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音楽雑誌に存在した「不思議な飾り文句」

2018-03-14

テーマ:音楽とアート

洋楽に特化した音楽雑誌は、70年代からロック小僧たちに人気の本となりました。音楽専科やミュージックライフなど、ミュージシャンの演奏シーンからプライベートシーンまで、幅広く網羅しているので、それを見てロック小僧たちは色々な妄想を爆発させていったのでした。他に歌謡雑誌の別冊などでも単発的に洋楽を取り上げていました。当時は雑誌に掲載されているロックスターたちを、憧れのまなざしで眺めていたものです。ある時、それら洋楽専門誌の不思議な文化に気がついたジャーナリストがいました。渋谷陽一です。彼が指摘するのは、謎の日本語キャプション。グラビアなどのアーティスト写真に、さりげなく飾られたキャプションのほとんどは「それは本当に必要?」というものばかりだったのです。以下は、私の手元にある明星の別冊「ビューティフル★ロック」。さっそく、いくつかのグラビアページを抜粋して当時の文化を見てみましょう。

もう表紙からして、素晴らしいロックの世界がにじみ出ています。っていうか、誰?この人?

まずは、KISS。ニクイという文字がニクイです。唐突に突き放す「さようなら」が悲しくなります。

続いて、エアロスミス。背伸びしている感じがいいです。ちなみにこの本、10代向けです。

ポール・マッカートニーも、音楽にとりつかれた虫になっちゃいます。ステキ。
今、読み返してみると、なぜかこちらが恥ずかしくなるものばかりです。

日本のバンドも面白いコメントが載っていたので、紹介。電気もガスも水道もない山で、どうやってバンド練習したのでしょうか?時代を先読みしたアンプラグドの練習だったのでしょうか?想像力を高めるという意味では、このページも強烈でした。

70年代、渋谷陽一がパーソナリティを務めるラジオ番組…確か「サウンド・ストリート」だったと記憶しています。面白いキャプションをリスナーから募ってグランプリを選ぶ特集がオンエアーされました。ラジオという媒体でビジュアルありきの企画を特集するの?という疑問もどこかに吹っ飛ぶくらいに、キャプションの破壊力が圧倒的パワーを持っていました。「悩ましげなデヴィッド・シルビアンの瞳」から、ヌードの女性と一緒に映っているスコーピオンズの「俺たち、裸が大好きだぜ!」はいはい、そうですか?まで。そんな中、グランプリに輝いたのは、レッド・ツェッペリンのキャプション。4人のステージ写真に添えられた必殺のキャプションは…

演奏するレッド・ツェッペリン。…でした。

そんなの見りゃわかるだろ!というキャプションです。何のために書いたのでしょうか。理解に苦しんでしまいますが、面白いといえば面白い。インターネットが普及し、いつのまにか、グラビアにキャプションをつけるという文化も消えてしまいました。それより、どこでこの写真は撮影されたかの方が重要になっているようです。情報が少なかった時代だからこそ、イマジネーションを広げる必要があったのかもしれないです。今となっては懐かしくも、不思議な文化でした。

なかじまやすお

自由気ままに雑多なことを書きなぐっていきます。根底にあるのは「愛と音楽」。世の愛すべき事象にスポットを当て、音楽好きに共感してもらえる記事を執筆していきます。サウンドハウスでは、メディア編集担当として活躍。プライベートでは、週末となればドラムを叩き、ライブや映画、展覧会などを楽しむアクティブ派。

 
 
 
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