1994年のCDJ-50の発売から26年。今や世界中のクラブやライブハウス、プロDJの現場では大定番のモデルとして愛され続けているCDJシリーズのDJプレーヤー。 CDJ-50では「MASTER TEMPO」、CDJ-1000で「HOT CUE」「BIG JOG/Vinyl Mode」、CDJ-2000NXSでは「BEAT SYNC」など、新モデルが発表されるたびに新しい機能や演奏方法を提案することで、DJの新たな可能性を提案し続けてきました。
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2016年に発売された「CDJ-2000NXS2」では多彩なメディアに対応しただけでなくハイレゾ音源にも対応し、より音質や臨場感を求めるDJのニーズに応えました。 そして今年、現代のニーズに答えるべく、26年の歴史とノウハウを元に最新の進化を遂げたCDJがついに発表されました。 CDJ-3000 プロフェッショナル DJマルチプレーヤー

CDJシリーズの最新フラッグシップモデル「CDJ-3000」の新機能をまとめてご紹介いたします!
目次
1.【高い信頼性と妥協なく追求した高音質設計】
1-1. 内蔵DAコンバーターで96kHz/32bitに変換
1-2. クリアで原音忠実な高解像度サウンドを実現
2.【9インチ高解像度タッチディスプレイ】
1. 高輝度ディスプレイ対応
2. ディスプレイ 新機能
1. TOUCH PREVIEW
2. TOUCH CUE
3. STACKED WAVEFORM
4. 3BAND 波形表示対応
5.【各種ボタンを追加・機能性向上】
1. 8つのHOT CUEボタン
2. BEAT JUMPボタン
3. 進化したAUTO BEAT LOOPセクション
Pioneer DJ公式 - CDJ-3000 紹介動画
1.【高い信頼性と妥協なく追求した高音質設計】
進化した「CDJ-3000」の大きな特徴である高音質設計について、プレーヤー本体に2つのCPUがワンチップとして組み込まれており、これまでのCDJシリーズよりも高い処理能力を実現しています。

その処理速度はCDJ-2000NXS2と比較しても圧倒的。プレイリストから楽曲選択した際の読み込み、HOT CUEの読み込み速度も格段に早くなっています。CDJ-2000NXS2とCDJ-3000の実機で楽曲・CUEポイントの読み込み速度を比較したところ、体感速度で約1/3程度まで処理時間が短縮されていることを実感できました。 シリーズ最高となる処理能力は、音質面にも良い影響を与えています。詳しくみていきましょう。
1-1. 内蔵DAコンバーターで96kHz/32bitに変換
「CDJ-3000」では再生可能な全てのオーディオフォーマットにおいて内部のオーディオ処理を96kHz/32bit に統一しています。これにより、一般的なCD音源(44.1kHz音源)、MP3音源(24kHz etc.)などでも、ハイレゾ・クオリティの音質にアップコンバートして再生することが可能です。原曲の持つ音の繊細さや奥行・空気感、さらには低域の微細な音色の変化さえも漏らすことのない原音再現性を実現します。

MASTER TEMPOフェーダーで再生速度を変更した場合や、後ほどご説明する新機能「KEY SHIFT」を使った場合でも、音源の劣化を感じさせない音質になっています。
1-2. クリアで原音忠実な高解像度サウンドを実現
DAコンバーターの能力を最大限引き出すために、オーディオ回路を構成する部品に対して1つひとつを見直し再構築が行われています。デジタルノイズを低減させたことで、大音量で聴き続けたくなるような自然なサウンドに仕上がっています。
2.【9インチ高解像度タッチディスプレイ】
従来機と比較して、一目で変化に気づくのがタッチディスプレイ部分の変化です。機能性も、大きさも進化したディスプレイに注目してみましょう。

2.1 9インチ高解像度タッチディスプレイ
「CDJ-2000NXS2」が7インチ規格(800×480)に対して「CDJ-3000」は9インチ規格(1280×720)を採用。Apple社のiPad miniが7.9インチなので、それと比較しても大型なのが実感いただけるのではないでしょうか。

大きさだけでなく、視認性の高さも大幅に向上しています。最大輝度は従来機の1.5倍にまで調節可能。薄暗いDJブースの中、屋外の自然光や強力な照明環境下でも高い視認性を確保しています。ショートカット機能を使うことで、簡単にお好みの明るさに調節可能です。
2.2 ディスプレイ 新機能
より大きく、鮮明なタッチディスプレイになったことで、展開 / CUEポイント / プレイリストなど、多くの楽曲情報を確認できるようになりました。それによりディスプレイに追加された新機能をご紹介いたします。
2.2.1 TOUCH PREVIEW 〈ブラウズ状態から試聴可能に〉
プレイリストから楽曲を探している状態(ブラウズ状態)の画面表示に楽曲毎の波形データの表示が新たに追加されました。さらに、波形をタッチすることで、触れた箇所から楽曲を試聴することが可能になりました。次にプレイする楽曲を探している際に、最大9曲分の波形を見ながら、試聴することが可能です。

