■ ごあいさつ
先日「フリー音源・フリープラグイン縛り」のコンピレーションアルバム企画というものがあり、参加にあたって無料サンプルなどをいろいろ探しました。
その際、意外にも無料で使えるプラグインや音源は数多く公開されているのに、おそらくその数の多さ故に、注目されないままになっているのではないか?と感じたので、今回は私が見つけた使えそうなフリー音源、フリープラグイン等をご紹介いたします。
これらを使った結果浮いたお金で、より良いモニター環境の構築をしたり、より良い楽器・機材を揃えましょう!
※私はLo-Fi hiphop BGMやボカロ使用曲を制作しており、その目線で使えるプラグインのご紹介になる見込みです。何卒ご了承ください。
■ フリープラグイン(インストゥルメント系)
LABS - SPITFIRE AUDIO

https://labs.spitfireaudio.com/
LABSは、イギリスのSPITFIRE AUDIOが提供するフリーインストゥルメントです。プラグイン自体は、上の図のように操作する部分が少なく、非常にすっきりとした作りです。
Webサイトから音源をダウンロードできるのですが、なぜ無料なのかわからない程、高品質で大量の音源が公開されています。
初めてインストールすると、沢山ありすぎてどれから試すか迷うと思いますが、私のおすすめは「Hand Bells」です。シンプルにキレイな音で、どんなジャンルにでも利用できるのではないでしょうか。
音だけでなく、デザインからもクリエイティビティが感じられ、見ていて楽しいので、是非一度Webサイトを覗いてみてください。以下はサイトの一部の画像です。

■ フリープラグイン(エフェクト系)
Flux Mini - Caelum Audio

https://www.caelumaudio.com/CaelumAudio/?Page=FluxMini
こちらは、設定したカーブに沿って音に変化を与えるプラグイン。例えばKICKSTART(NICKY ROMERO)のような効果を狙って利用ができます。
プリセットも多彩で、普通のシンセをかなりトリッキーなサウンドに変えることも可能です。EDMなどのキックがはっきりしたダンス系のサウンドの他、ビート重視の音楽制作に向いています。ベースやシンセに適用してみてはいかがでしょう。
Polyverse Wider - Polyverse Music

https://polyversemusic.com/products/wider/
Widerは音の広がりを調整するプラグインです。操作は簡単で、図の青い部分をドラッグすると音の広がりが調整できます。なんといっても操作する部分が一か所しかなく、迷いようがないところが良いです。
プリセットに頼らず、触りながら音を確認して調整する練習にもなるのでDTM初心者にもおすすめのプラグインです。
■ フリープラグイン(ツール系)
Youlean Loudness Meter - Youlean

https://www.pluginboutique.com/products/4960/
曲のラウドネスの値を確認したい時、このプラグインがとても役立ちます。
マスタートラックにこのプラグインを適用させて曲を再生すると、図のように分かりやすく詳細なLUFS値を表示してくれるので、入れておいて損はないのではないでしょうか。
■ フリー音源
AURORA Lo-Fi Sample Pack - SLATE DIGITAL

https://app.slatedigital.com/sample-packs
こちらは、SLATE DIGITALに登録すれば無料でゲットできるLo-Fi系の音源で、中身はドラム・メロディ・ヴォーカルの3つのフォルダに分かれています。
例えば、ドラムフォルダ内には「ループ素材 /One Shot素材」の2種類があり、さらにループならドラムフルバージョンのループ、ハットだけのループ、ハットとスネアのみのTopループの3種があります。
One Shot素材はハット、キック、タム、ライド、スネアなど細かく分かれており、それぞれ数多くの音源が収録されています。
無料にしては、かなりきめ細やかに音源が収録されていますので「ドラムループのこの部分だけ変えたい!」という時、スムーズに作成することができます。
■ フリーのボカロ・声
歌声合成ツールUTAU

UTAUとは、飴屋/菖蒲(あめや・あやめ)さんが2008年からフリーウェアとして配布している、歌声合成ソフトウェアです。 サンプリングされた声の音声ライブラリを元に歌声が作成できます。
音声ライブラリは、画像の左上の「デフォ子」さんが元々付属していますが、有名な「重音テト」など、様々なライブラリを無料DLすることができます。
また、手間はかかりますが、別のソフトを使えば自分の声で自作することも可能です。
UTAUは以下よりダウンロードが可能です。
Win: http://utau2008.xrea.jp/
Mac: http://utau-synth.com/
※2022年5月現在、macOS BigSur 以降と、Apple M1チップでの動作は不可
VOICEVOX

https://voicevox.hiroshiba.jp/
曲の中に、日本語のフレーズをのせたい!と感じたことはないでしょうか?最近はSpliceなどサンプルを販売するサイトも沢山ありますが、こういったサイトでは日本語の声はなかなか見つかりません。
その点、このVOICEVOXを使えば、言わせたいフレーズを入力することもできますし、イントネーションや音量も細かく調整が可能です。
また、VOICEVOX で作成された音声は、クレジット表記をすれば商用・非商用問わず使用できます。上記のUTAUと同じく、なぜ無料で使えるのか不思議なくらいですね。
※対応OS
Windows:Windows 10・Windows 11
Mac:macOS Catalina以降
Linux:Ubuntu 18.04・Ubuntu 20.04
■ 終わりに
ここまでご紹介してきたプラグインやソフトはどなたでも無料で入手可能です。ご自身の制作に使えるかどうか、一度試されてはいかがでしょうか?
どれも無料とは思えないくらい高品質、高機能なものばかりで驚かれることでしょう。
それでは、今回のレポートは以上になります。皆様が良き音楽ライフを送れるよう、お祈りしております。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はhttps://www.soundhouse.co.jp/news/detail?NewsNo=13106">こちら