Greetings! サウンドハウスライターのMarkです。
今回は現在(2024年8月時点)、超特価セール中のエレキベース用プリアンプDI「Laney DB-PRE」をご紹介します。
コンパクトな機材を求めて出会ったこのペダル、実はと~~っても優等生なヤツなんです。
Laney DIGBETH DB-PRE
Laney ( レイニー ) / DB-PRE ベース用プリアンプ
DB-PREは英Laney(レイニー)社が展開している「DIGBETHシリーズ」としてリリースされたエレキベース用プリアンプ・DIです。
ベースアンプのプリアンプセクションと同じ感覚で音作りできる「プリアンプ系ペダル」
エレキベースのハイ・インピーダンス信号をローインピーダンスに変換し、適切な形でミキサーへ送る「ダイレクトボックス(DI)」
これらの機能をひとまとめにした機材は「プリアンプDI」「DIプリアンプ」などと呼ばれ、現代ベーシストから大きな支持を得ています。
DB-PREもそのひとつ。2021年発売なのでまあまあ新顔なモデルですね。
ちなみに回路はフル・アナログです。レイテンシーよ、さらば。
DB-PREが優等生なワケ
入出力の多さ
DB-PREはこの価格帯としては珍しいほど多彩な入出力を持っています。一覧にするとこんな感じ。
- アクティブベース用インプット
- パッシブベース用インプット
- 3.5mmAUXインプット(音楽プレーヤーなどの音を入れる)
- LINKアウトプット(プリアンプを通さない素の音を出力)
- センドリターン(プリアンプと出力段の間にエフェクターを入れることができる)
- 3.5mmヘッドホンアウト(自宅練習に最適)
- メインアウトプット(ベースアンプに接続する出力)
- XLR端子DIアウトプット(ミキサー等に接続する出力)
ね、すごいでしょ。
「自宅練習」「レコーディング」「ライブ」どのシーンにも対応できる、まさにオールインワン・リグなのです。
DI出力信号の種類を選べる
DI出力は「PRE」と「POST」の2モード選択式になっています。
LINK出力と同じくベースの素の音をミキサーに入れる場合は「PRE」を選び、プリアンプで味付けした音を入れる場合は「POST」を選びます。
レコーディング、ライブの形態に合わせてフレキシブルなルーティングが可能というわけです。
練習ツール適性が高い
前述の通りDB-PREには「AUX入力」と「ヘッドホン出力」が搭載されています。
好きな曲やバッキングトラック、メトロノームなどの音をヘッドホンで聞きながら練習できる。自宅、楽屋で非常に役立つ機能です。
端子が3.5mmなのも嬉しいポイント。一般向けのヘッドホンは標準フォーン端子ではないことが多いですからね。
スイッチの機能を切り替えられる
本体左側にある「BYPASS/MUTE」スイッチは好みに合わせて機能を切り替えられます。
歪みエフェクターのようにプリアンプ機能だけをオンオフしたい場合は「BYPASS」
チューナーやボリュームペダルのように音をカット(消音)したい場合は「MUTE」
ペダルチューナーを使わない人にとってMUTEはとても助かる機能かと思います。
歪みチャンネル搭載
DB-PREはノーマルチャンネルにあたる「FET」と歪みチャンネルにあたる「TUBE」の2チャンネル式。
TUBEはその名の通り真空管サウンドを再現したチャンネル(本物の真空管が入っているわけではありません)
DRIVEツマミを回すだけで薄いサチュレーションの追加から艶のあるオーバードライブ、ファジーな激歪みまで自由自在。
各チャンネルはTUBE/FETフットスイッチで切り替えられるほか、MIXスイッチをオンにして両方の音を混ぜて出力することも可能です。これがめっちゃありがたい!
クリーン(ほぼドライ)を混ぜることによって歪んだ音を単体で鳴らすよりも輪郭がぼやけにくくなり、さらに他の楽器にも埋もれにくくなるんです。コンプレッサーやディレイといったエフェクターでも重宝される機能ですね。
バイパス音がきれい
DB-PREはバッファードバイパスのペダルですがバッファによる音色変化が非常に小さいです。
これは海外フォーラムでも話題になっている点で「素の音とほぼ同じ」という計測結果も示されています。永くアンプを作り続けてきたレイニーの技術がしっかりと活かされていますね。
音作りの幅が広い
DB-PREにはレイニー独自機能である「TILT」ノブが搭載されています。
これはレイニー自ら「シーソーのように」動作すると説明している動的なEQ。
センターから右に回すと低域が削られながら高域が増え、左に回すと高域が削られながら低域が増えます。
高低どちらかにのみ影響するフィルターよりも激的な変化をもたらすためTILTを回すだけでサウンドキャラクターをガラリと変えられます。
さらにメインEQはミッドの効きを変えられる4ノブ方式。グライコを追加しなくてもDB-PRE単体でかなり「イイトコ」を目指せます。
ちなみにDRIVE、各VOLUME以外のノブは全てセンタークリック付き。パラメータをリセットしてイチから音作りし直す際にとても便利です。
音作り・運用の例
最後に私がやっている音作り方法と運用例をご紹介します。
まず全てのEQをセンターにセットし、TILTとVOLUMEだけを動かして音作りを始めます。
TILTによっておおまかなサウンドキャラクターが決まったら4つのEQノブと切り替えスイッチを使って微調整。TILTだけでは描写できない部分を補います。
この手順で音作りするとメインEQから始めるよりも手数が少なく済み、EQ迷子にもなりにくいんです。
続いて運用例。
メインサウンド出力はDIアウトプット(POST)を使用。オーディオインターフェースまたはミキサーへ接続します。
サブサウンド出力にはLINKアウトプットを使用。こちらもオーディオインターフェースまたはミキサーへ接続します。LINKはドライスルー音なので後から加工したりアンプシミュレーター用トラックとして利用するのに最適です。
センドリターンにはコンプレッサーを噛ませます。音の粒を少しだけ整えるために入れているのでベースから出た音ではなくプリ部で加工された後の音に掛けた方が狙い通りの効果を得られると考えています。
残るモノラルアウトプットはチューナーへ接続します。チューナーアウト代わりですね。私はペダルチューナーよりも卓上チューナーやラックチューナーが好きなのでDB-PREのようにチューナー用の経路が確保できる機材はとても助かります。
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