こんにちは!
BABY BABYというアコースティックユニットのギタリスト兼、作業療法士のフジオカタクトと申します。
いつも目を通してくださりありがとうございます!
今回はフィンガリング編第2弾!
初心者ギタリスト泣かせのテクニック、
「チョーキング(ベンド)」について左手の構造を踏まえて分析していきたいと思います!
お付き合いよろしくお願いします!
この記事を書くにあたってネット検索で「ギター チョーキング コツ」
と調べてみました。
今ではスマホで簡単にネット検索できるので、簡単にいろんな情報が手に入りますね!
検索した記事の中でもよく見かけた言葉が「チョーキングは指ではなく、手首であげる」ということです。
「ドアノブを回す感じ」とも書いてありました。
(ちなみにドアノブを回す手首の動きは「回内・回外」と言い、以前【ストローク編】でこの動きについて説明していますので、お時間があれば目を通してみてください。)
確かに「手首で」と言われるとニュアンスは伝わりますが、
実際に手首だけで正確にチョーキングするのは人間の構造上とても難しいと思います。
もちろん手首の動きも使いますが、指の動かし方、使い方も大切なのです!
今回は演奏の中で一番登場頻度が多いであろう、高音弦のチョーキングについてみていきましょう。
まずはギターを構えてみましょう!
基礎的な話ですがチョーキングをするにあたって、大きく分けて2つのスタイルがあるかと思います。
一つはネックを握りこむスタイル。
これは比較的ローポジションでのチョーキングに適していて、ネックを握りこむので安定感があるかと思います。

もう一つは親指をネックの後ろにまわすスタイル。
ご存知ハイポジションでのチョーキングに適しています。


チョーキング時のフォームについては人それぞれあるかと思いますので、ここでは深く言及しないでおきます。
では早速ですが、実際にチョーキングに必要な筋肉を見ていきましょう!
ここでも活躍する筋肉は虫様筋です。
前回の「Fコードの押さえ方」にも出てきましたが復習しましょう!
虫様筋のついている位置や作用をなんとなくでいいので知っていてください。


虫様筋はMP関節を屈曲、IP関節を伸展させる作用があります。
つまり指を付け根から曲げ、指自体は伸びている状態にするという作用があります。
この働きを利用して指先は伸ばしたまま、指を付け根から曲げ弦を押し上げることで比較的楽にチョーキングできると思います。
しかし虫様筋の力だけでチョーキングするのはちょっと大変です。
そこで手首の登場です!いわゆる「ドアノブを回す感じ」の動きを利用します。

左の写真がチョーキングする前、右がまさにチョーキングしている時の腕の様子です。
それぞれの動きを分析すると前腕の回外、手首の掌屈・尺屈が生じています。
(前腕回外=腕を外向きに回す
手関節掌屈=手首を手の平の方に曲げる
手関節尺屈=手首を小指側に曲げる)
聞きなれない言葉が多く、ややこしくてすみません。
ポイントは手首の尺屈、掌屈の複合した斜め向きの動きです。
このとき使用している筋肉は「尺側手根屈筋」といって肘の内側から手首まで伸びている筋肉で、この筋肉が手首を曲げています。腕相撲をする時なんかによく働く筋肉です。
この手首を曲げる力も利用してチョーキングするととっても楽に弦をあげることができると思います!
痛みについて
チョーキングは力んでしまいがちなテクニックで最初は弦が指に食い込んで指先が痛むと思います。
しかしコツがつかめて慣れてくると無駄な力を抜くことができ、ほとんど痛みというものはなくなってきます。
指先が痛くなってくる人は、弦をフレットに対して垂直方向に押し付けてしまっている(握る方に力が入っている)可能性が高いです。
写真だとちょっとわかりにくいですが、この押さえ方だとチョーキングした際に指が弦の下に潜り込んでしまったりもします。指先も弦がめり込むのでめちゃ痛いです(泣)。




違いがわかりますでしょうか?
より楽にチョーキングするには力を入れる方向を握る方(屈曲方向)ではなく、指を上に伸ばす方(伸展方向)に意識することが大切です!
先にも言いましたが、虫様筋の作用であるMP屈曲、IP伸展を利用し、指先は伸ばしたまま、指を付け根から曲げ弦を押し上げるようにしてチョーキングしてみてください。
またこうすることで自然と指の腹で押弦できるので指先へのダメージは回避できます。チョーキング時のイメージはフレット上を滑らせていく感じが良いと思います。
無駄な力なくチョーキングできればピッチも安定して取りやすくなるかと思います。
最後に、ハイフレットでのチョーキングで楽に弾くためのアイデアとして、ギターと腕の位置関係があります。
当然ですがハイフレットにいくにつれて腕は自分の体に近づいてきます。


こうなると前腕や手首の動きが阻害されてしまうため、主に指先の動きに頼ったプレイになってしまいます。
そこでギターを持つ角度を少し変えてみましょう。

ネックが前を向くようにボディを動かしました。
腕が自分の体から離れた分、スペースが生まれるので前腕や手首の動きを利用しやすくなります!
どういった姿勢が楽に負担なくプレイできるか、これは難しい課題ですが、プロの演奏を見ることで沢山の気付きが得られるかと思います。
さていかがでしたでしょうか!
こうして文章にすると難しい内容に感じられるかもしれませんが、自分のカラダの構造や動き方・動かし方について知っていて損はないです。
また今回分析した動作方法が正解というわけではありません。
自分に合ったカラダの使い方で基礎的なテクニックはチャチャっと手に入れて、いろんな曲や演奏にチャレンジしましょう!!
それでは!