の選び方|種類とおすすめ商品
今回は、さまざまな素材・構造の弦をラインナップするDR Stringsを例に、素材や芯線、製造技術によるサウンドと弾き心地の違いを紹介します。
01 エレキギター弦の素材で音はどう変わる?
エレキギター弦のサウンドを左右する要素のひとつが、巻線に使われる素材です。
代表的なのが「ニッケルプレーテッドスチール」と「ピュアニッケル」。どちらもエレキギター弦では定番ですが、サウンドの傾向には違いがあります。
○ 幅広いジャンルに対応する「ニッケルプレーテッド」
ニッケルプレーテッドスチールは、スチール製の巻線にニッケルメッキを施した素材です。
DRの定番モデル「TITE-FIT」は、このニッケルプレーテッドスチールとラウンドコアを組み合わせ、幅広い演奏スタイルに対応するオールラウンドなシリーズとして位置付けられています。
ロック、ポップス、ブルースなど、ジャンルを限定せずに演奏する人や、まずは基準となる弦を探したい人に注目してほしいモデルです。
○ 温かみのあるヴィンテージトーンなら「ピュアニッケル」
「PURE BLUES」はピュアニッケルの巻線とラウンドコアを採用したモデルです。
ピュアニッケル弦は、一般的にニッケルプレーテッドと比べて温かみのある、落ち着いたサウンドを求める際の選択肢になります。
DRもPURE BLUESについて、ヴィンテージらしいトーンや豊かな低音、サステインを特徴として紹介。
PURE BLUESを長年愛用するTedeschi Trucks Bandのギタリスト、Derek Trucksは、20年間にわたってDRのラウンドコア仕様のPURE BLUESを使い続けてきたと語っています。
また、自分が表現したいことを弦が妨げず、自然に演奏できる点を評価しています。
ヴィンテージ寄りのサウンドや、演奏時の自然なフィーリングを大切にしたい人は、PURE BLUESを試してみるのもよいでしょう。
02 同じゲージでも弾き心地が違う?「芯線」に注目
「同じゲージなのに、この弦は柔らかく感じる……」
そんな経験はありませんか?
弦の中心には芯線(コア)があり、その形状もサウンドや弾き心地を考えるうえで注目したいポイントです。
代表的なのが、断面が丸い「ラウンドコア」と、六角形の「ヘックスコア」です。


○ 柔軟性を重視したラウンドコア
先ほど紹介したTITE-FITとPURE BLUESは、どちらもラウンドコアを採用しています。
DRのラウンドコア弦は、柔軟性や弾き心地を重視した設計が特徴です。
チョーキングのしやすさを重視するなら、まずはゲージを確認するのが基本。同じチューニング・スケールであれば、一般的に細いゲージほどチョーキング時に必要な力が小さくなる傾向があります。
そのうえで、「今のゲージは変えたくないけれど、弾き心地を見直したい」という人は、ラウンドコアの弦にも注目してみてください。
○ ブライトで輪郭のあるサウンドならヘックスコア
「HI-BEAM」は、ニッケルプレーテッドスチールとヘックスコアを組み合わせています。
TITE-FITと同じニッケルプレーテッドでも、芯線の形状が異なるモデルです。
HI-BEAMは、ブライトで明瞭なサウンドを求めるプレイヤーに向けたシリーズ。DRのアーティストであるKing's XのTy Taborも、HI-BEAMについて、ほかに試した弦よりも生き生きとした音が長く続き、自分のギターの音をよくしてくれると評価しています。
ニッケルプレーテッドならどれも同じような音や弾き心地、というわけでなく、芯線の形状まで見てみると、弦選びの幅がさらに広がります。
※ラウンドコア弦は「切る前」に注意!
ラウンドコア弦に交換するときは、弦を切る位置にも注意が必要です。
DRのラウンドコア弦には、丸い芯線と巻線が緩まないよう、芯線の一部を平らにつぶした「アンカー」があらかじめ設けられています。
このアンカーよりもボールエンド側で弦をカットする必要がある場合は、切る前に弦をしっかり折り曲げ、新たなアンカーを作ってからカットします。
そのまま切ってしまうと巻線が緩み、弦の音がデッドになったり、正しいイントネーションが得られなくなったりする原因になります。
TITE-FITやPURE BLUESなどのラウンドコア弦を張る際は、DR公式の取り付け方法も確認しておきましょう。
03 音の輪郭や抜けをよくしたい!弦の素材以外にも注目
「もっと音の輪郭をはっきりさせたい」「バンドの中でギターの音が埋もれてしまう」
そんなときは、巻線の素材だけでなく、弦の構造や製造技術にも注目してみましょう。
○ 音の立ち上がりと安定性を追求したVERITAS
「VERITAS」は、独自のQuantum Nickelとラウンドコアを組み合わせ、さらに「Accurate Core Technology」を採用したシリーズです。
Accurate Core Technologyは、芯線に設けた溝で巻線をしっかり保持するDR独自の技術。芯線を腐食から保護しながら、豊かな響きやサステイン、チューニングの安定性を追求しています。
また、Quantum Nickelによる高い出力とブライトなサウンド、豊かな低音・中音・高音も特徴です。
Opethのギタリスト、Fredrik Akessonは、VERITASについて、バンドアンサンブルの中でも音がよく抜けるとコメントしています。
さらに、約100公演を通じて弦が切れた記憶がないと語り、耐久性についても評価。
もちろん、ギターの音の抜けはアンプの設定や他の楽器とのバランスにも左右されますが、弦そのもののサウンドやレスポンスを見直すことも、選択肢のひとつです。
04 コーティング弦は音や弾き心地が変わる?
