記事の下にあるプロフィールの通り、この文章を書いている私はギタリストです。普段、楽曲を聴くときにはメロディやギターに自然と耳が向きますが、メタルを聴くうえではドラムにもついつい意識が向いてしまうくらいメタルドラムが大好きです。ミニマルなセットがもてはやされることも多い時代に巨大なドラムセットを組み、アスリート並の運動量でフレーズを叩く姿を思い浮かべると愛おしくて堪らなくなります。
そんなわけで今回は、この記事で何が販促できるのか皆目検討もつきませんが、私が個人的に好きなメタルドラマーを紹介していきます!
■ MINATO(ex-DEAD END)/ SERAFINE

ヘヴィメタルに留まらない音楽性で後のメタル、ヴィジュアル系にも大きな影響を与えたバンドDEAD END。私がDEAD ENDに初めて触れたのは再結成した2009年のことで、がっつりメタルを聴くようになる前だったのですが、いまとなっては初めて好きになったメタル系ドラマーはMINATOさんだったように思います。
■ Mike Mangini(Dream Theater)/ The Looking Glass
2010年、精鋭揃いのオーディションを制しDream Theaterへの加入を果たしたドラマー。Dream Theater以前にはSteve Vaiのバンドにも所属していました。Dream TheaterというとMike Portnoyを思い浮かべる人が多いと思いますが、私がメタルを聴き始めた頃には既に脱退していたこともあり、好きなドラマーとなって先に浮かぶのはManginiです。ギタリストの私がキャノンタムを好きなのは完全にこの人の影響。
■ Aquiles Priester(ex-Angra, Hangar)/ Spread Your Fire
ブラジルが誇るメロディック・パワーメタルバンドの至宝Angraに2000年から2009年の間在籍していたドラマー。打ち抜くようなパワフルなドラミングと金物の使い方、特にポリリズム的に入れるカップが個人的なツボです。手数が多く派手でありながら楽曲・メロディに呼応するようなフレーズが非常にメタルらしいプレイだなと感じるドラマーです。
■ FUMIYA(Unlucky Morpheus, 猫曼珠)/ CADAVER
以前「同人メタル」の回でも取り上げたUnlucky Morpheusのドラマー。過去にはUNDEAD CORPORATION、Thousand Eyes、GALNERYUSなどのバンドでもその辣腕を振るっていました。金物、特にベルやスプラッシュを多用することがプレイの特徴のひとつ。どのバンドの音源を聴いても一聴してFUMIYAさんだとわかる確固たるキャラクターをもったドラマーです。
以上4名、メタルギタリストの筆者が好きなメタルドラマーたちでした。ぱっと思いつく人たちを書き出したので、エクストリームなジャンルのドラマーがほぼいなくなってしまいましたが、それはまた別の折に。冒頭で「多点セットを組むメタルドラマーは愛おしい」と書きましたが、改めて取り上げた動画を眺めていると、純粋に「多点セットは美しいな」と感じます。これもまたメタラーの美的感覚なんでしょうけど、好きなものはしょうがない。だってゴテゴテしてて、ピカピカしてたらきれいじゃん。
※ この記事を執筆中の6月19日、DEAD ENDのギタリスト足立“YOU”祐二氏の訃報がバンドの公式サイトにて発表されました。 執筆のためDEAD END楽曲を聴き返していた最中の訃報に言葉も出ず、ただ寂しさが募る思いです。コンポーザーとして、そしてギタリストとして他に類を見ない独創性と感性をもつ素晴らしいアーティストでした。筆者もその演奏に大きな影響を受けたひとりです。謹んでご冥福をお祈りいたします。