皆さん、チューナーは好きですか?
今回はバンドマンのフェイバリット、クリップチューナーやペダルチューナー以外の選択肢も覗いてみましょう。
最も簡単に、シンプルに楽器をチューニングする方法は音叉を使うことです。
K&M ( ケーアンドエム ) / 168/1 音叉
音叉を鳴らし、同時にA弦を鳴らして音高を確認し、うねりの速度をもとに精密にチューニングを合わせていきます。
唯一の問題は基準ピッチの変更には対応できないことですね。
オーケストラや吹奏楽で使用する際、440Hzの音叉では対応できませんが、440Hzから上げていって「1秒2周期の音量のうねり」を作ることで精密に442Hzを得ることができます。
音叉より少しマイナーなチューニング方法には調子笛があります。
TOMBO ( トンボ ) / P-6
ハーモニカと同じようなリードが入っており、息を吹き込むことで基準音を出すことができます。
吹き方によって多少の音程の上下はあるものの、電池がいらず簡便なチューニング方法の一つです。
そういえばこの頃、アナログ表示のチューナーを見なくなりましたね。
電気テスターのようなメーターがついた大型のカードチューナーがあり、入力音に応じて針が揺れるものがありました。
現在は新造されていませんが、ジャンクショップなどで時折入手することができます。
現在手に入るこのタイプのチューナーは管楽器用とされることが多いですが、メトロノームも搭載し、チューナーも基準ピッチ変更に対応し、ライン入力とマイク入力をサポートし...と、すべてのチューナーの基本にして頂点といって差し支えない機能を持ちます。
KORG ( コルグ ) / TM-60-BK チューナーメトロノーム
中抜き連符やスウィング、変拍子などにも対応し、長時間駆動する最強の一角です。
チューナー入力用マイクというのもありますね。
KORG ( コルグ ) / CM-300 BK チューナーマイク
ピエゾ素子を内蔵し、たいていのチューナーには使用可能。
ギターにつければ簡易的なピエゾピックアップとして使用することもできます。
そしてここに来て、ペダルチューナーとクリップチューナーでございます。
ギター/ベース専用チューナーには、機能で大別して2種類あり、1弦ずつチューニングするモノフォニックチューナー(以下モノチューナー)、全ての弦を同時にチューニングできるポリフォニックチューナー(以下ポリチューナー)があります。
ポリチューナーはやはりTC ElectronicのPolytuneとPolyclipが有名ですが、KorgからAW-OTG-POLYという、液晶を搭載して独特なグラフィックでチューニングできるクリップポリチューナーが販売されています。
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / Polytune 3 ポリフォニック チューナー
KORG ( コルグ ) / AW-OTG-POLY
モノチューナーは、安価に購入できるクリップチューナー、ペダルチューナーのほとんどに採用されており、かの有名なBOSS TU-3Wもモノチューナーに数えられます。
BOSS ( ボス ) / TU-3W WAZA CRAFT チューナー
では、これらチューナーの中で何が価格の差になっているのかというと、精度や反応速度以外に次の機能の有無が挙げられます。
・基準ピッチが変更可能なこと
・電源を落としても基準ピッチが保持されること
・その他独自の機能
第一の基準ピッチの変更についてはペダルチューナーであればほぼ全てのものが可能ですが、一部の極小ペダルチューナーと1500円未満のクリップチューナーの大半が変更できません。 通常のバンドで扱う分にはいいものの、吹奏楽やオーケストラではA4=442Hzを採用する場合も多く、厳密なチューニングができません。 簡単な見分け方として、スイッチの数を確認するのが分かりやすいでしょう。スイッチが1つの場合はオンオフのみ、2つの場合はできるかどうか...と考えていくことができます。 ちなみに基準ピッチを変更できるクリップチューナーの最安値はこちら。
DADDARIO ( ダダリオ ) / ECLIPSE TUNER - BLUE [PW-CT-17BU]
第二、電源を落としても基準ピッチが保持されること、については、常に通電している(電池交換以外で完全に電源が落ちることがない)クリップチューナーではほぼ心配する必要はありません。
しかし、ペダルチューナーの場合はパワーサプライからの給電が無くなりしだい設定が戻ってしまうため、基準ピッチを変更する人にとっては重要な機能です。
また、これについてはただ価格が高ければ保持機能があるというわけではないのも厄介なところ。
サウンドハウスで取り扱いのあるペダルチューナーのうち、この機能があることをマニュアルにて確認が取れているのは以下のシリーズです。
■ BOSS TU-3
■ TC ELECTRONIC Polytune 3
■ PROVIDENCE STV-1JB
■ SONIC RESEARCH ST-300
※マイナーチェンジなどにより設定が変わっている可能性もありますので、購入時にはご自分での確認をお願いします。
第三、独自の機能についてはそれぞれのチューナーを参照した方が早いですが、いくつか紹介すると、
■ Vox VXT-1
12平均律だけでなく、音階に合わせた純正律チューニングを選択可能。
■ PLANET WAVES CHROMATIC PEDAL TUNER PLUS
演奏時間を記録するタイマーを搭載。
■ PROVIDENCE STV-1JB
スイッチャー/スプリッターを兼用。
などがあり、バッファーの搭載有無などと併せて注目すべきポイントとなっています。
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今回はチューナーについて紹介してみました。
実音のチューニングのみならず、精密なオクターブチューニングや調号に合わせた純正律チューニングを行うと非常に綺麗な響きを得ることができます。
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