「弦を長持ちさせたいけれど、コーティング弦は音がこもりそう」「普通の弦とは指触りが違うのでは?」
コーティング弦に対して、そんな印象を持っている人もいるのではないでしょうか。
実際、コーティングの方式や厚さによって、弦の音や感触に違いが生じることがあります。ただ、コーティング弦だから必ず音や弾き心地が悪くなるわけではありません。
○ コーティングと豊かな響きを両立するDragon Skin+
「Dragon Skin+」は、弦の寿命だけでなく、サウンドや演奏感にもこだわったコーティング弦です。
Quantum Nickel、ラウンドコア、Accurate Core Technologyを採用している点は、先ほど紹介したVERITASと共通しています。
Dragon Skin+では、さらに巻線に極薄のコーティングを施しています。DRは、このコーティングによって弦を腐食などから保護しながら、豊かな響きやサステインを維持することを目指していると説明しています。
また、ラウンドコアによる柔軟な弾き心地や、演奏時の快適さも特徴として挙げています。
Dragon Skin+を使用するギタリスト、Gus G.は、自身の演奏スタイルについて、激しく弾き、ソロでは大きなチョーキングを多用すると語っています。
そのうえで、Dragon Skin+はハイゲインサウンドとの相性がよく、自分の演奏に応えてくれると評価しています。
コーティング弦を選ぶときは、寿命の長さだけでなく、自分の演奏スタイルに合ったサウンドや弾き心地が得られるかどうかも大切です。
05 ダウンチューニングにはどんなギター弦を選ぶ?
レギュラーチューニングよりも音程を下げるダウンチューニングでは、弦の張りが弱くなり、弾き心地や音の輪郭が変わることがあります。
そのため、ゲージを太くするだけでなく、ダウンチューニングを想定して設計された弦を選ぶ方法もあります。
○ ダウンチューニング向けのDDT
「DDT(Drop Down Tuning)」は、ニッケルプレーテッドスチールとヘックスコアを組み合わせた、ダウンチューニング向けのシリーズです。
Accurate Core Technologyも採用し、低いチューニングでも明瞭なサウンドやチューニングの安定性を求めるプレイヤーに向けて設計されています。
Alice Cooperのギタリストとしても知られるRyan Roxieは、自身のソロツアーでギターを全音下げて演奏しており、DDTについて、チューニングが安定し、弾き心地もよいと評価しています。
ダウンチューニングでは、単に太い弦を選ぶだけでなく、使用するチューニングや演奏スタイルに合った弦を検討してみましょう。
06 結局、自分にはどのエレキギター弦が合う?
エレキギター弦は、単純に「この弦が一番いい」と決められるものではありません。
欲しいサウンド、好きな弾き心地、演奏スタイル、チューニングによって、選択肢は変わります。
| こんな人に | おすすめしたい弦 | 仕様 |
|---|---|---|
| 幅広いジャンルで使いたい・柔軟な弾き心地が好み | TITE-FIT | Nickel-Plated / Round Core |
| 温かみのあるヴィンテージトーンが好き | PURE BLUES | Pure Nickel / Round Core |
| ブライトで輪郭のある音が欲しい | HI-BEAM | Nickel-Plated / Hex Core |
| 音の抜けや演奏時の安定性を重視したい | VERITAS | Quantum Nickel / Accurate Core Technology |
| コーティングとサウンドの両立を求めたい | Dragon Skin+ | Quantum Nickel / Clear Coated |
| ダウンチューニングを多用する | DDT | Drop Down Tuning向け |
弦交換のタイミングでは、「いつも使っているから」というだけで選ぶのではなく、どんな音が欲しいのか、どんな弾き心地が好きなのか、どんな演奏スタイルで使うのかも考えてみてください。
弦を変えるだけでも、いつものギターから今までとは違った魅力を引き出せるかもしれません。
今回紹介したモデル以外にも、DR Stringsではフラットワウンド弦やカラーコーティング弦、さまざまなゲージのエレキギター弦をラインナップしています。
各シリーズの詳しい特徴を知りたい方は、「DR エレキギター弦特集」もチェックしてみてください。
それでも迷ったら「DR弦 診断フロー」もぜひ試してみてください。
楽器やプレイスタイル、求めるサウンド、弾き心地、コーティングの有無など、いくつかの質問に答えていくだけで、自分の好みに合ったDR弦を探すことができます。














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