もはやギターチューナー界のド定番と言われるようになったTC ElectronicのPolyTune シリーズですが、POLYモードなどは便利な反面、使いこなすにはコツが必要だったりもします。今回はクリップシリーズに焦点を当てて問い合わせの多い事例などをまとめたいと思います。使用する際や『壊れたかも?!』と思った時は参考にしてみてください。
01 電源が入らない
- 電池を新しくしたら起動画面は表示されるけどすぐ落ちてしまう!
- 電源が入る時もあるけど入らない時もあって不安定!
このパターンの原因は基本的に電池の問題です。電池は新しくしたって話じゃないの?と思う方も多いと思いますが、筆者自身の体験談として100均ショップで購入したボタン電池だと買ったばかりの電池でも電源が入らない、ということがありました。
電圧を計測しても3V出ているのに何故か電源が入らない、他の電池だと電源が入る。
電池の質の問題なのかわかりませんが電池は家電量販店などで購入してください。
電池を交換して電源を入れても起動画面も何も全く表示されない、という場合は故障の可能性があります。
02 POLYモードでうまくチューニングできない
POLYモードは弦6個分の表示がされるので、弦1本ずつそれぞれ計測しているんだ!と思う方もいるようですが、微妙に違います。
POLYモードは通常のギターの設定ならE-A-D-G-B-Eの合わさった音に対してどの辺りがずれているか?を感知しています。この6弦分合わさった音にはもちろん倍音感なども含まれるため、音程がずれていても合っている場所で表示される場合があります。
例えばギター側の実音は1音下げのD-G-C-F-A-Dにして、チューナーは通常のE-A-D-G-B-Eの設定でジャラーンとギターを鳴らしてみたところ

この様に表示されました。全弦のチューニングは合っていない状態なのに針が真ん中にきたりもしてしまいます。この表示のされ方はギターによっても変わるでしょう。
POLYモードの基準音の設定は切り替えることができます。
D-G-C-F-A-DのチューニングでPOLYモードを使用したい場合はチューナーをDに設定する必要があるということです。
半音下げ、1音下げとモードスイッチを押すことで切り替わります。カポ1~7などのモードもあります。
急にPOLYモードが合わなくなった!という問い合わせもありました。実物を見たところ1音下げモードになっていたことが原因でした。自分では意図していないところでモードが変わってしまっていたということかと思います。POLYモードが合わないと思った時は基準音の設定の確認を行ってください。
ギター/ベースのモード切り替えの影響なんてこともあります。
PolyTuneの基本的な使い方は1本ずつチューニングを行った後、微調整で使用すると考えた方がよいです。弦を交換して全部の弦をジャラジャラ鳴らしながらPOLYモードでチューニングする、ということはできません。
03 日ごろのメンテナンス
PolyTune ClipもUniTune Clipも使用しているとクリップを固定しているネジが緩んできます。ここが緩くなってきたらマイナスドライバーで締めることができます。ほっておくとどんどん緩んでネジがどっか行ってしまった、なんてことになります。特殊な形のネジなので購入はできないため無くさないようご注意ください。

04 一番多い故障症状
このClipシリーズで一番多い故障は「筐体の割れ」です。筐体はプラスチックですので負荷がかかれば割れてしまいます。ギターのヘッドに取り付けている以上どこかへぶつけたりすることもあるかもしれませんし、ギターケースのポケットに入れていた時や、ギターに取り付けたままケースに入れている内に負荷がかかったなんてこともあるかと思います。
一番多い個所は電源ボタン周りです。

電源ボタンを押す際にボタンじゃない位置を強く押したりして割れてしまうということもあるかと思います。
内部の爪割れというのもあります。

筐体の先端側は上画像のような爪で引っかけて固定してあります。この爪が折れてしまったという例があります。これも先端に負荷がかかったと考えられます。
割れてしまうと多くの場合に修理できないことが多いので取り扱いにはご注意ください。
いくつか問い合わせの多い例を上げましたが、公式ホームページには日本語のマニュアルがあります、使い方の詳細など掲載されていますのでご参照ください。