Greetings! 新米ライターのMarkです。
今日はBOSSのデジタルアンプ「刀 - KATANA - 」シリーズについてお話します。
なんで今さらKATANAなのかって?
今さらだなんてとんでもない。KATANAは「今もなお」注目する価値のあるアンプなんです。
■ KATANAアンプとは
KATANAはエフェクターでおなじみのBOSSがリリースしているデジタルアンプのシリーズです。
↓電池駆動の「KATANA-MINI」
BOSS ( ボス ) / KATANA-MINI ギターアンプ
↓ワイヤレス標準搭載の「KATANA-AIR」
BOSS ( ボス ) / KATANA-AIR ワイヤレスギターアンプ
↓驚異的な空間表現をもつヘッドホン型の「WAZA-AIR」
BOSS ( ボス ) / WAZA-AIR ワイヤレス・ヘッドホンギターアンプ
↓コンボアンプの「KATANA-50 MkII・100 MkII・100/212 MkII」
BOSS ( ボス ) / KATANA-50 MkII ギターコンボアンプ
↓唯一のアンプヘッド「KATANA-HEAD MkII」
BOSS ( ボス ) / KATANA-HEAD MkII
↓そして高機能版コンボアンプの「KATANA-Artist MkII」
BOSS ( ボス ) / KATANA-Artist MkII
気がつけばすっかり大家族になってますね。
この中でメインストリームにあたるのが50W以上のコンボアンプとアンプヘッド。機能的にも出力的にも家庭・現場を問わず活躍させられる実力を持っています。
本記事で触れるのはこれらメイン系の中でも汎用性の高いKATANA-HEAD MkIIです。

基本的にはコンボアンプと同じ機能を持っているのですが、一部独自機能があるのでそれを含めつつ話を進めていきますね。
■ 海外での人気
本題に入る前に海外におけるKATANAの評価について触れておきましょう。
ぶっちゃけかなり高いです。
試しにYouTubeでKATANAシリーズについて検索してみてください。海外勢の動画がわんさか出てきます。国内のプロ・アマの動画もあるにはあるのですが、海外勢と比べると動画数も再生数も雲泥の差。
スポンサーつきのプロモ動画もあればKATANAにどっぷり浸かってしまい、MkII発売から3年ほど経った今でもKATANAの魅力を語り続けている人もいます。
海外の方が住宅情的に大出力アンプを買いやすいとはいえ、こうも差がついているのは驚くばかり。
新型が出るたびに旧型は忘れられていくことが多い「デジタルアンプ」というジャンルにも関わらず熱心なファンを獲得できているあたり、KATANAが秘めている魅力は本物なのでしょう。
かくいう私もKATANAファンのひとり。基本機能は公式サイトですぐに見られるので、以降は愛用者目線で注目してほしいポイントに絞って紹介していきたいと思います。
■ 「使える」エフェクトが豊富
デジタル機材の魅力といえば内蔵エフェクトの数々。とても使い切れないくらいたくさん搭載されているのが当たり前になっていますが、「実用性」のあるエフェクトを探してみると意外と少なかったりします。
スムースな歪みが売りのペダルのモデリングなのにファジーなサウンドになっていたり…
スプリングリバーブなのに「ピャッピャッ」と鳴らせなかったり…
「これホントに効いてる?」ってくらい微妙にしか変わらないエキサイターだったり…
何百種類もあるのに実際に使っているのは数個という人も結構いると思います。
KATANAはそのあたりとてもうまくやっています。各アンプモデルのキャラ分けは明確にできていますし、リッチとはまではいかないものの特徴をしっかり押さえた上質なエフェクトが揃っている。
加えて一部エフェクトはBOSS自身の名機をモデリングしているんです。
BD-2、OD-1、DC-30(!)、GE-10…などなど。最新のアップデートではML-2等が追加されました。
エフェクト総数で言えば他メーカーに負けることもありますが、「使える」エフェクトの数という意味ではKATANAはかなり良い線を行っています。ぜひYouTubeで各プレイヤーの演奏を聴いてみて下さい。2019年発売のデジタルアンプとは思えないサウンドを出している人もいますよ。
■ USBインターフェース機能
KATANA-HEAD MkIIにはUSB端子がありオーディオインターフェースとしても機能します。
特筆すべきはコンピューターと送受信する信号の位置を指定できるという点。
DAWやスタンドアロンのシミュレーター上で入出力を指定する際、KATANAのASIOを開くと「プライマリー」と「セカンダリー」という項目が出てきます。
プライマリーは「プリアンプ~各種エフェクト」と「パワーアンプ」の間を意味します。

ボス株式会社KATANA-HEAD MkII 取扱説明書11ページより引用
https://www.boss.info/jp/
プライマリーをINに指定した場合、KATANAサウンド(キャビシミュ含む)をそっくりそのままDAWへ送ることが出来ます。プラグインのアンシミュを使わないor持っていない人に最適な使い方です。
同じくOUTに指定した場合、DAW上で鳴っている音がなんの加工もされずに出ていきます。「パワーアンプ前」だから当然ですね。 続いてセカンダリー。セカンダリーは「インプット直後」を入出力とする設定です。
セカンダリーをINに指定した場合、DAWには素のギター音が入っていきます。単にHi-Z入力として機能するような感じですね。DAW上でアンシミュを使う人はここをINにします。

ボス株式会社KATANA-HEAD MkII 取扱説明書11ページより引用
https://www.boss.info/jp/
同じくOUTに指定した場合、DAWから出た音がKATANAのプリアンプ以降を通っていくのでプレーンなモニタリングは出来ません。
こう書くとセカンダリーOUTは使いみちがないように聞こえるかもしれませんが、たとえば「スタンドアロンのペダルプラグイン」の音をKATANAに通したい場合などはセカンダリーOUTが活きます。
ギターIN → Nembrini AudioのBlack Distortion → KATANAのプリアンプ
みたいな感じですね。
このインアウト位置を選べる仕様は宅録やプラグイン遊びをする人にとって非常に利便性が高いです。この機能を知っただけで購入を検討する人もいるんじゃないかなと思います。
■ パワーアンプ機能
KATANA-HEAD MkIIには「POWER AMP IN」という端子があります。これはKATANAを「ただのパワーアンプとして使う」として使うための端子です。
ZOOMのGシリーズに入っているアンプヘッドの音を流し込んだりAmplitubeのメーカー公式モデリングのヘッドを流し込んだりできる。
KATANAがKEMPERのPOWER KABINET的なアイテムになるということです。これめっちゃ便利です。
私はモバイル版のAmplitubeやBIAS FX2を多用するのでそれらの音を100wで出力できるというのはとっても大きな魅力。もちろん普通に外部アプリを繋いでも楽しいです。
■ KATANAシリーズは今でも買い!
以上、簡単でしたがKATANAシリーズの解説でした。
KATANAは「マルチエフェクターをアンプにしただけのやつ」でもなければ「時代遅れの旧式アンプ」でもありません。
今なお、そしてここから先も購入選択肢に入れられる魅力を秘めた素晴らしいプロダクトなんです。
気になった人はぜひYouTubeめぐりをしてみて下さい。一通り見終わるころにはだいぶ欲しくなってるんじゃないかなと思います(笑)
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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