バンド全体でのコピーはコピーバンドとしてライブをやるかどうかは別として、レベルアップのためにいい練習になります。
オリジナル曲をやるバンドでもコピーは定期的にやっておきたいところですよね。
でもバンドのコピー曲って意外と決まらなかったりします。
どれかひとつのパートだけ難しすぎたり、逆にヒマなパートがあったり…
バンド全体の実力アップを目的にするなら、各パートのテクニックが難しい曲よりも全体でガッチリ合わせてノリを出すことが難しい曲が最適です。
今回は著者が、これは本当に練習になる!と感じた曲をいくつか紹介していきます。
コピー曲で悩んでいるバンドは参考にしてみてください。
■ relive / toconoma
あまり有名ではありませんが、ファンクともジャズともとれる微妙かつ絶妙なジャンルのかっこいいバンドです。
ギター、キーボード、ベース、ドラムという編成のインストバンドなので、選任のボーカルがいないバンドのコピー曲に向いています。
インストバンドというと超絶技巧派のようなイメージを持たれる人も多いと思いますが、toconomaは技巧派というよりも全体のグルーヴ感を大切にしているバンドです。
このreliveも特別難しい技術を必要とするわけではないにも関わらず、ノリを出すまでには苦労するでしょう。
ありがたいことにtoconomaのオフィシャルサイト( https://toconomamerch.stores.jp/items/5ec8f95f51576202b5c3df60 )でメンバー監修のバンドスコアが無料ダウンロードできます。
■ DRIVE ME NUTS / PINK CLOUD
もはや伝説化している最強のロックトリオバンドですね。
ドラムのジョニー吉長さん、ベースのルイス加部さんは残念ながらお亡くなりで、ギターボーカルのCHARさんは日本を代表するギタリストとして現在も活躍中です。
メンバー全員がプロの中でも高い演奏力を持っていますが、PINK CLOUDの曲は近年の技巧派バンドと比べればそこまで難しいというわけではないので、頑張ればコピーできるという人も多いはずです。(難しいことは難しいですよ。)
DRIVE ME NUTSはロック色が強いかっこいい系の曲で、ギターソロとベースソロがあります。
レコーディング音源でもほとんど音数を重ねることなく3人の演奏そのままという感じですが、音の薄さは全く感じることがありません。
音の薄さで悩んでいるトリオバンドはDRIVE ME NUTSに限らずPINK CLOUDの曲を何曲かコピーしてみると勉強になりますね。
■ 生きるをする / マカロニえんぴつ
メンバー全員が音大出身のロックバンドです。
ギターボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードのバンドですが、この曲はキーボードがなくてもなんとか成立します。
ギターが2人いるならキーボードなしで挑戦してみるのもアリですね。
生きるをするはダイの大冒険の主題歌で有名になった曲で、テレビサイズのワンコーラスだけ聞いているぶんにはストレートなロックです。
しかし、フルサイズを聴いてみるとその印象はガラっと変わります。
どんどん変化していくリズムパターン、そしてテンポまでもが変わっていきます。
元々のテンポが220もあるのでここまでコロコロ変わるとなかなか合わせにくいんです。
さすが全員が音大出身というだけあって遊び心がありますね。
これがピッタリ合わせられるようになればバンド全体の呼吸はかなりのレベルで合っていることになります。
■ Utauyo!!MIRACLE / けいおん!!
ガールズバンドアニメの先駆けとなったけいおん!!の2期の後期オープニングテーマです。
今やけいおんを機にバンドを始めた女の子たちが凄腕のミュージシャンになっているのではないでしょうか?
けいおんの曲と言えばDon‘t say lazyが難易度も低いのでよくコピーされていますが、ワンランク上を目指すガールズバンドはUtauyo!!MIRACLEに挑戦してみましょう。
この曲はBPM323という驚異のスピードで、楽器隊は疾走感がありつつ小技でもガンガン攻めてくる感じで最後まで突っ走ります。
ボーカルもキーが高いうえに早口で歌いにくいことこの上ありません。 しいて言えばキーボードは白玉も多いので比較的簡単です。
覚えるだけでも大変な曲ですがバッチリきまればかなり気持ちいいでしょう。
■ NO-NO-BOY (Pt1 & Pt2) / ICE
今や知る人も少なくなってしまったファンクの要素が強いバンドです。
一応解散宣言はしていないものの、2007年にギターの宮内さんが亡くなられてしまってからは数年ごとにライブがあるのみの活動です。
ボーカルの国岡さんはハイトーンや特徴的な歌い方があるわけではありませんが、尋常じゃなくセクシーな雰囲気を放ちまくっています。
日本でファンクの女性ボーカリストというのは珍しく、いたとしてもかなりガチガチでアングラな人たちです。
ICEのようにポップスやロックの要素も残しつつファンキーな歌い方をするボーカリストがいるバンドを著者は知りません。
そのため少し古いバンドになりますが紹介しました。
No-No-Boyもファンクが基調になっていることから楽器隊の演奏はさほど難しくなく、覚えることも少なくいのでコピーだけならすぐに終わるでしょう。
そこからバンドの一体感を出すのが難しいですが、ファンク要素を持つガールズバンドは少ないので他のバンドとの差別化ができますね。
■ まとめ
個人的趣味が入ったのでジャンル的には偏った紹介になってしまいましたが、色々なジャンルからくまなく紹介となると恐ろしい文字量になるので今回はこれでヨシとしましょう。
アマチュアバンドがコピー曲をやる時に意識して欲しいのはプロのアンサンブルとノリを学ぶことです。
早くオリジナルでたくさんの名曲を生みだしたい気持ちもわかりますが、そのためにもコピーは必要です。
そのためには色々な音楽を聴いて勉強になるコピー曲を探すところからですね。
幸い今はサブスクで手軽に色々な音楽を探せます。
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