Providenceのすゝめ
近年、多くのお客様から『楽器用のケーブル(シールド)のおすすめを教えてほしい!』というお問い合わせをたくさんいただいております。
定番で人気なケーブル、例えば昔から定番なCANARE、コスパ重視のCLASSIC PRO、ハイエンド代表OYAIDEなどなど、お客様のニーズに沿って様々なケーブルをご案内してきました。
そんな中、担当からよくオススメしているケーブルの中に Providence のケーブルがあります。
今回はなぜケーブル担当がProvidenceを推しているのか、シリーズごとにどのような特徴があるのか ドンっ と紹介させてください。すべての弾き比べはできませんでしたが、メーカーの説明も踏まえてご紹介します!
このブログを読めば次に買うべきケーブルが決まるはずです!
※「他ブランドを推していない」なんてことは全くありません。あくまで今回はProvidenceの紹介です。あしからず。

目次
- Providenceとは ~なぜオススメなのか~
- シリーズごとの特徴
- ① LE501
- - 高音質でローノイズ、ライン撮りにも◎
- ② S101 “Studiowizard”
- - スーパーワイドレンジ&クリア
- ③ Z102 “Livewizard”
- - 粒立ちの良さ&ワイドレンジ
- ④ F201 “Fatman”
- - Mid-Lowを中心に中低音を強調
- ⑤ B202 “Bottomfreq’er”
- - 4~6弦ベースやダウンチューニングに
- ⑥ E205 “59ers”
- - Mid-Hiを中心に中音域を強調
- ⑦ H207 “Heartbreaker”
- - フラットでナチュラルなサウンド
- 今回の紹介を終えて
1. Providenceとは
「日本の熟練職人が一本一本手作りするプラグとケーブル、そしてアッセンブル。それがプロビデンスケーブルです。」
ProvidenceのHP、ケーブルのページに掲載されている文を引用させていただきました。
「絶対にいい音がするじゃないか感」がしますね。この後ちゃんと紹介させていただきますが、その感覚、正しいです。
※『Providenceのすばらしさはもう知っている。はやくケーブルの紹介しろ!』といった方々!どうぞもっと下までスクロールを!

Providenceは「質がよい」
ここでいう「質がよい」について、音はもちろんですが、「ケーブルの造り」に焦点を当てていただきたい。プラグ部を外してみればわかりますが、結線部がとても丁寧に処理されています。このようなきれいな処理は、本当にクオリティが高いなと感心します。

圧倒的な「信頼性」
国内のミュージシャン、ギター/ベースプレイヤーで「Providenceを知らない」なんて方はいないと思います。サウンドや耐久性はもちろんのこと、1に挙げた「質がよい」という点から多くのミュージシャンが使用しており、あなたの周りにも『Providenceのケーブル使っているよ』という方、多いのでは?
そういえばProvidenceケーブルの悪評って、これまでの人生で私はほとんど聞いたことがないですね。というより、ないです。
そして、Providenceといえばこの方。この動画、一度は見た方がいいです。
「進化」し続けている
実は2023年にケーブルがリニューアルしています。材や製造工程の一部見直しを行い、さらなる進化をしているようです。
『2023年、Providenceケーブルはリニューアルしました※。リニューアルにあたり、使用する原材料と職人技の連続とも言える製造工程を再検証し、その一部の見直しを行いました。様々な音楽スタイルに対応する全てのモデルは、従来のモデルよりさらに抜けがよく、アンサンブルの中でも埋もれないクリアなサウンドを伝達します。Providenceのテーマである「その時代が求めるサウンドに対応」し、音楽環境の変化が激しい現代のプレイヤーたちの求めに応えるシールドケーブルです。」※一部モデルは除きます。』
すでにProvidenceのケーブルを試したくなっている方がたくさんいると思います。
熱が入ってしまい長々と説明すみません。お待たせしました。シリーズごとの特徴です。
2. シリーズごとの特徴
それでは各シリーズの特徴をご紹介!
