じつはサウンドハウスで各種カメラとレンズの取扱いが始まっていることをご存じでしょうか。音楽活動の記録やMVなどの映像作品の製作、コロナ渦以降は配信など、カメラを手にする機会も以前に比べ増えているように感じます。
今回は、サウンドハウスで取り扱っているカメラやカメラレンズの基礎的な部分をご紹介いたします。
■ デジタルカメラの基礎知識
カメラの種類
一般的にカメラはいくつかの種類に分かれます。今回の記事では、いま主流になっているデジタルカメラにスポットをあてて解説していきます。
デジタル一眼レフカメラ

LUMIX / DC-GH6
おおよそ「一眼レフ」と呼ばれているカメラはこちらです。一眼というのは光を集める「眼」が一つというカメラのことを指します。レフはレフレックスの略で、レンズから入った光をミラーに反射させてファインダーから覗くという構造のこと。つまり一眼レフではレンズに入る景色をそのまま撮影することができます。

ファインダーの例
交換レンズの種類が多いこと、また高画質での撮影が可能な点が大きなメリット。ただし値段がやや高く、重いことがデメリットでしょう。スマホの撮影からプラス一歩というよりも、本格的に写真を撮ってみたい!という方におすすめです。
ミラーレス一眼カメラ

SONY / α7R III
今一番市場が熱いカメラです。ファインダーに光を送るミラーが無いことから「ミラーレス」と呼ばれます。一眼レフと比較して軽量かつコンパクトなモデルが多いことがメリット。センサーを使ってデジタル処理を行うため、ファインダーから見える景色は処理後の映像になります。よって一瞬の切り取りといったスポーツなどの撮影には不向きと言えるでしょう。また最近人気になったこともあり、対応レンズがまだまだ少ないのが実情。これからカメラを始めたい方や、本格カメラの第一歩として検討するのがよいでしょう。
コンパクトデジタルカメラ

SONY / ZV-1
単なる「デジタルカメラ」と呼ばれることの多い種類。一昔前までデジカメといえばこれでしたね。とにかくミラーレス一眼以上に軽量かつ、名前の通りコンパクトであることが特徴です。 レンズの交換が不要ですが撮影モードの種類が多いうえ、また何度も言いますがとにかく軽量です。Vlog向きとして売り出している商品も多く、実際にアタッチメントなどVlog向きのアクセサリーが豊富な印象を受けます。一方でレンズ交換ができないため、一眼レフカメラより撮影の幅が狭くなってしまうことがデメリット。個人の動画撮影やスナップ写真撮影などにおすすめ。
フルサイズって? APS-C/マイクロフォーサーズって?

フルサイズセンサー搭載カメラで撮影した写真
カメラを購入するときに気にするポイントとして、撮影方式やISO感度、画素数などが挙げられますがイメージセンサーの大きさはチェックしていますか?
デジタルカメラは画像をセンサーで写し取り記録するものです。したがってセンサーサイズの大きさがそのままカメラの性能にも直結します。一般的なスマートフォンに搭載されているセンサーも徐々に大きくなってきていますが、デジタルカメラはその何倍もの大きさのものを持ち、それがカメラを別に持つ利点でもありますね。
さてフルサイズとAPS-C/マイクロフォーサーズはセンサーサイズの違いはその大きさです。また背景のボケ度合いや画質、画角などカメラのスペックとしても大きく異なります。

センサーサイズ表
フルサイズ
フィルムカメラ時代の35mm判フィルムに近いことから35mmサイズとも呼ばれます。フルサイズは中上位モデル以上のカメラに搭載されていることが多く、いわゆるカメラ好きなら持っておきたい種類です。APS-Cに比べ背景がボケやすく、光のグラデーション(階調表現)も豊か。同様に光を受けるセンサーが大きいことから暗所の撮影時にも綺麗に撮影が可能。
ただし上記通り中上位モデルに用いられることが多いため、APS-Cに比べお値段が高くなり、また対応レンズも大きくなりがちです。
APS-C/マイクロフォーサーズ
デジタルカメラ向けセンサーとして誕生したAPS-Cはフルサイズに比べてやや小さく、かつ軽量です。価格も抑えめになるため、エントリーモデルなどに多く搭載されています。またAPS-Cはマイクロフォーサーズとフルサイズの中間モデルになり、もう少し深く撮影を楽しみたいという方におすすめ。なおAPS-Cはフルサイズの約1.5倍、マイクロフォーサーズは約2.0倍ほど画角が狭くなる(=被写体に寄った構図になる)ため、望遠撮影のためあえて小さいセンサーを搭載したカメラを使う人も少なくないそうです。
マイクロフォーサーズ規格自体はLUMIXなど、軽量かつ取り回しが良いコンパクトデジタルカメラのような使い方に向いていることがメリット。ボケ味が少ないということは、反対に背景の映像をくっきり残せるため、日常のスナップ撮影やお子さんの成長記録などにもお勧めです。