※楽曲の試聴機能はLINK CUEに対応した「DJM-V10」、「DJM-900NXS2」とPro DJ Link接続状態で使用可能
2.2.2 TOUCH CUE〈再生中楽曲のを試聴可能に〉
再生している楽曲の全体波形(ディスプレイ下部に表示)をタッチすることで、再生を止めずにタッチした箇所を試聴することが可能になりました。B2BやDJ転換時でも、外音は流したまま。ヘッドホン内では今流れている楽曲の展開を確認するという際にも役立ちます。

2.2.3 3BAND波形対応
CDJ-2000NXS2を含む従来のCDJシリーズでは、楽曲成分(HIGH / MID / LOW)を色の濃淡で表示してきました。CDJ-3000では、これまで同様のRGBとBlueの表示に加え、「3BAND WAVEFORM」が選択できるようになりました。3BAND WAVEFORMでは、楽曲のHIGH, MID, LOWを色別で表示することにより、キックやハイハットなどのサウンドを個別で見ることができ楽曲の構成をより把握しやすくなりました。

ディスプレイ下部で楽曲全体の波形、上部ではMASTER出力の波形 / CUEポイント箇所を、中央部では任意の幅で再生箇所を把握するような使い方も可能です。
3.【KEY SYNC&KEY SHIFT機能に対応】
キーが異なる楽曲同士でも自動的にキーを合わせることができるKEY SYNC機能。いまやエントリー向けのDDJシリーズのコントローラーでも搭載されている定番機能ですが、「CDJ-3000」ではCDJシリーズで初めて「KEY SYNC機能」に対応しました。併せて「KEY SHIFT」機能にも対応し、プレイ中にKEYを自由に変えることが可能になりました。

4.【ジョグホイールがCDJ史上最も滑らかに!中央に液晶ディスプレイ搭載】
CDJ-2000NXS2などの従来機までの設計を見直し、回転部の軽量化と内部構造が大きく改善されています。それにより、従来機でジョグを回転させた際の「カラカラ」あるいは「シャーッ」という回転音がほぼ無くなり、非常に滑らかな回転が可能になりました。またジョグのレスポンスも向上しており、天面を触れた時のレイテンシーを極限まで低減されています。

ジョグ中央部には「液晶ディスプレイ」を新搭載。DDJシリーズやXDJシリーズの上位モデルでは既に搭載されていた機能ですが、こちらもCDJシリーズでは初対応となります。楽曲のアートワークを確認できる他、楽曲再生中に回転するレコード型マーカーの視認性も大きく向上しています。
5.【各種ボタンの追加・機能性向上】
5.1 HOT CUEが8ボタンに
CDJ-2000NXS2では4ボタンの切替操作で8つのHOT CUE操作でしたが、CDJ-3000ではディスプレイ下部横一列にHOT CUEボタンを8個配置。HOT CUEのアサイン位置が一目で確認できるレイアウトになっています。ボタンカラーを任意の色に設定することも出来るので、ブレイク前、サビ、アウトロなど、パートごとに色を変えてCUEポイントを管理するのもオススメです。

5.2 BEAT JUMPボタン
HOT CUEの左下にはビートをキープしたまま瞬時に任意の拍数で再生位置を移動させるBEAT JUMPボタンを配置。ビートをキープしたまま任意の拍数分だけ再生位置を移動させることができます。不要なブレイク箇所のスキップや曲のMIXする場所の確認、展開の確認など、様々な場面で活躍する機能です。

5.3 進化したAUTO BEAT LOOPセクション
CDJ-2000NXS2に搭載されている4-BEAT LOOPコントロールに加え、CDJ-3000には8-BEAT LOOPボタンを搭載。また、3、5、6、7、9 BEATなど奇数BEAT LOOPの拡張オプションを使うことで多彩なループプレイにも対応可能です。

ハードウェア面での改善として、CUE / PLAYボタン、HOT CUEボタンの耐久性が大幅アップ!CDJ-2000NXS2のCUE / PLAYボタンが約70万回の連打テストという厳しい基準に合格していたのに対し、CDJ-3000ではそれを上回る100万回の連打テストをクリアしています。使用頻度の多いボタン故に、壊れにくくなっているというのは非常に安心感があります。
6. まとめ
新発売のCDJ-3000の新機能、従来機との比較をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
CDJシリーズ史上最も滑らかな操作性を実現した次世代Jog Wheel、耐久性が大幅に果然したCUE / PLAYボタン、D/Aコンバーターによる音質改善など、DJ用途としては勿論ですが単純にメディアプレーヤーとしての機能性も向上しているように感じます。
CDJ-2000NXS2と比較としてCDメディアが読み込めない点、価格が1万円程度アップしている点を考慮しても、機材導入の際の選択肢に十分食い込んでくるのではないでしょうか。
担当目線としては、DDJコントローラー+PCでDJを始めたユーザーが多い現場ではCDJ-3000の方が圧倒的に使いやすいように感じます。
それぞれの現場のニーズやDJの要望に合わせて、CD対応の従来機を選ぶというのも勿論アリ。今後数年先までも使っていくことを想定し、デジタルDJ最前線の環境を構築するもアリ。DJ機材選びで後悔したくない方、どんな機材を導入するかでお困りの方は、お気軽にご相談ください!
動画▶サウンドハウスのDJ機材担当が実際にCDJ-3000を触ってみた!
【音家LIVE 20/10/20 Pioneer DJ - CDJ-3000新製品紹介&DJスタッフ談義】