ギターを弾く上で必要なのは?
なんと言ってもストラップだ。これがないとギターを立って弾けない。初心者からプロまでギターに必要なマストアイテムだ。
ストラップを選ぶ時の主なポイントとして【価格】【色】【素材】【デザイン】が挙げられるだろう。
価格
それなりのお気に入りギターを持っているのなら、ちょっと“いいもの”を選びたい。ストラップはギターより目立たない方が良いが、さりげなく高級感があった方がお洒落だ。数千円以上予算があれば選択肢はぐんと増える。
色
コーディネートが上手いギタリストはギターとのマッチングを考えて選ぶ。例えば黒のギターに赤のストラップは映えるし、ホワイトのギターにブラックストラップは定番の組み合わせだ。
フェンダー・ギター購入時に付属していることがある黒や茶色の細目のビンテージ調ストラップ。これらもギターの色を選ばないので、ラインナップに加えておくと良いだろう。
素材
手に入りやすいのはナイロン生地や布製、ビニール製。カラーやデザインが豊富で比較的安価である。耐久性重視の場合は革製がおすすめ。革製は高価な製品が多いが、手入れ次第で何年も使える場合もある。安定感も革製ならでは。
デザイン
よく知られているところではフェンダーのモノグラム・ストラップが有名だ。楽器店に必ずといってよいほど在庫してあるので、見たことがある人も多いだろう。世界中のミュージシャンが愛用する定番中の定番だ。近年はカラーバリエーションが豊富で衣装に合わせやすい。
これら4点に加えてさらに求めるとすれば、個性的だと尚更良い。
脳裏に浮かぶ印象的なストラップは、故スティービー・レイ・ボーンの大きな音符のデザインや、ジョン・サイクスの英国製ハンドメイド金属ストラップ、ヘビィ・メタルバンドの弾丸が並んだ重厚なストラップ。別に気をてらったわけではないがリッチー・ブラックモアのリユニオン・ブルース・ストラップは白ローズのストラトに実に巧くマッチしていた。また70年代から80年代のエリック・クラプトンのステージでもギターに合わせてストラップの色をコーディネイトする、最高の見本をステージで魅せてくれた。
HELLFORLEATHER ( ヘルフォーレザー ) / SRV2
ERNIE BALL ( アーニー・ボール ) / 4097 Indigo Orchid Jacquard Guitar Strap
ストラップ選びの参考にしてみてほしい。
実際に購入してみて今でも使用しているストラップを紹介
私はギターをはじめてから、フェンダー・モノグラム・ストラップから始まり、数十種類のストラップを購入してきた。ナイロン製の千円もしないリーズナブルな物から数万円する革製まで多種多様に。

現在使用中のストラップ5本。私はブラウンのリユニオン・ブルース・ストラップ一本を除き使用するカラーは全てブラックだ。
今回、この記事を書くにあたり、あらためてサウンドハウスで取り扱うストラップの種類の多さに驚いた。
サウンドハウスの膨大なストックの中から私が実際に購入してみて、今でも使用しているストラップを紹介したいと思う。カラーは今回ブラックに限定する。
ERNIE BALL ( アーニー・ボール ) / 4139 2" SEATBELT WEBBING STRAP BLACK
アーニーボールのナイロンストラップの使い勝手の良さはそのままに、高級感と耐久性を兼ね備えたストラップ。自動車のシートベルトをそのまま使っているだけに丈夫さはこの上ない。
汗にも強く、ヘビーローテーションにも耐えてくれる。適度な光沢を持ち、サンバーストのギターの輪郭をゴージャスに魅せるお気に入りの一本。軽いのでギターケースに入れて気軽に持ち運べるのも魅力だ。

COMFORT STRAPP ( コンフォートストラップ ) / Pro Guitar Long 100-117cm
「このストラップを使うとギターの重さが気になりません」というふれこみで知ったストラップ。凹凸のある生地で他の物とルックスが少し異なる。ギターを肩にかけると確かに重さは「浮いた」かのように軽減する。一種のマジックだ。レスポール・モデルや重いベースなどには重宝するだろう。ステージで演奏するにも練習するにも、ギターが重く感じない事は重要なポイントだ。太さや長さが数種類あるのでギター用かベース用か、よく調べてから購入するのがおすすめ。
HELLFORLEATHER ( ヘルフォーレザー ) / Real-JB
昨年、他界したジェフ・ベックが実際にオーダーメイドした逸品。
スタンダードな太さの丈夫な革製ストラップ。なんと言っても本人と同じ仕様!ちょっと頑張ればアマチュアでも手に届く値段。ファンならぜひ使ってもらいたいアイテム。
素材は程よく滑り、耐久性はかなり良い。革を2枚張り合わせており、厚みがあり、質感も値段相応だろう。
長さ調節が出来なくて不安かも知れないが、きちんとギターを弾くポジションに収まってくれる。ジェフは比較的小柄な体格であったため、平均的な日本人の身長にも長さは合うと思う。
MOODY STRAPS ( ムーディーストラップ ) / Leather&Leather2.5" Standard Black/Black
サウンドハウスのラインナップでは高級ブランドに位置するブランド。ビックネームや技巧派のスタジオ・ミュージシャンなども愛用しているようだ。
種類も豊富で、特に裏面の素材や色のこだわりに圧倒されてしまうが、選ぶ楽しみがある。オーソドックスな外見がお洒落なのだ。
私は表裏、ブラックを選んだ。第一印象として革が購入時からしなやかで馴染む。即ステージで使用可能であった。質感は肌のように自然でギターとの一体感が生まれる。これは言葉で表しても伝わりにくいのが残念。
使い心地は『安定』の一言。演奏に専念するのにこれ程安心感のあるストラップは皆無だろう。長さの調節も自在で万人向け。
価格は高いが、長く付き合える友として貴方のギターをサポートし続けるだろう。
MOODY STRAPS ( ムーディーストラップ ) / Leather&Leather4" Standard Black/Black
上で絶賛したモデルの、幅が広いタイプ。長年ギターを弾いてきたが、ここまで幅が広いストラップは極めて珍しい。
楽器の多様化に合わせて開発されたものなのだろうか?例えば多弦ベースやメイプル・ボディの重たいギターなど。さほど重いギターを持っていないが興味があったので購入してみた。
やはり心地良い。コンフォート・ストラップでは「浮いた」感じだったが、こちらは『馴染む』感覚。小さくMOODYのロゴが入った革の質感が高級感を醸し出している。
このブランドはとことんプロフェッショナルに徹しており、感心するばかりだ。

メインで使っている、サウンドハウスで購入したストラップ3本。
練習やスタジオ通いにはアーニーボール・シートベルト・ストラップを使い、LIVEではムーディの細いストラップを使用する。前者は軽く、後者は革製だけありずっしりとしている。太いストラップは今後ますます活躍しそう。
最後に「革のストラップのメインテナンス」について一言。
私は革の脂分が減ってきたら、ホームセンターなどで入手できる『革の達人』というオイルを少量染み込ませている。このオイルは優秀で、ロック・ギタリスト御用達SCHOTT RIDERS JACKETにも使用している。SCHOTTを着て23年経つが、革は馴染み、ミント・コンディションを保っている。
但し薄い色の革は変色するので注意が必要。必ず目立たない所で試してから使用してほしい。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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