MOOGより2018年に発売され、今でもシンセサイザーの中でトップシェアの一つである、SUBSEQUENT37/ SUBSEQUENT25の魅力について紹介していきたいと思います。
MOOG ( モーグ ) / MOOG Subsequent37
MOOG ( モーグ ) / Subsequent 25 アナログシンセサイザー
歴史あるMOOG社は多くのシンセを世に送りだしてきました。
日本ではタンスなどの異名で知られるモジュラーシンセIIICやModel 10などから始まりミニモーグやポリモーグ、タウラス、MOOG ONEなど、代表的な機種を挙げるだけでもその知名度がうかがい知れるほどの有数の製品を誇ります。

Robert Moog, public domain (Wikipediaより引用)

Minimoog, public domain (Wikipediaより引用)

Moog Taurus, CC BY 2.0 (Wikipediaより引用)

SUBSEQUENT37はその中でもミニモーグから始まるモノフォニックシンセの直径とする現行のシンセです。
2000年代 Phattyシリーズと呼ばれるLittle Phatty、Little Phatty Stage II、Sub Phattyなどが発売されました。
これらはすべて37鍵または、25鍵でした。
主な特徴としては、鍵盤以外のつまみなどが配列されている箇所が約45度斜めになった角度で固定されていることや、アナログシンセのため出力が1系統だったりします。
また小型のアナログシンセであることより上記のとおり鍵盤数も少なく、省スペースでの利用や持ち運びも他の鍵盤の多い機種に比べ楽に行うことができます。


その後Sub 37 Tribute Editionという機種が限定的に発売、こちらはSub Phattyの音源システムを内蔵した2ノート・パラフォニック・アナログ・シンセサイザーでした。

その後SUBSEQUENT37として、Sub 37 Tribute Editionのデザインをベースにシーケンス機能などが搭載されたり、2倍のヘッドルームにより、デュオ・モードがさらに強化されたりと、多くの改良がされました。
続いてはSUBSEQUENT37とSUBSEQUENT25の違いについてです。
鍵盤の数は言わずもがな37鍵盤と25鍵盤およそ1オクターブ分の違いがあります。
基本的な機能などはほとんど変わらず、大きく違う点としては外部入力の有無とプリセットの数です。
SUBSEQUENT37には、TS外部入力端子がつき、外部入力した音源をオシレーターと同様に利用することが可能です。
プリセット数は大きく異なりSUBSEQUENT37は256音色、SUBSEQUENT25は16音色です。
主に2台以上使うシンセプレイヤーが一番上にソロなどで使う音を鳴らす鍵盤として使う用途が多かったようです。
現代ではキーボーディストやボーカリスト以外にもベーシストやギタリストが併用するなど、多種多様な音楽の派生により用途や使用者も増えています。
特にSUBSEQUENT37はテレビやライブなどでベーシストが利用しているのがよく見られます。
これらは前述した鍵盤数が少ない点、モノフォニックである点よりシンセベースに向いているということが理由であると推測されます。
ここまで数回名前のでたパラフォニック、デュオ・モードですがその名のとおり、従来のモノフォニックシンセ(単音のみを鳴らすシンセ)とは違い2音の同時出力が可能です。
オクターブで音色移動するときなど、従来のモノフォニックシンセでは音が切り替わってしまうのに対し、同時に音がならせるためスムーズに音を変化させられるほか、2種類の音をバラバラにならすことなども可能です。
この用途をする方がいるかはわかりませんが、2音で和音を鳴らすことも可能です。
私はSUBSEQUENT37を昨年夏ごろ購入し個人的にも使用しております。
それまではアナログシンセとしてMICROKORGを使用していましたが、もとよりモノフォニックでしか使用していなかったことや、MOOGがいつかほしいという気持ちからこちらを購入しました。

主にはリードシンセとしてソロやメロディーを鳴らすときやシンセベースとして使用しています。
ローパスフィルターが入っていることを含め、ロー帯域の音に強い特徴もあることからシンセベースとしておすすめされがちな本機です。はっきりした音が鳴る印象もあることから、リードの音を鳴らすのにも適したシンセではないかと思います。
SUBSEQUENT37とSUBSEQUENT25のどちらを購入するかですが、個人的にはプリセットの数や鍵盤数、外部入力を利用することが無くシンセベースなどができればの考えであればSUBSEQUENT25を購入する方がコスパに長けていると考えます。
ここまでSUBSEQUENT37/ SUBSEQUENT25の魅力や使われ方などを紹介してきましたが、近年MOOGはビンテージシンセサイザーの復刻にも力を入れており、1990年以前に発売された商品の復刻モデルとして、現在2モデルが販売されています。
言わずと知れたMOOGの代表製品MINIMOOGモジュール箇所を持ち上げられる機能とラダーフィルターでその後のMOOGシンセのすべての起源とも入れるシンセです。
MOOG ( モーグ ) / Moog Model 10 モジュラー・シンセサイザー
YMOなどでも知られるケーブルを抜き差しすることで変調箇所の接続方法を変更することができる、モジュラーシンセの起源ともいえるシンセです。
数量限定販売であったこともあり購入できた方も少ないかと思いますが、ビンテージシンセ好きの方からそのほかの方までニーズも高いかと思われるので、今後もしかしたらメーカーが再販売開始するということもあり得るかもしれません。
ほかにもMOOGの過去のシンセサイザーでは一時の流行の最先端であった機種が多数あるため、他機種の復刻も期待できるかもしれません。
少し脱線しましたがいかがでしたでしょうか。
MOOG SUBSEQUENT37/ SUBSEQUENT25はキーボーディストだけでなくシンセベースを考えている方やギタリスト、ベーシストなどでシンセ音色をバンドで利用したい方、あるいは有名ミュージシャンにも重宝される機材を使ってみたい方はぜひともご検討ください。