初回はディメンションコーラス、第二回はビットクラッシャー、第三回に真空管ストンプボックス、第四回で9シリーズシンセサイザーと、効果が分かりやすいエフェクターを紹介してきました。
今回はエフェクトに凝りすぎたエフェクターや謎としか言えないエフェクターなど、色々な意味で独創的なエフェクタ-を紹介してみます。
分かりやすいもの(?)から幾つか紹介してみましょう。
ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Lumberjack
これを掛けると、アンプが壊れます。
冗談です。
Lumberjackは破れたスピーカーコーンの音を再現するエフェクターです。
名称上オーバードライブとなっていますが、Log Factorという歪みやすさを調整するノブとBoostノブを操作することによりピッキングによく追従するオーバードライブからディストーション、クリーンブーストやクランチもこなす実力派。
ベースにも使用可能で、視聴動画の最後にはジャガーベースに絶妙な歪みを乗せて弾いています。
MASF Pedals ( マスフペダルズ ) / RAPTIO
※音量&光注意!!!連続フラッシュします!!!
敢えて表現するなら、壊れた音声データ。
トグルスイッチ操作により"Glitch"と"Hold"を切り替えられます。
基本は多重ディレイからなるエフェクト音なのですが、その"Glitch"の名に恥じない誤作動、エラーのような音を連発します。
動画では蛍光灯のような何かを用いて過激でクールな演奏をしており、音楽に仕立てる奏者の技量が試されます。
ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Freeze Sound Retainer
Electro-Harmonixからもう一度、音を無限に延長するストンプボックスです。
踏み込んだ時点の音をサンプリングし、そのままループ再生して流し続けることで音を鳴らし続けます。
瞬間的に音を録るため、踏み続ける間に他の音を鳴らすこともできれば、ヴァイオリン奏法に近いフェードイン・フェードアウトも可能という高機能エフェクター。
ただし、実用は非常に難しく、鍛錬が必要になります。
似たものにGamechanger Audio PLUSというストンプボックスもあります。
Gamechanger Audio ( ゲームチェンジャーオーディオ ) / PLUS Pedal
ピアノのサスティンペダル型のフットスイッチと、ケース左横にノブ操作全てが書き込まれた独特の見た目には惹かれるものがあり、少数ながら使用者もいます。
公式YouTubeにはギター、ベース、チェロ、トロンボーンなど色々な楽器に使用して演奏している動画がアップロードされています。
One Control ( ワンコントロール ) / CRIMSON RED BASS PREAMP
ディメンションコーラスの紹介でも登場したOne Controlから、ベース専用プリアンプが出ています。
と言っても一般的なプリアンプの行うイコライジング、歪みなどの音作りを行うものではないのです。
では何をするものなのかというと、高域をカットし、丸い低音だけを出力する、コントラバス的サウンドを得るためのプリアンプなのです。
どちらかというとベース用のアコースティックシミュレーターに近く、ジャズ、吹奏楽などのアコースティックなサウンドを要求される音楽で威力を発揮します。
※新旧デザインそれぞれでSoundhouseの商品ページができていますが、現在販売中となっている方には視聴動画が付いていません。
ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Steel Leather -Attack Expander for Bass Guitar-
またもElectro-Harmonixから。
Steel Leatherはコンプレッサーと逆の働きをする、エキスパンダーと呼ばれるエフェクターです。
大きい音をさらに大きく、小さい音をさらに小さくするエフェクトは一定未満の音量をカットするノイズサプレッサーにも似たものがありますが、こちらはもっとシンプルに、それ専用に扱えるように調整されています。
操作も簡単で、Effect Levelがエフェクトの強度=音量の上昇/降下率、Responseが音量増と音量減の閾値セットになります。
コンプレッサーでは圧縮率と音量の頭打ちを決めるので、正反対の処理を行っていることが分かりますね。
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今回は独特なサウンドの凝りすぎたエフェクターを紹介しました。
こうして見てみるとElectro-Harmonixは面白いエフェクターを多数作っていることが分かりますね。
最初はリクエストから始まり、幾つか趣味のものも紹介してきた「ちょっと特殊なエフェクターを紹介する」シリーズですが、とりあえずこれで一旦終了とします。
またリクエストがあれば執筆していきますので、Twitterやメールで連絡していただければやっていきます。
Twitter:@on_8va_bassa
Mail:cheena.instcraft@gmail.com
それでは今回はここまで。
コラボの方で記事を幾つか用意していますので、ぜひご覧ください。
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