ちなみに、ギター用だからベースには使えない、何てことはありません!求めているサウンドに適していそうなケーブルを探してみてください!長くなってしまうので、ケーブルの大まかな説明と、こんな方にオススメ!という2点に分けてご紹介します!詳細はメーカーページを覗いてみてください!
まずは、メーカーが提示している下記グラフを参考にしてください。なんとなくイメージを掴めると思います。
※LE501は含まれません。

① LE501 高音質でローノイズ、ライン撮りにも◎
PROVIDENCE ( プロヴィデンス ) / LE501
特徴と感想
いわゆるProvidenceのコストパフォーマンスモデルです。後に紹介するケーブルより圧倒的に安いものの、性能は価格を大きく上回っている高音質なケーブルです。ケーブル径は6.5mmと一般的な太さで取り回しがよく、プラグにはProvidence純正プラグ、ケーブルには[NVW2 OFCコンダクター]を採用。メーカー曰く、ノイズにも強くLIVEはもちろん、宅録や配信にもオススメとのこと!ギターセットのケーブルではなく、初めてギターケーブル単体を購入する初心者~中級者の方々に特におすすめしたいモデルです!
こんなシチュエーションにもオススメ!
- LIVE、音楽制作用のLINEケーブルに。
- 練習用の手軽なケーブルが欲しい。
- 初めてのケーブル選びに。
② S101 “Studiowizard”スーパーワイドレンジ&クリア
特徴と感想
スーパーワイドレンジとある通り、低音から超高音までクリアに再生されます。「ギターでのおいしいポイントはここだから、ここをブースト/カット!」ということではなく、原音を損なわず、ギター、エフェクター本来の音を忠実に再生してくれるケーブルだと感じました。ケーブルを長く引き回す際にもオススメのようです!
こんなシチュエーションにもオススメ!
- スタジオでの録音
- 野外ライブ/大型ライブハウスなど
- エフェクターの多用時
③ Z102 “Livewizard”粒立ちの良さ&ワイドレンジ
特徴と感想
こちらもワイドレンジとある通り、低音から高音までバランスがよいサウンドです。S101よりも少しタイトな低音に感じました。Z102も原音を損なわずクリアです。メーカーページでは真空管アンプと歪みエフェクターにも相性が良いとのこと。実際にストラトをRATにつないでみましたが、粒が潰れすぎず、ズンズンと心地のいいディストーションサウンドになった気がします。他の歪エフェクターやピックアップも相性を試す価値ありますね。高音域の再生能力が高いからか重心は少し高くなったように感じました。その分抜けが良くなったようにも思います。個人的には一番好きなケーブルでした。
こんなシチュエーションにもオススメ!
- スタジオでの録音
- ライブハウス
- リードギタリスト、マーシャル愛好家
④ F201 “Fatman”Mid-Lowを中心に中低音を強調
特徴と感想
Low~Midにかけて音色補正(カバー)のあるケーブルです。初めてこのケーブルを使用してみましたが、「自分のギターってこんなに太い音でるの?」と思うほどでした。一個前にZ102を使用したからかもしれません。アンプやエフェクターで変にLowやMidをブーストさせてしまうと、音が飽和した(?)、こもったサウンドになりがちですが、当ケーブルを使用することで、ギター本体が持つ低音域を劣化させず、「広がらず、まとまったサウンド」を奏でます。高音域を多少カットしているような印象も受けますが、抜けはよいです。 メーカーページにて説明がありますが、「FATなサウンドで定評のプロビデンスのフラッグシップモデル」です。スムーズな弾き心地に加え、中音域の鳴りがグレードアップします。
こんなシチュエーションにもオススメ!
