オーディオインターフェイスの老舗ROLAND より発売されているUA-1610をご存知でしょうか?
ROLAND (ローランド) / STUDIO-CAPTURE UA-1610
UA-1610は、16チャンネルのアナログ入力を備えるROLAND製オーディオインターフェイスのフラッグシップ・モデル。
その内12チャンネルは、マイク/ライン入力に対応するコンボジャックになっています。
同価格帯のオーディオインターフェイスはマイク入力8チャンネル仕様が多く、マイクを多く使用するレコーディングにおいて、かなりのアドバンテージを誇ります!
これだけでも凄いのですが、UA-1610は同じ機種を2台カスケード接続することにより、なんと、、、
最大32イン/18アウトを実現できます。
マイク入力できるコンボジャックは24チャンネル!
ちなみに、スタジオで導入されているグレードで同じくらいのIN/OUTセットを組むと、100万円を超えてきます。
UA-1610の2台セットなら数分の1で多入力/出力を実現します。

カスケード接続というと、「具体的にどうやるんだろう?」と気になる方もいるのでは?今回は、実際にUA-1610のカスケード接続を試してみました!
下記、大まかなカスケード接続手順をご紹介します。
(1) UA-1610本体の同期設定をする。
UA-1610 1台目(タイミング・スレーブ)
VS EXPAND:OFF
SYNC:AUTO
INPUT15/16:AUTO。
UA-1610 2台目(タイミング・マスター)
VS EXPAND:ON
SYNC:AUTO
INPUT15/16:AUTO。

(2) 2台目のCOAXIAL OUT と 1台目のCOAXIAL INをコアキシャルケーブルで接続。

(3) 2台のUA-1610を、それぞれUSBケーブルでPC/Macへつなぐ

(4) PCの場合は、下記画像の上部STUDIO CAPUTRE Control Panelで[VS EXPAND]にチェックを入れてOKに変更。
※Macの場合はAudio MIDI 設定で機器セットを作成→クロックソースを2台間設定。

ミキサー画面に2台目の選択が現れました。

マニュアル46ページに2台接続について記載があるので、詳細が気になった方はぜひ御覧ください。
カスケード接続の設定は、初めの1回のみでOK。次回以降、特別な操作は不要です。
ちなみに、ASIO/Core Audio対応のDAWソフトからは2台で1つのオーディオ・デバイス(=オーディオインターフェイス)として認識され、それぞれクロックなどを気にする必要はありません。
実際にカスケード接続が活躍する場面として、
■シンセやリズムマシンを立ち上げっぱなしでの作業
パッチベイで繋ぎ替えたりしなくとも、制作プロセスの最後の最後までシーケンスで鳴らせます。シンセ8台ステレオだと16インは簡単に消費しますし、さらにパラ出しの機器ならもっと使います。「アナログシンセ内蔵エフェクトがいまいち」という時でも、個別トラックに対してPC側でエフェクトを掛けるといった使用方法でも活躍!
■本格的なバンド録音
バンド録音に使用するマイクの数を考えてみましょう。例えばドラムセットの場合、スネア、キック、ハイハット、タムx3、トップ(オーバーヘッド)x2、ライド、クラッシュ...10本くらい余裕で使ってしまいます。さらに他の楽器も入るとなると、マイク12入力では足りない、、、
カスケード接続をしてマイク入力24インとすれば、多人数バンド、ブラバンなど、今まではミキサーなどでまとめざるを得なかった楽器もパラで個別に録音ができます!
UA-1610は、ROLANDオーディオインターフェイスのフラッグシップ・モデルとして他にも優れた性能を備えています。
1.音の良さに定評のある、業務用音響機器で使われていたプリアンプ(VS-PREAMP)を搭載。
2.楽器メーカーが作るオーディオインターフェイスなだけあって、低レイテンシー設計。
3.ROLAND自社開発のドライバーによる、優れた安定性。
豊富なアナログ入力を備えるUA-1610。拡張性に富んだカスケード接続による2台使いもお勧めです。ぜひご検討ください!
