Laneyより新商品として2機種のペダル型アンプが入荷いたしました。

上記写真の右から BCCLOUDPEDAL-LTQ 、BCCLOUDPEDAL-IMM です。
それぞれLaneyの人気のペダル型プリアンプLOUDPEDALのTom QuayleモデルとMartin Millerモデルになっております。
どちらもセッションギタリストの界隈ではその実力と名前を世に知られている二人ですが、彼らのこだわりが詰め込まれたペダル型アンプとなっています。
今回はこの二つのペダルを筆者が直接使用し、レビューを行っていきます。
まずは両モデルの違いを述べる前に、両モデルに共通した部分から語っていきます。

こちらはペダルの裏面を撮影したものです。
DI OUTとしてXLR端子が備わっており、DIへの接続やミキサーへの直接の接続に使用できます。また、オーディオインターフェースでのライン録音時にも便利にお使いいただけます。

こちらはアウトプット側の側面を撮影したものです。キャビネットに接続する際は、LOUDSPEAKER端子にスピーカーケーブルを使用します。出力は60W@8Ωですので、スタジオやライブハウスにあるMARSHALLの1960などのキャビネットでも問題なく使用できます。
また、FX LOOP端子を使ってエフェクターのセンドリターンが可能です。SEND端子のみを利用すれば、パワーアンプの前段階の信号を送ることができ、ジャズコなどのギターアンプのインプットに直接接続することも可能です。
上記をまとめると、このLOUDPEDALの使用法としては3通りあることになります。
- キャビネットやパッシブスピーカーに繋ぐ
- ギターアンプやアクティブスピーカーに繋ぐ
- ミキサーやオーディオインターフェースに繋ぐ
どんな環境においてもこのLOUDPEDALで作った音を再現することができるため、セッションミュージシャンにはありがたい機材です。

さて、次はプリアンプ部分を見ていきましょう。2チャンネル仕様ですが、どちらのチャンネルも同じプリアンプが搭載されています。つまり、CH1とCH2のVOLUMEとGAINを同じ設定にすれば、同じ音色が得られるということです。一般的にはクリーンとオーバードライブに分かれることが多いですが、このLOUDPEDALは前述の仕様により、どちらのチャンネルもクリーンでカッティングとソロを使い分けたり、あるいはどちらも歪ませてクランチとハイゲインを使い分けたりすることが可能です。
さらに、どちらのチャンネルもブライト、フラット、ダークモードを個別に設定できるため、音色の幅が非常に広がります。ブースト機能で音量を上げることもでき、セッションミュージシャンが求める機能がしっかりと備わっています。
さて、次に両アンプの音色についてです。
こちらは各ペダルの差が出るところになりますので、一つずつ述べていきます。
まずはTom QuayleモデルのBCCLOUDPEDAL-LTQからです。
Tom Quayleは世界でも有数のジャズ・フュージョンプレイヤーで、超絶レガートやハイブリッドピッキングなどをはじめとしたテクニックで数々のギタリストを魅了しています。
そんな彼のモデルは非常に歪みの幅が広く設定されております。ゲインを絞れば完全なクリーントーンになるため、ブライトモードで使えばカッティング、ダークモードで使えばジャジーなソロ用のトーンになります。歪みも軽いクランチ気味の歪みからハイゲインな歪みまで幅は非常に広いです。まさにスタジオミュージシャンが現場で幅広く音作りをするためのペダルとしては最適なモデルになっております。
一方でMartin MillerモデルのBCCLOUDPEDAL-IMMも見てみましょう。
Martin Millerもその卓越したテクニックで魅了する若手ギタリストです。ギターだけでなく歌を歌わせても一流!かの有名なポール・ギルバートと共演した「Superstition」は必聴です!
そんな彼のモデルは先のTom Quayleのものと比べると歪みの幅は狭くなっています。GAINを絞っても若干歪むような自然なアンプの歪みが作られるようなものとなっております。ファンク系のクリーン・カッティングの音を作るのにはちょっと工夫が必要そうですが、若干歪んだクリーンでのアルペジオなどは、上記のサンプルの動画にもあるようにこういったアンプでしか得られない味わいです。ブルージーな音色が好きな人におすすめです。
また、どちらのアンプもUSBを介してPCに接続することで、キャビネットのIRをダウンロードできます。初期設定では、それぞれのギタリスト本人のキャビネットから取得したカスタムIRキャプチャがプリロードされていますが、自分でカスタムすることによって、さらに音色の幅を広げることが可能です。
いかがでしょうか。
持ち運びに便利なペダル型アンプは、あらゆる場所で演奏するギタリストにとって、その他の機能も相まって、持っていて損はないアイテムです。ぜひ一台、お手元に置いてその真価を確かめてみてくださいね!