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【DIY】防音室作ってみた 後編

2023-01-25

テーマ:実録 ! サービスマン日記

ついに最終回。今回は吸音材や室内レイアウト、防音効果はどうだったのか書いていこうと思います。 まだ前回までのブログを読んでいない方は、前編と中編も目を通していただければ幸いです。

関連ブログ
【DIY】防音室作ってみた 前編
【DIY】防音室作ってみた 中編

前回は壁まで仕上げたところで終わったので、今回は吸音材の取り付けから行っていきます。吸音材はメラミン素材のフォームを選びました。
サイズを合わせてフォームをカットしながら取り付けを行っていたのですが、1枚設置する毎に音の反響が無くなっていくのが分かり、効果あるなと感じながら作業を進めました。

今回メラミン素材のフォームを選んだ最大の理由は「見た目がいい」からです。もちろん吸音効果も期待していますが、限られたスペースと予算で仕上げるという目標の中で、壁面に取り付けて吸音効果の確保と表面の仕上げが一緒にできるため採用しました。

ちなみに吸音材ってかなりの種類があります。
今回採用したメラミン素材やウレタン素材の物も。安価なものだとグラスウールやロックウールなどの建築用断熱材も吸音用途で使われたりします。
前回のブログでも少し書いたのですが、カーテンやカーペットなどの繊維素材も吸音効果があり身の回りにあるものでも吸音材として使用できるものは結構あったりします。

以下、吸音材を選ぶ参考にしました。

一面の取り付けが完了して、試しに音を出してみたところ重大な問題があることに気付く。
『音が吸われ過ぎている…』
吸音効果は絶大、というのは間違いない。しかし、デッド過ぎるが故に反響音がなくなってしまい、どうも気持ちがよくない。しかも低音はあまり吸われていない。予想はしていたが実際に問題に直面してみてテコ入れが必要と判断。

ということで壁面半分を有孔ボードにする事にしました。 音楽室やホールなどで使われているのを目にした事があるかもしれません。有孔ボードも吸音材として昔から使用されています。前述した吸音材とは違い、有孔ボードは高音をあまり吸うことはなく低音に対して吸音効果を発揮します。
しかし、ただ取り付ければよいという訳ではないので注意が必要です。取り付けの際は有孔ボードの内側に空気層が出来るようにしなければいけません。

ここで少し音の説明をします。音はそもそも空気の振動によって伝わっていきます。低音は振動数が少なく音が反射しにくいという性質を持っています。それに対し高音は振動数が多く反射しやすい性質があり、反射しやすいと吸音材内で反射を繰り返し音量が下がるという効果が出やすくなっています。高音はエネルギーの減衰が早いということです。

話を戻して有孔ボードがなぜ低音に対して吸音効果があるか説明をすると、板と穴の形状がポイントになります。低音は反射しにくい性質のため床や壁面を伝ってきます。この性質を利用して有孔ボードを振動させて、エネルギー減衰させることで音量を下げます。
穴に関しては、穴から入った音が内部の空気層に入り共鳴する帯域で減衰する仕組みになっています。ヘルムホルツ共鳴といって楽器やスピーカーにも使われている技術です。
今回は下側のみ取り付けで空気層が40mmしかないため効果は微々たるものでしたが、反響音はかなり改善しました。

壁面の説明が長くなりましたが、他の箇所も紹介していきます。
次に紹介するのはPCデスクです。

ディスプレイとモニター位置を上げるため板を取り付けました。
モニターの脇にも吸音材を取り付け調整してあります。

そして今まで触れてこなかったPCデスク隣のスペース

ここは録音ブースとして生まれ変わりました。
程よい狭さと反響具合がマイクでの録音にピッタリです。

天井も吸音材を取り付けています。
採光は気に入っているので、多少の音漏れは我慢するしかないかな、と思っています。

扉にも吸音材を取り付けています。
ロック式のドアハンドルを付ける厚みがなかったので、内鍵を付けて使用時のみ扉が固定されるようにしました。

室内の紹介は以上となります。
最後にスマホの騒音測定器というアプリで音量を計測したので、その結果も紹介したいと思います。

まず、防音室の中で音楽を流します。
78dB 掃除機の音量くらい。家だと結構うるさいですよね。

次に防音室の扉を閉め、外側で計測してみます。
61dBと17dBも下がりました。

さらに、隣の部屋へ行き扉を閉めた状態で計測。
41dBとかなり小さく。音は低音が漏れて聴こえているといった感じでした。

最後に、下の階に行って計測。
37dB 耳をすまして聴こえるレベル。

ちなみに屋外でも計測したのですが環境音の方が大きく、家の中の方が静かでした。

■ まとめ

DIYで防音室を作成してみて、一定の防音効果がある環境を自作できるということが分かりました。アコースティックギターを弾く、DTMで楽曲制作するには全く問題ないので、これからは時間帯を気にせず音を出せます。
また、防音室のよいところは外側からの音も防いでくれるので、音を出さないにしてもPC作業するのに集中できる環境が出来たので、それだけでもやった意味があります。テレワークにもおすすめです。

大変だった点は、時間がかかるという点。週末に少しずつ作業を行い2ヶ月くらいかかりました。自由度は高いが物作りが好きな人向けかなと思います。吸音材だけでも一定の効果はあるので、気になる方はそこから始めてみるのもありかと思います。

ちなみにかかった材料費は大体ですが、10万円以下に抑えることができました。物価高騰している現在では安価に抑えられた方ではないでしょうか。
最近ではサウンドハウスでも防音室を取り扱い始めました。作るより楽だし価格もリーズナブル。賃貸物件でDIYが難しい場合でも、簡単に防音室を設置できるのはかなり便利だと思います。

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今回はとりあえず完成としますが、細かい調整だったりレイアウトの変更だったりはこれからも続けていきます。
何ヶ月か使用してみて、面白い変化があったら番外編も書くかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。

技術サポート / 黒巣 翔太

ESPミュージカルアカデミーでギター・エフェクター・アンプ製作の技術と知識を学び、卒業後はライブハウスでPA・照明を担当。ステージ上の全ての機材をメンテナンスするようになり現在の修理業務のベースが完成。照明のムービングヘッドやフォグマシンをメインに修理を行っていますが、ジャンルにとらわれず修理業務に従事しています。最近はアナログレコードの面白さを覚え、レコード屋を巡っています。

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