イギリス・バーミンガムで結成された2人組のエクストリーム・メタルバンドAnaal Nathrakh(アナール・ナスラック)。
ボーカルのV.I.T.R.I.O.L(ヴィトリオール)と、ギターやプログラミングを担当するIrrumator(イルメイター)の2人からなり、打ち込みによる精密なドラムにブラックメタルやグラインドコア由来のギターリフを乗せ、過激さだけに留まらない変幻自在のボーカルを加えることで、独自のスタイルを追求し続けるバンドです。
その音楽性は「ブラックメタルとグラインドコアを融合させたようなもの」とも、「インダストリアル・ブラックメタル」とも形容されます。
百聞は一見にしかずと言いますか、音源を聴いてもらうのが手っ取り早いと思うので、直近のアルバムのタイトルトラックである「Endarkenment」をどうぞ。
■ Anaal Nathrakh - Endarkenment
メロディアスですらある印象的なトレモロリフで幕を開けると、ブラックメタルらしい吐き捨てるようなスクリームを経てAメロへと突入。再度美しいトレモロリフへ流れ、一瞬のブレイクの後に歌い上げるクリーンボーカルが顔を出す。そしてまたイントロのトレモロリフへと回帰する。
「暴虐性と美しさ」が同居し、過去のエクストリーム・メタルへのリスペクトとオリジナリティを同時に感じさせる楽曲がAnaal Nathrakhの魅力だと個人的には思います。
そんなAnaal Nathrakhを日本で見られるかもしれないという知らせが入りました!
見られる「かもしれない」という書き方をしたのは、この記事を執筆している現時点でまだ開催が決定していないから。
まずは下記をご覧ください。
【新規プロジェクト開始】
— Evoken de Valhall Production. (@evpro666) November 9, 2023
かつて一度はもうライブはやらないと宣言があった、イギリスの暴虐の狂王「Anaal Nathrakh」がまさかの再来日!?
3月頭にスイスが誇るベテランインダストリアル・ブラック「SAMAEL」とのダブルヘッドライナーツアーを予定。
共に2018年来となるJapan… pic.twitter.com/2sKymMRQkU
この度「プロジェクト」が発表されたサイト「EVP4U」はEvoken de Valhall Production.(EVP)が運営する、クラウドファンディングの要素を加えたチケット運営サイト。
従来のように開催が決定している公演のチケットを販売するのではなく、「プロジェクト」が立ち上げられ前売りチケットの販売枚数などに応じて公演自体の開催可否が決まるというものです。
運営するEVPは数多くのメタルバンドを招致しているプロモーターであり、サウンドハウスが機材貸し出しのご縁でバンドより招待頂いたWINTERSUNや、Edu FalaschiなんかもEVPによる公演です。
話をEVP4Uへ戻すと、とどのつまり現時点ではAnaal Nathrakhの来日は決定されたわけではなく、プロジェクトに支援が集まらないと見ることが叶わなくなってしまうということです。
せっかくチャンスがあるのに見れないなんて悲しいですよね?そう、悲しいんですよ。
というわけでAnaal Nathrakhの良さと、来日の可能性を少しでも多くの方へ伝え、プロジェクトの達成を祈願するべく筆を取っている次第です。
また、ニッチなジャンルと言わざるを得ないメタルの興行において、こういった新たな取り組みが行われていることも知られて欲しいなと思いますね。
ここからは個人的にお気に入りのAnaal Nathrakh楽曲を紹介して終わりにしたいと思います!
ぜひ先述した「暴虐性と美しさの同居」、「過去へのリスペクトとオリジナリティの融合」を感じてみてください。
■ Until the World Stops Turning
■ Forward!
■ The Age of Starlight Ends