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AZESが生まれ変わる!1万円台でできる実践カスタム術

2025-07-25

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 楽器

先日「AZESは初めての一本にオススメ!」という内容の記事を書きましたが、実はAZESは高いポテンシャルを秘めたギター。ちょっとしたカスタマイズを施すことで、さらに魅力的な一本にアップグレードできます。

今回は、筆者が所有するAZESに行ったカスタマイズ内容をご紹介します。

1. ペグの交換

最初に行ったのはペグの交換です。

低価格帯のギターは、ペグやブリッジなどのハードウェアでコストを抑える傾向があります。AZESも例外ではなく、決して粗悪というわけではありませんが、細部を見るとややチープな印象を受ける部分があります。

ペグを交換することで、チューニングの安定性が向上するだけでなく、音質面にも良い効果があります。今回はGOTOH製のペグに交換しました。

⇒ GOTOH SG381

ペグはさまざまなメーカーから販売されていますが、GOTOH製はリーズナブルで精度も高く、迷ったらコレで間違いありません。

予算に余裕があれば、ロック式ペグにアップグレードするのもおすすめです。

⇒ GOTOH SG381-MG-T

2. ブリッジサドルの交換

次に、トレモロユニットのブリッジサドルを交換しました。

当初は交換予定ではありませんでしたが、純正サドルで弦高を調整しようとしたところ、イモネジが空回りして調整不能になってしまい、急遽交換することに。

選んだのは、こちらも安心のGOTOH製サドルです。

⇒ GOTOH S21

交換時は弦間ピッチに注意してください。AZESには10.5mmピッチが適合します。

サドルを交換することで、チューニングの安定性が向上し、質量の増加により音にも芯が出てきます。

3. ストリングリテイナーの交換

AZESでアーム奏法を多用するなら、ストリングリテイナーの交換もおすすめです。

筆者はこのギターでアームはあまり使いませんが、チューニング安定性の向上を目的に交換しました。

⇒ GOTOH RG30

4. トレモロスプリングの交換

筆者はAZESでアーム奏法をしないため、ブリッジをボディにベタ付けさせています。

通常、このようにブリッジを固定する場合、トレモロスプリングを5本掛けにするのが定番で、今回は以前から気になっていたこちらのスプリングに交換してみました。

⇒ RAW VINTAGE RVTS-1

交換前は少し細い印象のトーンでしたが、交換後は太くてコシのあるサウンドにシフトしました。

カスタム初心者の方へのアドバイス

今回ご紹介したようなカスタムは、ギターの構造や仕組みをある程度理解していれば比較的簡単に行えますが、初めてチャレンジする方にとっては不安も多いかと思います。そこで、これからカスタマイズをしてみたいという方向けに、いくつかのポイントをお伝えします。

まず、道具の準備が肝心です。ねじ山のサイズに合ったドライバーや六角レンチを使用してください。ねじ山に合わないサイズのもので無理に回そうとするとネジ山やパーツを傷めてしまうことがあるので、十分注意してください。

ギターメンテ用の工具セットなども売っています。

⇒ ERNIEBALL MUSICIAN’S TOOL KIT

外したネジを再度取り付ける際、特にギター本体のネジ穴にネジを差し込む場合は注意が必要です。
ネジを穴に入れたら、まず一度半時計回り(逆回転)に回して、ネジがねじ穴にしっかりはまっていることを確認してから、時計回りに締めてください。

電動ドライバーを使うと素早くネジを締められますが、トルクが強すぎるとネジ穴が広がったり、ネジ山がなめてしまうことがあります。
そのため、手間はかかりますが、手動でネジを回す方法をおすすめします。

また、取り付け前に部品のサイズを確認することも非常に重要です。特にペグやサドルなどは、サイズや規格が合わないと取り付け自体ができなかったり、演奏に支障が出たりします。購入前に製品の詳細をよく確認し、可能であれば同モデルでの事例を調べておくと安心です。

作業に自信がない場合は、楽器店やリペアショップに相談するのも選択肢のひとつです。自分で行う楽しさはありますが、無理をして失敗してしまうと、かえって修理代がかさむこともあるので、最初のうちは「無理せず、慎重に」がポイントです。

今回のカスタムにかかった費用

参考までに、今回のカスタムで使用したパーツと、費用をまとめてみます(2025年6/24現在)

GOTOH製ペグ(SG381)……5,270円
GOTOH製ブリッジサドル(S21)……4,580円
ストリングリテイナー(GOTOH)……400円
RAW VINTAGE製トレモロスプリング(RVTS-1)……1,780円
合計:12,030円

AZESの本体価格が4万円前後ということを考えると、「本体価格の30%ほどの予算で、操作性や音質、チューニングの安定性を大きく改善できる」というのは非常にコストパフォーマンスが高いと感じます。

特に初心者の方にとっては、チューニングの不安定さや弾きにくさは挫折につながる原因にもなりやすいため、少し手を加えることでストレスの少ない練習環境が作れるのは大きなメリットです。

「もっといい音で弾きたい」「長く使っていきたい」と思えるようになったら、まずは今回のようなプチカスタムから始めてみるのがオススメです。

まとめ

今回は、比較的手軽でリーズナブルにできるカスタムということで、ペグやブリッジ周りを中心にパーツを交換しました。

これだけでもチューニングの安定性が向上し、音質も純正状態よりしっかりとした印象になったと感じています。安価なギター特有の「線の細さ」から少し脱却できたのではないでしょうか。

今回は触れませんでしたが、ピックアップやコンデンサーといった電装系、さらにはナットやフレットの交換も検討すれば、さらに音や演奏性が向上する可能性があります。

とはいえ、やり過ぎると改造費が本体価格を超えてしまうので、自分はこのあたりで一区切りにしようと思います。

もしAZESをお持ちで「ちょっとグレードアップさせたいな」と思っている方は、この記事を参考に、ぜひ自分だけのカスタムを楽しんでみてください!

おまけ

サウンドサンプルとしてAZESでTOTOのGeorgy Porgyのライブ版ギターソロを弾いてみました。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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航平

千葉県生まれ。15歳の時に80~90's洋楽に目覚め、ギターとベースを始める。 高校卒業後はMI TOKYOへ入学。卒業後は同校でTA(補助講師)としてレッスンをする傍ら、BGM・カラオケ音源制作やサポート業をおこなっている。自身のバンド”Tokyoite”(トーキョーアイト)ではベーシストとして活動中。
Twitter https://twitter.com/ike_kohei
Instagram https://www.instagram.com/ike_kohei_gt/

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