テレキャスターと双璧をなすFenderの定番機種ストラトキャスター。3つのシングルコイルを搭載し、幅広い音色が作れることが魅力のギターですが、よりパワフルなサウンドを志向したり、シングルコイルの弱点であるノイズを克服したりするため、リアポジションにハムバッカーを搭載するギタリストも少なくないかと思います。事実、FenderからもSSH配列のストラトは数多くリリースされています。
そこで今回はサウンドハウスのギター担当スタッフたちがストラトキャスターへ搭載するのにおすすめのハムバッカーをチョイス!
フルサイズハムバッカーと、大きな加工をせずとも取り付けできるシングルコイルサイズ・ハムバッカーに分けて紹介していきます!
■フルサイズハムバッカー
SEYMOUR DUNCAN / SH-11 Custom Custom
ストラトキャスターにハムバッカーを搭載する所謂「スーパーストラト」は、80年代ヘヴィメタルシーンで多く見られたスタイルですが、その先鋒となったのはエディ・ヴァン・ヘイレンだと言えるでしょう。エディが使用していたKramer製のギター、通称5150に搭載されていたのがSH-11(ないしSH-11をもとにカスタムされたピックアップ)だと言われています。
SH-5 Customをベースにマグネットをアルニコ2に変更することで、より甘く太いサウンドが得られるため、ブライトなサウンド傾向にあるストラトに最適なハムバッカーのひとつと言えます。
Lindy Fralin / Unbucker
Lindy Fralin製ハムバッカーの売れ筋のひとつでもあるUnbucker。その最大の特徴は巻き数の異なるコイルを組み合わせている点です。この特徴のおかげでハムバッカー時にはスムースでリッチなサウンドを、コイルスプリット(コイルタップ)してシングルコイルにしたときは中域を抑えたクリアなサウンドを得ることができます。
Unbucker同様、コイルスプリット時のサウンドを念頭にデザインされたピックアップは意外と多く、SEYMOUR DUNCAN/SH-3や、Freedom Custom GuitarのHybrid Humbuckerなども同様のコンセプトをもったアイテムです。
SUHR / Thornbucker
セッションミュージシャンとしてはもちろん、機材をレビューするギター系YouTuberとしても知られるPete Thornのシグネチャー・ハムバッカー。さまざまなサポートワークをこなすPeteが既存のハムバッカーに対し抱いていた「歪みは良くても、クリーンやクランチ(semi-dirty)では使えない」、「ライブの途中でシングルコイルのギターに持ち替えたとき、アンプやエフェクトの設定を微調整しなくてはならない」という不満を解決するために、ビンテージPAFをベースとしてアレンジを加えて完成したモデルです。
アルニコ4マグネットを採用し、ブライトさとウォームさのバランスが取れたサウンドはSSH配列のギターにもマッチします。
■シングルサイズハムバッカー
DIMARZIO / DP188 Pro Track
数多あるDIMARZIO製シングルサイズハムバッカーのうち、ビンテージPAF風サウンドを狙ったモデル。非常にバランスのとれたサウンドを持つため、クリーン/歪みを問わず、すべてのポジションにおすすめできる万能ピックアップと言えます。
ちなみに、ピックアップ担当個人的なDIMARZIOシングルサイズハムバッカーの棲み分けイメージは下記のとおり。
DP186 Cruiser Neck | DP187 Cruiser Bridge | DP181 Fast Track 1 | DP184 The Chopper | DP188 Pro Track | DP182 Fast Track 2 |
---|---|---|---|---|---|
3.13k Ohm | 5.75k Ohm | 5.78k Ohm | 9.16k Ohm | 7.70k Ohm | 18.07k Ohm |
プレーン弦ではシングルに酷似、ワウンド弦ではわずかにホットなサウンド | プレーン弦ではシングルに酷似、ワウンド弦ではわずかにホットなサウンド | The Cruiserよりホットで筋肉質。ダイナミクスレンジに優れる | Fast Track 1よりパンチーな兄弟機。シングルコイルとフルサイズハムバッカーの中間 | シングルサイズのビンテージPAF。非常にスムースなサウンド | ストラトサイズのSuper 3とも呼ぶべきモデル。最も高出力なシングルサイズハム |
※ フルサイズハムバッカーを基にしたモデルや、シグネチャーモデルは割愛
SEYMOUR DUNCAN / Red Devil
ダンカン製ビンテージ系ピックアップの中でも人気のあるPearly Gatesをシングルコイルサイズに収めたのがこのRed Devil。元となったPearly Gatesは、ビリー・ギボンズ(ZZ TOP)が所有するビンテージレスポールに搭載されたピックアップを再現したモデルです。
同じくビンテージ系のシングルサイズハムLittle ’59と比較してやや出力がアップし、ピークが中高域にシフトしたようなサウンド。歪ませての使用であれば、Red Devilのほうがおすすめです。ダンカン製シングルサイズハムの中で(2021年3月現在)唯一のアルニコ5マグネット採用モデルである点も特徴と言えます。
BILL LAWRENCE / L-250
バータイプのポールピースを採用したL-500で有名なBILL LAWRENCE。L-500といえば、ヌーノ・ベッテンコートやダイムバッグ・ダレルが愛用していたことでも有名です。そんなL-500同様のバータイプのポールピースを採用したスタックハムバッカーがこのL-250。
L-500の特徴である中域のピークと倍音はそのままに、シングルコイルサイズになったことで、よりまとまりのあるサウンドになっています。非常にクセが強いサウンドですが、機材や好みにハマったときは替えの効かないピックアップであるとも言えます。
以上6点、サウンドハウスおすすめのストラト向けハムバッカーを紹介しました!
あまり見た目を変えずにハムバッカーのサウンドが欲しいという方はシングルサイズハムバッカーを、ザグリが大きく取られているストラトをお持ちであればフルサイズハムバッカーがおすすめです。
またストラトキャスター用、SSH配列のリプレイスメント・ピックガードも各社から発売されています。リアをフルサイズハムバッカーに交換する際には必須なので、併せてチェックしてみてください!
■ ハムバッカー一覧
■ シングルサイズハムバッカー一覧
■ SSH用ピックガード SCUD製
■ SSH用ピックガード ALLPARTS製