◯ 完全ワイヤレスイヤホンは今が失敗しない「買い時」
2020年現在、完全ワイヤレスイヤホンは成熟期に入りました。半導体企業Qualcomm社のチップ革命に始まり、ZERO AUDIOのTWZ-1000が市場を席巻、そして2019年にSONYが放ったWF-1000XM3によって完全ワイヤレスイヤホンは完成されました。
この2機種によって「良い完全ワイヤレスイヤホン」の前提のようなものが策定されました。
- 接続安定性を高めること。「人間の脳」という電波障壁からの解放。
- 6時間以上のバッテリー駆動時間を確保すること。
どちらも完全ワイヤレスイヤホンのL・R両方が端末(スマホ等)にBluetooth接続し、親機・子機という関係性を持たないことが技術的な要件となります。 この前提条件の下で、各オーディオメーカーは強力なノイズキャンセリングプロセッサーを搭載したり、スマートフォンとの連動やジェスチャーの検出でユーザー体験を高める等を試み、イヤホンに個性を持たせています。
そんな成熟期に登場したAudio-technica ATH-SQ1TWが持つ個性とは、ずばり、その斬新なデザイン性です。
◯ 斬新なスクエアデザインと小型化へのこだわり
カラーバリエーションは6色展開
四角いハウジングに、金属板が挟み込まれているような近未来的なデザイン。 ただの意匠ではなく、充電端子が配置されている必然性が機能美に繋がっています。 小型化にもこだわりを感じます。ボタンを一切廃してタッチセンサーに統一したのは、このスクエアデザインの他にダウンサイジングの意図もあるのでしょう。
◯ ATH-SQ1TWの音質
audio technica ( オーディオテクニカ ) / ATH-SQ1TW WH 完全ワイヤレスイヤホン
デザインの他にATH-SQ1TWの特徴は、入門機に位置づけられる1万円未満の価格帯とは思えない「高音質」。フラットな特性で、高音の美しさと、心地良い低音を両立しています。
今回専用に設計されたという5.8mmの大型ドライバーの実力は本物です。有線無線問わず、デザインの良い普及価格帯の小型イヤホンというのは、音質が妥協されがちなイメージですが、その常識を変える機種です。
◯ 動画やゲーム音の遅延
音ズレ対策としてLow Latency Mode(ローレイテンシーモード)を搭載。スマートフォンやPCでYoutubeを見ても動画の遅延はほとんど感じません。 またスマホゲームでも遅延はあまり感じません。音ゲー等のシビアなゲームでは、ノーツの調整が必要かもしれません。
音声遅延確認ツール
スマートフォン、PCともに音は0時のタイミングで鳴る。ほとんど遅延は無い。
◯ ATH-SQ1TWの装着感
小型筐体の強みが発揮され、非常に軽やかで疲れません。マスクの取り外し時に完全ワイヤレスイヤホンを引っ掛けてしまった経験がある方は多いと思いますが、ATH-SQ1TWにはその心配はありません。 また遮音性も高く、作業に集中できます。
◯ 快適な装着感と適切なタイミングで働く音楽停止機能
Wスペック上は連続6.5時間、ケース充電で19.5時間とされています。通信環境によるものの、通勤・通学時に困ることはまず無いでしょう。長距離移動のシーンでも活躍します。
◯ 片耳でも使用可能
左右両側でも、片側のイヤホンだけでも音楽や通話が楽しめます。 シチュエーションに合わせて自由に使用可能。
◯ ゲームや動画で音ズレはほとんどなし(音声遅延/レイテンシー)
ほとんど気になりません。
◯ ATH-SQ1TWの操作、コントロール
物理ボタンは無く、タッチセンサーのみとなります。ただしスワイプやジェスチャーといった複雑な操作は要求されず、タップのみで制御します。シンプルなためとても使いやすく、慣れは必要無いでしょう。
- 側は再生/停止/曲送り/曲戻し
1回タップで再生/停止。2回タップで曲送り。3回タップで曲戻し。 - 左側は音量コントロール
1回タップでボリュームアップ。2回タップでボリュームダウン。
◯ 対応コーデック
SBCのみ対応。接続対応に困ることはまずありませんが、apt-X、AACは非対応です。
◯ まとめ
ATH-SQ1TWは「良い完全ワイヤレスイヤホン」の条件である十分な駆動時間と接続安定性を達成しつつ、安価な価格と高音質を実現した「ミニマルな優等生」です。 イヤホンを外すと再生中の音楽が自動で停止したり、首を動かすジェスチャーで曲送りができるといったスマートな機能や、強力なノイズキャンセリング機能はありません。ただ、これらが「特に必要無い機能」と思うシンプル志向のユーザーにとっては、この価格と音質は非常に魅力的です。