皆さんは、自宅でギターを録音する際、どのようにして音作りをしていますか?
マルチエフェクターなどのハードウェアを使用する方もいれば、DAW上で動作するアンプシミュレーターなどのプラグインを利用している方も多いと思います。
筆者は普段、BOSS GT-1000 を使用して録音していますが、GT-1000では再現が難しい音色を使いたい場合には、IK MultimediaのAmpliTube 5を活用しています。
IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / AmpliTube 5 MAX v2 ダウンロード納品
AmpliTube 5は非常に使い勝手の良いアンプシミュレータープラグインで、ギターの音作りに不安がある方や、これから宅録に挑戦したいというDTM初心者の方にもおすすめです。
1. 100種類以上のアンプ&キャビネットを選べる
AmpliTubeでは、最大111種類のアンプから好みのモデルを選択可能。スタジオの定番アンプから、往年のビンテージモデルまで幅広く揃っています。
さらに、FenderやMesa/Boogie、Orangeなど有名メーカーからライセンスを受けた公式モデルも多数収録されています。

Fender Collection 1 for AmpliTube 画面
実機同様のパネルデザインで操作できるため、楽しく音作りができます。
スピーカーキャビネットも最大106種類から選べ、アンプヘッドとキャビの自由な組み合わせが可能です。たとえば「MarshallのヘッドにMesaのキャビを組み合わせたらどうなる?」というような実験的な音作りも気軽に試せます。
スピーカーやマイクの選択、マイキングの調整もできるので、上級者でも納得できる細やかな音作りが可能です。
2. 豊富なエフェクト群
AmpliTubeには、アンプだけでなくエフェクターも多数搭載。

ペダルタイプのエフェクターは最大111種類、ラックタイプのスタジオエフェクトも最大48種類が収録されています。
定番のオーバードライブやディレイ、リバーブはもちろん、入手困難なビンテージエフェクターもモデル化されており、モダンな音作りからクラシックなサウンドまで幅広く対応できます。
3. 使いやすいユーザーインターフェース(UI)
デジタルソフトに苦手意識がある方の中には、「直感的に操作できないから…」という理由の方も多いかもしれません。
AmpliTubeは、視覚的に分かりやすく、直感的に操作できるUIが特徴です。

アンプやエフェクターはドラッグ&ドロップで簡単に配置でき、ツマミ類も実機に忠実なデザインなので、扱いやすさも抜群。
さらに、MIDIコントローラーにも対応しており、各ツマミをMIDIでアサインすれば、実機のような感覚で音作りが可能です。
ルーティングも視覚的に表示されるので、複雑なセッティングでも混乱せずに構築できます。
4. 音作りに便利なタグ機能
ゼロから音作りをするのも楽しいですが、手早くかっこいい音を作りたい時に便利なのがタグ機能。

サウンドキャラクターやジャンル、使用楽器の種類などを選択するだけで、それにマッチしたプリセットが自動でリストアップされます。
初心者でも目的の音に素早くアクセスできます。
5. アーティスト監修のパッケージ&プリセット
AmpliTubeでは、有名ギタリストが監修したアーティストパッケージも販売されています。
筆者は、Joe Satriani監修パッケージを所有しています。
このパッケージには、彼が実際に使用しているアンプやエフェクターをモデリングした音源が収録されており、特にMarshall JVM410HJSのモデリングは秀逸。

実機にSM57を立てて録った音と比べても、驚くほど実機に近いサウンドで感動しました。
また、公式サイトでは著名アーティスト作成のプリセットが無料でダウンロード可能。
往年の名曲のトーンを、アーティスト本人の音作りで再現できます。
6. TONEXとの連携
IK Multimediaが提供する別のプラグイン/ハードウェア「TONEX」と連携可能です。
TONEXでキャプチャーしたアンプに、AmpliTubeでエフェクトを追加したりと、高度で多彩な音作りを一つのアプリ内で完結できます。
7. スタンドアローンでも動作
AmpliTubeはスタンドアローンでも起動可能。
PCとオーディオインターフェースがあれば、自宅で作った音をそのままスタジオやライブ会場で再現できます。
DAWを立ち上げる必要がないので、練習やライブ準備もスムーズ。ちょっとした音作りやチェックにも最適です。
挙動が重い?その解決策は…
AmpliTubeに限らず、高品質なアンプシミュレータープラグインはPCの性能によっては動作が重くなることがあります。
その結果、レイテンシーが発生したり、録音中にポップノイズが入ることも。
このような場合は以下の対処法がおすすめです:
DAW側のバッファーサイズを上げる

※バッファーサイズを上げすぎると、演奏時にレイテンシーが気になることがあるため、録音時とミックス時で切り替えて使うと効果的です。
録音後のトラックを「フリーズ」して負荷を軽減する

※Logicの場合はトラックヘッダを設定(⌥+T)からフリーズを表示させることができます。
まとめ
AmpliTube 5は、初心者にも扱いやすく、プロの音作りにも対応できる非常に完成度の高いアンプシミュレーターです。
自宅での宅録やライブ、スタジオ練習に至るまで、幅広いシーンで活躍してくれる頼もしい存在。
これから宅録を始めたい方にも、音作りを追求したい方にも自信を持っておすすめできるプラグインです。
おまけ
AmpliTube 5を使って録音をしてみました。
ギターとベースでAmpliTubeを使用しています。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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