録音・再生ともに高音質なハイクオリティUSBマイク

マイクタイプ | USBコンデンサーマイク |
指向性 | カーディオイド |
サンプリング周波数 | 6kHz / 24bit |
接続端子 | USB-C(USB 2.0) |
対応OS | Windows 8.1、10、11 macOS Catalina Big Sur、Monterey |
質量 | 約373g |
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT2020USB-X USBマイク
2022年9月発売 オーディオテクニカのUSBマイク AT2020USB-X。
高音質USBマイクの代名詞的な存在であるAT2020USB+をブラッシュアップした製品です。
まずはAT2020USB-Xの製品仕様から解説していきます。
AT2020USB+との違い

左がAT2020USB+、右がAT2020USB-X
AT2020USB-Xで変わった点
- 96kHz/24bitに対応(以前は48kHz/16bit)
- 解像度の高いA/Dコンバーターを採用
- 高出力ヘッドホンアンプを採用
- ミュートスイッチの追加
- 接続端子がUSB-Cに変更(以前はUSB-B)
- 安定性に優れた専用スタンドに変更
最初は機能面での強化が中心かと思いましたが、一番改善されているのは音質。
特にヘッドホン端子の再生音が劇的に良くなっています。

AT2020USB+の場合、ハイインピーダンスのヘッドホンは出力不足でキレイに鳴らすことができませんでした。

モニターヘッドホンはハイインピーダンスが多い
AT2020USB-Xは、ハイインピーダンスのヘッドホンも、しっかり大音量で鳴らせます。
しかも、大音量にしてもS/N比は良好で、低音から高音までキレイに出力されますね。
USBマイクはこの製品も出力が弱いので、AT2020USB-Xの出力の良さには驚きました。
USBマイクでヘッドホン出力の音質を重視する人がどれだけいるかは謎ですが、歌配信やFPSなどのゲーム実況では重要な要素です。
96kHz/24bitに対応
AT2020USB-Xは96kHz/24bitに対応したUSBマイクです。
AT2020USB+は48kHz/16bitだったので、性能が向上していますね。
配信やテレワークでは48kHz/16bitで十分ですが、音楽制作だと48kHz/24bitで録ることが多いです。
24bitにする意味
- 音を編集する際に24bitのほうが音の劣化が少ない
最近のUSBマイクは96kHz /24bitの製品が少しずつ増えており、AT2020USB-Xもそのトレンドを取り入れてますね。
ミュートスイッチ

AT2020USB-Xは正面下部にミュートスイッチがついています。
タッチセンサータイプで触るだけで、ミュートのON/OFFが切り替わります。
通常時はマイクが青く点灯しており、ミュート時は赤く点灯します。


オンライン会議などで、サッとミュートにしたいときに便利ですね。
ダイレクトモニタリング

AT2020USB-Xはダイレクトモニタリングを搭載しています。 ダイレクトモニタリングはマイクの入力音声をPCなど介さずに直接ヘッドホンに返す機能です。 PCを介さないため、音が遅延しない点がメリットです。

OBS STUDIOなどのモニター機能は音が遅延する
このダイレクトモニタリングの音量は本体前面の2つのノブで調整します。

まず、右のノブがVolumeです。

Volumeを+に回すと、下図の赤と緑のラインの音量が上がります。

マイクの入力音量(青)は上がりません。
相手から声が小さいと言われて、Volumeを上げても意味がないので気を付けましょう。
左のノブはPCからの音声(緑)とダイレクトモニター(赤)の音量バランスを調整するものです。

ノブの操作 | 効果 |
左に回す | ダイレクトモニター(赤)が大きくなる PCからの音(緑)が小さくなる |
右に回す | ダイレクトモニター(赤)が小さくなる PCからの音(緑)が大きくなる |

主には自分の声と伴奏の音量バランスを整える際に使用します。
なお、左のノブもマイクの入力音量(青)には影響しません。
マイクの入力音量を変えるには、接続した端末側で調整が必要です。
なお、公式の対応OSにiOSは含まれていません。
なので自己責任ですが、nanaやビデオアプリで動作確認したところは正常に動作します(iPhone 13 Proで確認)。
付属品
- USB-C to A ケーブル
- USB-A to C 変換アダプタ
- スタンド変換ネジ(5/8-27 – 3/8-16)
- 専用スタンド
AT2020USB-XはUSB-Cが採用されており、ケーブルや変換アダプタが付属しています。


また、付属の専用スタンドはAT2020USB+と比べて安定性が大幅に向上しています。
AT2020USB-Xであれば、卓上で使う際も楽ですね。
なお、マイクスタンドから外して、市販のマイクアームに取り付けることも可能です。
また、別売りのショックマウントAT8455を付けると振動ノイズを軽減できます。

専用スタンドに取付
タイピングしながら、配信・会議する人はAT8455を買ったほうが良いです。
普通にトークするだけなら、付属品だけで大丈夫です。
オーディオテクニカ AT2020USB-Xをレビュー
それでは、AT2020USB-Xを細かくレビューしていきます。
はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。
わかりやすく、音質特化型の製品です。
専用アプリやエフェクトなどはないものの、入力・出力ともにトップレベルに音が良いです。
特に出力が良いUSBマイクはAT2020USB-Xくらいしかないので、地味に貴重な製品です。
USBマイクではトップレベルの音質

AT2020USB-Xでボーカルとボイスの両方を録ってみました。
音質は非常に良いですね。USBマイクの中で最も音楽的な音だなと感じました。
ボイスも良いですが、ボーカルのほうがマイクの良さを感じますね。
ボーカルに関しては、AT2020USB-Xがワンランク上に聴こえます。
XLRマイク&オーディオインターフェイスで録ったような、鮮明で解像度の高い音が録れてます。
また、ゲインに大分余裕があります。
サンプルのボーカル録りも、音量は13%で録ってます。

小さい音を録る際も音量不足の心配はありません。
イヤホン端子の音質が良い
AT2020USB-Xは高出力のヘッドホンアンプを内蔵しており、再生音もかなり良いです。
USBマイクはどこのメーカーも出力が弱いので、AT2020USB-Xと比べるとかなり差を感じますね。
AT2020USB-Xのイヤホン端子は、数万円程度のオーディオインターフェイスと互角の音質です。

AG03 MK2と比べても互角以上の音質
プロユースのイヤモニ・モニターヘッドホンもしっかり鳴らせるだけの能力があります。
歌配信やFPSなどのゲーム配信では、モニターの音質は結構重要ですからね。
再生音の質も良いUSBマイクは非常に貴重な存在です。
audio technica AT2020USB-X まとめ

- 2022年9月発売の高音質なUSBコンデンサーマイク
- 入力・出力ともにUSBマイクの中でトップレベルの音質
- 機能面はシンプルでコンパクト
audio technica AT2020USB-Xのレビューでした。
ヘッドホンアンプの品質が良いことに驚きましたね。
最近のUSBマイクは多機能が売りの製品が多かったので、久々に音質勝負のガチなマイクがきたなと感じました。
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