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映画『鉄男』とメタル・パーカッション。

2018-04-25

テーマ:映画と音楽と

映画と音楽と…。

映画『鉄男』とメタル・パーカッション。

日本でメタル・パーカッションを一躍有名にしたのは、映画『鉄男』のサウンドトラックだと思う。鉄に体を蝕まれていく男の映像に、これでもかと鉄や金属を叩く音楽(ノイズ)が鳴り響く。モノクロで過激に進行していく映像に、さらなるインパクトを与えた音楽だった。

『鉄男』は低予算ながら、それを感じさせないパワーがあった。コマ撮りをこんな技法で観せられた映画も初めてだった。独創的な映像とストーリーが話題となり、徐々に人気を獲得していった。主演は名脇役「田口トモロヲ」。この映画が初主演となる。一方、塚本晋也は監督・脚本・撮影・編集、そして出演まで1人5役をこなしている。『鉄男』は1989年、第9回ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞し海外で注目される。そして、この映画音楽を担当したのが石川忠(CHU)だ。「鉄男」をはじめ、その後の塚本作品でも音楽を担当している。『双生児(1999年)』では、シッチェス・カタロニア国際映画祭音楽賞を受賞した。

私が石川忠を知ったのは1980年代のインディーズ・シーンにおいてだった。石川忠率いるZeitlich Vergelterというバンドは、日本初のインダストリアルバンドとして話題となった。日本以外ではアインシュテュルツェルデ・ノイバウテンがその名を知られ、メタル・パーカッションに加え廃材やドリル、チェーンソーを多用したノイズ・ミュージックを披露した。石川忠はその流れを日本のアンダーグラウンド・シーンに展開していった一人だった。バンド解散後はソロ活動を行い、『鉄男』をはじめ、塚本作品の音楽を担当した。近年ではDer Eisenrostというユニットで活動を続けていた。

2015年のある日、80年代に活躍していたインディーズ系のバンドが一同に集うコンサートがあった。そこに石川忠がいた。ギター、ドラム、ベースに2人のメタル・パーカショニスト。凄まじいビートに鉄や金属音が炸裂する。チェーンソーが火花を散らし、前方に押し寄せた観客は熱い熱いと逃げ惑った。とにかく音圧が凄まじく、それでいて心地よかったのを覚えている。また観に行きたいと思った。そして、後からわかることだが、観ていた時はメンバーに石川忠がいることには気がつかなかった。バンド名を調べて「あれ?もしかして?」と結びついた次第だ。(ステージ一番右端が石川忠。)

その二年後。訃報が飛び込む。石川忠が亡くなったという。2017年12月21日。51歳だった。闘病中だったそうだ。最後にリアルな彼の演奏を観られたことに感謝している。その音楽性は決してメジャーなものではなかったが、石川忠の音楽は激しく輝いていた。もちろんライブにおいても…。私の観に行ったライブは動画でアップされていた。無機質なメタル・パーカッションを扱う姿は、まさに「生きている」という躍動感に溢れている。

Der Eisenrost(Live) @ Koenji HIGH 『2015.03.21時の葬列~方舟の章~vol.3』


なかじまやすお

自由気ままに雑多なことを書きなぐっていきます。根底にあるのは「愛と音楽」。世の愛すべき事象にスポットを当て、音楽好きに共感してもらえる記事を執筆していきます。サウンドハウスでは、メディア編集担当として活躍。プライベートでは、週末となればドラムを叩き、ライブや映画、展覧会などを楽しむアクティブ派。

 
 
 
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