センサーサイズによる画角のイメージ
カメラレンズについて
コンパクトデジタルカメラを除き、今回ご紹介したカメラはレンズの交換が可能です。しかしカメラにはそれぞれレンズの型(マウント)があり、使用しているカメラのマウントに適合するレンズを使わなければなりません。
そこを踏まえたうえで、焦点距離や撮影したい画像をイメージしながらレンズを選びます。カメラレンズを選ぶときに大切なポイントを解説していきます。
焦点距離
イメージとしては写し取ることのできる範囲(画角)を数値化しているものと思ってください。焦点距離が短ければ短いほど広角に、反対に長ければ望遠が得意になります。人間の眼の場合、視野角はフルサイズ基準でだいたい50mm程度になります(実際はもっと広い角度で見えていますが、重点を見る場合は50mmくらいなのです)。いま見えている範囲を撮影したいと思ったら焦点距離50mmで撮影できるレンズがおすすめ。
また焦点距離を変えることができるレンズを一般にズームレンズ、反対に1つの距離に固定されるものを単焦点レンズと呼び、この2つがカメラのレンズキットや初心者セットとしてよく販売されていますね。単焦点レンズはボケ味が強く出やすい特徴があり、また下記に紹介するF値がおよそ低い(=明るく撮れる)傾向にあります。
F値
簡単に説明するとカメラに入る光の量は、光の通る穴の大きさを変えることで調整されています。この穴の大きさのことをF値と呼びます。F値が小さいほど明るく撮影ができますが背景がボケやすく、反対に大きいと暗く撮影されますが背景などをくっきり残すことが可能です。たとえばフルサイズのボケ感を生かしたいならF値が小さいレンズを使うのがよいですね。
マウント
最初にご紹介したレンズのマウント問題、これがなかなか厄介です。フルサイズ用のレンズはAPS-Cでは使えませんが、APS-C用のレンズはフルサイズで使用できてしまいます(Canon製品を除く)。
ただし当然APS-C向けに作られたレンズのため、撮影時にケラれと呼ばれる状態に。ケラれとは画像周囲が黒くなり、何も写らなくなる現象です。
※ちなみにCanonはレンズの仕様からAPS-C用レンズ(EF-Sマウント)を使用すると、細かな理由は割愛しますがカメラのミラーを傷つけることにつながるので絶対に使わないでください。

ケラれのイメージ
■ おすすめカメラ&レンズ
それではサウンドハウスでも取扱いのある、おすすめのカメラをご紹介しましょう!
SONYの一眼カメラは青が強く出やすい傾向にあり、またセンサー感度から夜景や風景を撮影するのにピッタリ。また映像面の性能も強く、肌の表現に使われる中間色の表現力をアップさせたS-Cinetone搭載など、人物撮影などにも使いやすく進化。写真から動画まで抜け目ないやつとして活躍するでしょう。
SONY ( ソニー ) / FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(SEL24240)
24-240mmと、広角から望遠まで幅広く使いやすいズームレンズ。F最低値も3.5なので、通常使用の範囲で問題になるシーンはまず思い浮かびません。正直Canon信者の私でも、この価格帯でこのF値が出せるズームレンズは羨ましいです……。
焦点距離28mm、開放絞りF2というようなバケモノスペックが安価に手に入るんです。とりあえずポートレート撮影や日常使いにはまったく困らないと思います。反対に明るく撮れ過ぎてしまう可能性もあるので、可変NDフィルターを使って調整するのがおすすめ。
最後はSONYマウントが無いのですが、お勧めなのでご紹介!CANONやNIKONユーザーに向けて!
SIGMA ( シグマ ) / Art 24-105mm F4 DG OS HSM Canon EFマウント用
サードパーティ製カメラレンズとして知らぬ者はいないSIGMA。3つのプロダクトグレードからなるそのレンズのうち、Artシリーズは最高品位を誇るラインナップです。24mmの広角から程よい中望遠といった基本的な撮影域をカバーします。さらに凄いのがズーム全域でF4の明るさを維持し続けること! 先ほど紹介したFE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(SEL24240)の場合、ズームするとF値が可変します。というか、この価格帯のレンズであればそれが普通です。安価にプロフェッショナルなレンズが手に入るというのが、サードパーティ製レンズの良さ。
いかがでしたでしょうか。少しでも写真撮影に興味を持ってもらえたらとても嬉しいです。
それでは!