- スタジオでの録音
- ライブハウス
- リードギタリスト、マーシャル愛好家
⑤ B202 “Bottomfreq’er”4~6弦ベースやダウンチューニングに
特徴と感想
こちらもF201に続き、Low~Midにかけて特徴的なケーブル。F201との相違点は、B202はベース専用ケーブルであること。中低音に補正と聞くとやはりブーミーになるイメージがありますが、こちらもF201同様問題ありません。ソリッドな低音にタイトなローミッドが心地いいサウンドです。さらにギターケーブルのおいしいMid帯域とはかぶらない音補正がされており、アンサンブル内でベーシストにとっても、ギタリストにとっても、抜けの良い音を導く最適解になっているように思います。「ベーシストはB202、ギタリストはそれ以外の好みのProvidence」と言われる時代も近いかもしれません。
こんなシチュエーションにもオススメ!
- ベーシストの全てのシチュエーション
- アコギ奏者
⑥ E205 “59ers”Mid-Hiを中心に中音域を強調
特徴と感想
ビンテージギターフリークの皆さんお待たせいたしました。E205はギターの枯れ感やビンテージギター特有の甘いトーンを最大限引き出すケーブルです。前述は抽象的ですが、このケーブルはHi-Midを自然に強調するケーブルで、ピッキングニュアンスや立ち上がりに焦点を置いているとのこと。
ギターの出音や性能をストレートに引き出すことで、Lowを際立たせたモデルとは違い、弾き手の技術が試される高品位なケーブルともいえます。ジャズやネオソウルなど繊細なジャンルで特に真価を発揮しそうです。これまでのモデルよりもより玄人向けのケーブルなイメージです。
こんなシチュエーションにもオススメ!
- スタジオやライブハウス
- ビンテージギター愛好家
- ジャズ / ブルース / ネオソウル
⑦ H207 “Heartbreaker”フラットでナチュラルなサウンド
特徴と感想
H207、このケーブルは皆さんご存じ、Providenceが誇る最高峰の紫パッチケーブル「P203」を『ほぼそのまま』、長くしたケーブルです。P203はH207と基本的に素材も構造も同じもので、もし、P203をすでにご使用されている方がいれば、H207を使用することで、ボード内外の統一性や、プレイヤーご自身でサウンドイメージの把握がしやすいかと思います。メーカー紹介で「余計な色付けをすることなく信号を伝達し、クセがなくオールラウンドなスタイルの音楽に対応するケーブルです。」とある通り、フラットな音特性をもち、P203よりも多少低音が出るようにアレンジされているとのこと。
さて前述の記載を『ほぼそのまま』としたのは、実際にはケーブルシースのカラー(黒・紫)が異なるためで、当メーカーに関わる有識者の方からいただいた情報だと、ケーブルカラーの違いにより「電気的特性が音にも影響する?!」なんて話もいただいております…。ケーブル担当として、ものすごく興味深い話ですが、この話はまたの機会にぜひ紹介させてください!!!
知らない方のためにP203とはこんなパッチケーブルです。サウンドハウスでもご購入いただけます!
こんなシチュエーションにもオススメ!
- スタジオやライブハウス
- DTM / DAW
- P203を使用しているプレイヤー
3. 今回の紹介を終えて
最近はOYAIDEやSommerなどのハイエンドケーブルがYouTubeでもかなり注目を集めている中、私もその流行りに乗っていました。もちろんそれらのケーブルも最高ではありますが、改めて私が初めて買ったケーブルでもあるProvidenceを弾いてみて、プレイヤーに沿った多くのバリエーションや、ギター/ベース用ケーブルとしての、その完成度の高さに脱帽しました。
今回はProvidenceの特徴を実際に弾いた感想やメーカー紹介を交えて紹介できてよかったと思っています。皆様も気になるケーブルをぜひ手に取っていただければと思います。
楽器とアンプを繋ぐだけの役割ですが、「音を、極める。」という点において、最も重要な要素の1つであることに変わりありません。あなたのギターサウンドを解き放ち、ステージを彩る「Providenceケーブル」に幸あれ。