こんにちは。吹奏楽系ベーシスト、Cheenaです。はじめてのブログ投稿になります。
PLAYTECH ( プレイテック ) / JB420 SONIC BLUE
今回は、Playtech JB420 Sonic Blueの改造。もちろん新品です。サウンドハウスで1万円出せば買えるこのベース、普通のジャズベース・タイプとして使ってもいいのですが、普通ではツマらない!改造してまおう!ということで、やってしまいました。
とりあえずそのままで使ってみると、割と良い音がします。塗装も綺麗で、見た目的には問題なし。しかし、少々フレット周辺の処理が甘いかな?という感じがしました。ウエスとレモンオイルで指板を拭くと引っかかります。
そしてもう一つ、拭いているうちに布が真っ黒になりました。指板が塗装されているのかな?ローズウッドをエボナイズ(エボニーのような高級な濃い色に近づけるために塗装すること)しているみたいです。
というわけで…
数多のベーシストを魅了する甘いサウンドを放つ、フレットレス加工をしてみましょう。フレットがなくなれば、当然引っかかりも無くなりますし、加工の過程で指板の表面を研ぐことになるのでローズ本来の色も出てきます。フレットを抜くのに必要な工具は「喰い切り」というものが有名ですが、
HOSCO ( ホスコ ) / TL-FC190
じつはニッパーでも代用可能。
PICKBOY ( ピックボーイ ) / SC150
要するに、フレットと指板の間に刃が滑り込み、引き上げられる形をしていればいいのです。筆者はワイヤーを切ったりして刃が少々こぼれてきたマイクロニッパーを使っています。
指板をマスキングしてから、全てのフレットを抜いていきましょう。フレットは指板に食い込むために突起をつけた作りをしていて、マスキングせずにフレットを抜くと指板が割れてしまいます。
すべてのフレットを抜き終わったら、フレット溝の端を埋めるために付けてあるパテを取ります。ちっこい木工鋸かフレットソーで削っていきましょう。
ここで一旦指板を研ぎます。のちの工程に必要な指板の木粉を得るためです。
HOSCO ( ホスコ ) / TWSB-3
このようなサンディングブロックを使います。指板Rは個人の好みで調整しましょう。私はフラットな指板が好きなので3Dプリンターで1000Rのブロックを作ってしまいました。この工程で指板の染色を落とします。
粗目の紙やすりでガンガンこすり、黒から茶色に近くなってきたら細目の紙やすりに変更してある程度木地を作ります。まだ完全でなくても大丈夫。この工程の最も重要な目的は染色を落とすことと、木粉を得ることです。また、フレット溝に詰まった木粉はきっちり回収しましょう。接着剤に混ぜて使いますし、粉が残ると溝を埋めるときにしっかり接着できなくなります。
接着剤は、フランクリン社のタイトボンドに木粉を混ぜて作ります。少し水で伸ばした方が使いやすいかな。混ぜると黒に近くなります。
接着剤ができたら、指板の溝を埋めるための木材やプラ板を固定していきます。メイプルの板を使うと白くポジションマークが見やすい指板に、ローズやエボニーを使うと黒い落ち着いた雰囲気の指板になります。すべて入れ終わったら、完全に硬化させます。24時間ぐらい待った方がいいです。
硬化が終わったら、飛び出た板やあふれた接着剤を削り落とします。硬化したタイトボンドは通常の木工用ボンドに比べて非常に硬く、紙やすりで削れるようになっています。ちなみに普通のボンドを使うと長時間硬化させたのちも柔らかく、紙やすりは目詰まりを起こして使い物にならなくなります。無理やりやすると火傷します。筆者のように…
すべて削り落としたら、もう一度サンディングブロックでRを付けます。指板が波打ってしまうとビビりや音詰まりの原因になりますから、慎重に丁寧にやりましょう。これでフレット関係は大体終わりです。塗装指板にするならマスキングテープをぐるっと貼ってエポキシをかけ流し、無塗装で終わらせるなら終了です。
フレットを抜いた指板はそのまま弾くと弦高が異常に高く感じられるはずです。ナットの底を削り、ブリッジの弦高も調整して弾いてみて、ビビりや音詰まりのある部分はすり合わせます。
これでフレットレス改造は完了!改造元にする楽器は新品でなくても、3000円ぐらいの中古でも素材にできます。フレットレスを新品で買うと高い、リペアショップに頼むと数万円する、と思っている方も自分でやれば5000円掛けず、休みの日に作り上げることができます。これを機に、楽器DIY沼にはまってみるのはいかがでしょう?