Greetings! 新米ライターのMarkです。
今回は趣向を変えまして…「法律」のお話です。
音楽を愛する者であれば著作権関連の法律は押さえているかと思います。
申告済とはいえ常に注意を払い、権利者の名誉と利益を既存しないよう背を正す。当然の義務です。
では…機材の「電波」についてはどうですか?気にしたことはありますか?
■ 電波法
日本には「電波を発する機器」の使用を制限する電波法という法律が存在します。
これは無線機器のみだりな使用によって公共の電波が混線したり妨げられたりするのを防ぐためのもので、無線機器の製造者は総務省に対し仕様を提出し認可を得る必要があります。
認可が得られた登録機器には技適マークの表示が義務付けられます。これを機器本体または説明書などに表示して初めて「日本国内で合法的に使用できる無線機器」になります。
通販がグローバル化した現在、日本国内のECサイトでは様々な無線機器が購入できますが、その中には技適を取得していない直輸入品や偽造マークを表示した製品が多く存在します。ホントに、たっくさん。
知らず知らずのうちに購入してしまったというケースは日々増え続けています。
なぜそんなことになっているかというと、技適のない機器を売ることには罰則がないんです。使用者にはあるのに。
このアンバランスな法構造が違法機器の流通、そして無自覚な違反者を大量に生んでいるわけです。
また、電波法違反の検挙率の低さ、報道の少なさから「技適は知ってるけどまあバレないだろう」という自覚ある違反者を生んでいる実情もあります。
■ 違反機器の回避方法
では技適マークのない違反機器を買わないようにするにはどうすればいいか?
ずばり国内正規代理店を通して販売されている商品を購入すればいいんです。
きちんとした代理店の場合、日本国内で合法的に流通できるように技適マークの取得と添付を行っています。
みなさんが今ご覧になっているサウンドハウスも同じ。電波を扱わない製品は直輸入で販売していても、電波機器は正規代理店を通したものを入荷しています。こういう確固たる姿勢の販売店を利用すれば違反機器をつかまされてしまうことはまずないでしょう。
■ 技適マークの例
ここで実際の技適マークを見てみましょう。

こちらはBOSS WL-2のトランスミッター。郵便マークのようなものが技適マークでその隣にある数字が認証番号です。
お次はAnkerのBluetoothイヤホン。

充電ケースの底部にマークと認証番号が印刷されています。
このように基本は無線機器本体もしくはそれとセットになっている機器のどこかに印刷・添付されています。
例外として本体に印刷・添付するスペースが無い製品などは取扱説明書や別添用紙、パッケージに表示されていることもあります。
本体と付属品のどちらにも技適マークが見当たらない場合は未認証機器の可能性が高いです。そのまま使用すると電波法に抵触してしまうので先にメーカーや販売者に問い合わせましょう。
ちなみに認証番号が本物かフェイクかの判断は総務省のサイトから確認できます。
ここに番号を入れて照会できれば本物、番号も事業者名もひっかからない時はフェイクの可能性があります。
なお認証番号がなく技適マークのみ印刷されている製品もアウトです(技適マークと認証番号は併せて示さなければならないため)
あたかも認証を受けている製品かのように見せかけたい場合によく使われる手法なので注意しましょう。
■ 技適認証を受けていないことが多い製品
私たち音楽好きと密接な関係にある製品の中で特に未認証のものが多いジャンルを挙げると…
- ワイヤレスイヤホン
- ワイヤレスヘッドホン
- ギター用ワイヤレスシステム
- Bluetooth機能付きオーディオスピーカー
- Bluetooth機能付きギターアンプ
- Bluetooth機能付きマルチエフェクター
- イヤーモニター
- インカム
こんな感じになります。安さ、利便性、機能性の高さからクチコミで評判が広まった製品が実は未認証だった…という例は決して珍しくありません。
認証済みかどうかわからない製品を買う場合は予め問い合わせするのが無難です。きちんとした販売者であれば明確な回答がもらえるはずです。
■ 法律違反以外のデメリット
前述のとおり電波法違反による検挙は多くありませんが、だからといって開き直ったり無頓着なままではいけません。
法治国家の国民たるもの遵法意識を持つべきですし、そういう機材を使っていると他者から「リテラシーの低い人だ」という評価を受けることになります。社会人として致命的な評価。音楽のプロやレビュアー、インフルエンサーを目指す上で大きな障害です。
もしあなたが音楽関係で活動していくつもりなら、彼らと同じ轍を踏まないよう注意を払うことを忘れないで下さい。
踏むのはペダルだけで十分。法律を守ってクリーンな活動を心掛けましょう!