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秒速でセッションを開始するための譜面作成マークダウン言語Fumen

2023-08-28

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音楽全般

テキスト(たんなる文字列)を書くだけできれいな譜面にしてくれるマークダウン言語「Fumen」をご存じでしょうか?

簡単な約束事を覚えて、テキストをささっと書くだけで楽譜が完成し、画面で表示したりPDFファイルにして印刷することができます。

作れるのはコード譜(マスターリズム譜)のみですが、テキストをメールやLINEでメンバーに配布すれば、全員が見やすい楽譜を共有できる点も大きなメリットです。

たとえばバンドやアンサンブルの練習時、メンバーが持ってきた譜面が「見にくすぎる……」となった場合、次のような使い方ができます。

「今日はこれやろうぜ」と渡された手書きの譜面が謎だった場合

バンドをやっていたり、イベントでアンサンブルしようぜという話になった時、メンバーが持ってきた譜面がよくわからないことがあります。

< 小節線がない謎譜面 >

なかにはネットの画面を印刷した、歌詞の上にコードネームが書いてあるだけの譜面を持ってくる人もいますよね。

せめて小節線がないと伴奏もままならないですし、どこで間奏が入りソロを回すのか不明です。

そんな時、スマホやタブレットがあれば一発で見やすい譜面を作れるマークダウン言語「Fumen」が大活躍します。

ざっくりいうと、次のようなテキストを記述するだけで、とても見やすい譜面になおしてくれるというものです。

■ コードの例
|G|G#dim|Am7|Cm|

このようなテキストを記述すると、次のように表示してくれます(モバイル表示の場合)。

筆者の知る限り、これより高速で入力でき、見やすい譜面にできるソフトウエアやアプリは存在しません。

手書きより高速ですし、なにより手書きよりずっと訂正がラクです。

拍子記号もちゃんとつけられますし、ヴォルタ記号(1カッコや2カッコ)を含めたさまざまなリピート記号も使えます。

テンションのついたコードもほぼ自由に記述でき、もちろんオンコードも書けます。

< 上記は|CM7|D#dim|EmM7|F#m7-5|GaugM7|Am7|B7|と入力した例 >

印刷に適した表示も、スマホやタブレットに適した表示もでき、演奏する人の環境が変わっても常に見やすいのもありがたいポイントです。

若干めんどくさくなるため筆者はほとんど使いませんが、次のルールにもとづいて記述すればリズム譜も書けます。

コードの後ろにコロンをつけて数字を入れると音価がつけられます。数字は「1」なら全音符、「2」なら二分音符、「4」なら四分音符です。ピリオドをつけることで付点も表記できます。

■ マークダウンの例
| (4/4) Bb:1 | Bbm7:2 Eb7:2 | Ab:2.~ :8. Abm7:16~ | :2 Db7sus:2 |
| Gb:1 | F#m:2 B:2 | E:1 | Em:2 A:4 r:4 |

このマークダウンを記述すると、下記の譜面を表示できます(PDFでダウンロードも可)。

けっこう機能豊富なのですが「使いこなせるかな?」という心配はほぼ不要です。高機能な割に、すごくわかりやすいからです。

気になる方は、作者のhb jpnさんが公開してくれているQiitaの記事を読んでみてください。マークダウンの種類と何ができるかが一覧できますが、すごくシンプルな記法です。

ブラウザでコード譜を書く : "fumen" の紹介(Qiita)

無料のFumenbookの利用が超おすすめ

Fumen自体はマークダウンベースのJavascriptライブラリなので「いきなり使え」といわれると敷居が高いのですが、作者さんがFumenbookという誰でも使える環境を用意してくれています。

Fumenbook

iOS版とAndroid版のアプリもあるので、全端末にインストールしておくと便利です。作ったスコアはクラウド上に保存され、どの端末にも同期されます。

PCで書いた譜面をスマホやタブレットで表示できるため、出がけにPCで入力しておき、出先でスマホに表示して演奏するといったことも可能です。

iOS版

Android版

パソコン版Fumenbookの簡単な使い方解説

パソコンをお持ちであれば「パソコンでささっと入力して、スマホやタブレットに転送して表示」といった使い方か「パソコンでささっと入力して、PDFで配布したり印刷」という使い方がメインになると思います。

そこで、パソコン版での使い方をざっくりと解説しておきます。

まず、無料アカウントを作ってログインすると「スコア」という画面になっているはずです。ここに作成済みのスコアが一覧表示されます。

画面の中央下の方にある、青丸にプラスのボタンを押すと、スコア編集画面になります。サンプルのスコアが入っているので、それを訂正するか、全削除してイチから書き直します。

書き方自体はhb jpnさんのQiitaを見ておけば簡単にわかるので、その他の使い方を紹介しておきます。

画面右下にあるキーボードのマークをクリックすると、スコア編集画面の下にボタンが表示されます。CodaやFineなどはこのボタンでも入力できます。

スマホでの見え方をチェックしたい場合は、画面右上のディスプレイマークをクリックし、出てきたメニューから「モバイル」または「モバイル5線あり」を選んでください。

譜面を入力し終わったら、画面上部右端の「×」をクリックします。「スコアが変更されました。保存しますか?」と聞かれるので「はい」をクリックしてください。

すると、最初の「スコア」画面に戻ります。PDFでのダウンロードは、この画面から行います。

画面上でPDFにしたいタイトルをクリックすると「スコアビュー」に切り替わるので、印刷したいフォーマットに変更してください。おすすめは「A4縦5線あり」です。

< A4縦5線あり >

印刷したいフォーマットで表示されたら、画面上右から3つめのダウンロードボタンを押します。ここで「Open As PDF」を選ぶとPDFで表示されます。

文字で書くとややこしそうですが、実際には簡単な手順です。慣れると手放せなくなるアプリなので、ぜひ一度お試しください。

iPadやAndroidのタブレットをお持ちの方は、サウンドハウスで買える「iPad・タブレットホルダー」を用意しておくと、さらに便利に使えます。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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立石 秀彦

高校時代に軽音楽部(ビッグバンド)でギターをはじめ、その後ウクレレに持ち替えました。最近は、アップライト合同会社で音楽教室(なみのおと音楽教室)の運営をしながら、ウクレレサイト「ゆるれれ(大人のウクレレ入門)」をちょっとずつ作っています。
ゆるレレ(大人のウクレレ入門) https://naminooto.net/ukulele/
なみのおと音楽教室 https://naminooto.net/

 
 
 
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