
Marshallって本当に音がいいアンプかな?
と思っている人を納得させるお話。
いよいよ年末の匂いがしてくる季節になった。
この時期には一年間使い倒したギターなどのメンテナンスをする時間を確保したい。
かの寺内タケシ御大も生前「俺はね、大晦日はギター(モズライト黒)の手入れを必ずやるんだ。全部バラしてネジの1本1本もきれいに拭いて、錆てるところや調子悪いところの部品を替えたり。そうしてバッチリな状態にして正月を迎えるんだ」と仰ってた(実話です)。
素晴らしい!大変共感できる……が、私は手持ちのギターが1~2本どころではないので面倒くささが先に立ち実行したことはない。
ただ、調子悪くてしばらく使用していない機器に関しては年内中に使える状態まで戻さないとな~とは思っている。
私の場合は、ギターは調子悪い時にささっと直してしまうのでそれほど大きいトラブルにはならないが、アンプになると話は別だ。
ああ……アンプのメンテか……本当に面倒だな……と、ぼんやり考えていたが、現在自分の持っているアンプ(MESA/BOOGIE、PEAVEY、CARVIN)のなかにMarshallが無いことに気が付いた。
いや、以前は持っていた。
Marshall 79年製のJMP 2204 mk2。しかしMESA/BOOGIEを入手したことで手放してしまった。
さて今回の話はここからが本番。
現在スタジオやLIVE HOUSEには必ずと言っていいほどMarshallが置いてある。
しかし、私はできることならMarshall以外のアンプを使用したい。
理由は、Marshallのキンキンしたトレブリーな音が好きじゃない。
音がスピーカーの正面にしか飛ばないので他のメンバーが聴き取りづらく、結局想定外の音量にしないといけなくなる。
そもそも歪のきめが粗くノイズが多いなど、嫌いな理由を上げるとキリがない。
しかし、本当にそうなのか?
もしかしたら自分の使い方がダメなだけではないのか?
そう思い、YouTubeで昔あこがれていたバンドのLIVE動画を最近見直してみた。
その結果、驚愕の事実を発見した。
それは、Marshallは音がいいのだ。
Marshall にギターをダイレクトに接続しているだけでも音がいい。
その音の特徴は、ザグザグには歪んではいない。
もしかしたら歪んでいないんじゃないの?と心配になるぐらい歪んでない。しかし充分音が太くサステインが良く効いている。
そうなのだ、エフェクターで歪を作らずとも、アンプから出る音がものすごくよく伸びる。
特にそう思ったのはまずTHIN LIZZY のギターお二方。
スコットゴーハムとジョンサイクス。
パッと聴くと生音にしか聞こえないが、ちがう。ラウドで少しクランチなロングサステイン。
なんでこんな音出るかな?と不思議でしょうがない。
特にジョンサイクスに関しては、1984年に日本で行われたスーパーロックフィステバル84でのサウンドが素晴らしい。
シルキーでスクリームな最高のオーバードライブサウンドだった。
使用していたアンプはMarshall JCM800、1959か2203かまでは分からないが、入力をリンクしていた記憶がないので恐らく2203と思われる。
マーシャルの音を十分堪能させてくれるお方はほかにもいて、マイケルシェンカー(UFO時代)やゲイリームーアなど。
私も彼らの音に近づきたくて、79年製の2204を買ったはいいが、全然同じような音が出なくて苦労した。
当時はガンガンに歪んでいないと音も伸びないしカッコいい音じゃないと思っていたので、DODのオーバードライブを繋いで情けないぐらいしょぼい音で演奏していた。
そうなのだ。以前にも言ったことがあるが、Marshallは聴感上あまり歪んでいるように聴こえなくても録音するとかなり歪んでいる。
つまり自分で思っているほど歪ませる必要が無い。
エリックジョンソンなんぞは1959とFuzzFaceの組み合わせであのクリーンともスクリームとも言えない魅惑的な音を出す。
改めて思うが、「な~んだ、やっぱりMarshallっていい音なんじゃん」
ただ、私にはJCM800にエフェクト追加無しでハードロックを弾く勇気はまだ無い。
ではまた次回。