

まずは「あの頃ペニーレインと」
優等生の少年が地元誌に送った原稿がローリングストーン誌の目に留まり、ロックバンドのツアーに同行取材することに。めくるめくロックの世界の中で美少女ペニーレインと出会い成長していく物語。
そのロックバンドのギタリストが弾いてるのが…
レスポールですね。
うん、チェリーサンバーストのギブソンレスポールスタンダードだね。ピックアップがゼブラになってるのも時代感出てるねー。
DVDのジャケットにもレスポールが見えますが…
ああ、たぶん同じモノだと思う。
映画の時代設定は70年代。その頃のハードロックバンドがモデルになってるので、レスポールが選択されたのも納得、ですね。80年代だと選択肢も増えるとは思いますが。
次は「デトロイト・ロックシティ」
KISSの曲のタイトルだし、本人も出演している映画ですね。
うん、ライブシーンではKISSメンバーは普段通りの楽器を持ってるみたいだね。
ジーン・シモンズは自分のシグネチャーモデル。
うん!エース・フレーリーはギブソンレスポール。「あの頃ペニーレインと」のと似た感じのチェリーサンバーストだけど、ピックアップが三基でポジションマークがブロックポジションだからレスポールカスタムだと思う。
エースが在籍してるということは、こちらも70年代なのかな?スリー・ピックアップ使ってましたね。途中でピックアップから煙出たりね(笑)
次は「ROCKER 40歳のロック☆デビュー」
大物バンドのドラマーだったフィッシュはひょんなことから高校生の甥のバンドに参加することに…。
主人公がもといたバンド、ヴェスヴィオスのギタリストはジャクソンVを。ベーシストはピンクのボディーのアイバニーズかな?
時代設定は80年代。おそらくLAメタルをイメージしてるでしょうね。会話に「Whitesnake」とか出てくるし。所謂テクニカルなバンド、って雰囲気ですね。
そして、甥っ子のバンドの練習風景では、ギタリストもベーシストもフェンダーのようだね。
こちらは2000年代。ギターはストラトキャスターですね。この頃になると、最早その時代をイメージする楽器ブランドって無いですね。無難なところを選択した・・・感じなのかな?
うん、そしてベースはムスタングベース。女性ベーシストということで、キム・ゴードン(ソニック・ユース)やダーシー(スマッシングパンプキンズ)あたりのオルタナ勢を思わせるね。
それも、ある意味時代を反映してますね。因みにですけど、この映画は主人公がデビュー前のバンドをクビになるところからスタートしますけど、その序盤のある場面で、同じ様にあのビートルズをデビュー直前に解雇されるピート・ベストがチラッと出演してるんですよね。よく聞く話とはいえ・・・なんか切ないですね(苦笑)
お次は「ロックスター」
ひとりの熱狂的ロックファンが、ある日突然本物のロックスターになるという…
自分が好きなバンドに入っちゃうんだよね、どんな気分なんだろう?
憧れてる人と一緒にバンドやったりするのはまぁある話ですけど・・・傷彦さんも、ソロ活動で色々なレジェンド・ギタリストと音源作ってますもんね。自分も、以前よく聴いてたC-C-Bの元メンバーの関口さんとバンドやってるし。しかし、バンドに入っちゃうというのは・・・あ。KISSのトミー・セイヤーなんかはそうですね。彼は元々KISSアーミーだったらしいし、KISSのトリビュートバンドもしてたみたいですし。
そうらしいね!さて機材を見ていこう。まずは見てください、キャビが多い!
この映画は80年代っぽいけど、最後はちょっと90年代っぽかったりするんですよね・・・よく分かんない(笑)で、この手の映画ではたいていマーシャルが置いてますね。
そしてギターはボディ表面を鉄板ふうに仕上げたギブソン・フライングV!
ごついですねー、重そう。
もうひとりのギタリストはエクスプローラー!変形×変形でかなり攻めてます!
ですね、たいていひとりはオーソドックスなモデルにいきがちですが…。
しかもピックアップをよく見るとポールピースがバータイプ!っぽい!
細部まで凝ってますね。というか、細部までよく見てますね(笑)因みに、このバンドのメンバーは、俳優さんではなく、本物もミュージシャンが演じてます。ザック・ワイルドとか・・・個人的には豪華なキャスティング!(笑)
さて次は「スクールオブロック」
主人公を演じるジャック・ブラックがギターをかき鳴らす!吠える!笑かす!楽しめるロック映画です。これは、結構テレビでも放送されてるような・・・ジャック・ブラックは元々バンドもやってますし、まさにはまり役、ですね。
ジャケット写真にもあるように、主人公の愛機はギブソンSG。ラージピックガードのモデルだ。
渋いですね。ジャックのセレクトかな?一緒にいる男の子はフライングV持ってますね。
ベーシストの女の子が使っていたベースはなんだろ?
独特で巨大なヘッドのベースでしたね。あれは初めて見ましたね。
ボディを見るとホローボディっぽい雰囲気もあるし、不思議なベースだったね、これはいつか調べてみよう。
はい!
そしてそして「スパイナルタップ」
伝説のバンド、スパイナルタップのはちゃめちゃなツアーの模様を、架空のドキュメンタリー映画という形で作品にしたもの、です。当時、あちらのバンドのツアーバスでは必ず流れてたというカルト映画。
笑えるし、バンドマンから見ると切ないし儚いし、色々考えちゃうねー。
ですね。ちょっと落ちぶれたバンドをイメージしてるので・・・笑えつつもちょっと切ないという。
機材はと言うと、まずは白いギブソンSGだね。それにしてもSGっていうのは白、黒、チェリーと色によってだいぶイメージが変わる楽器だね。
白いSGってちょっと珍しい気もしますが・・・SGといえば先程の「スクールオブロック」みたいなチェリーのイメージが強いですね。黒色もか。トニー・アイオミとかアンガス・ヤングとか。そことの差別化を図ったのかなぁ?
もうひとりのギタリストはメイプル指板のストラトタイプ。
あれは割と普通。で、アンプはやはりマーシャルを並べてますね。ベーシストはB.C.リッチのモッキンバードタイプですね。
これは70年代から80年代にかけてって感じかな?時代を感じるねえ。
衣装だったり、ステージセットが巨大化していく様子とか・・・まさにあの頃の様子ですね。
さて最後は「スティル・クレイジー」
人気ロックバンド、ストレンジフルーツが解散して20年後、再結成をもくろむが前途多難で…?
そうそう、基本的にはコメディタッチだね。
時代設定は、70年代のバンドの20年後なので、90年代くらいかな?機材はどーでしょ?
オーソドックスなストラトキャスター。ストラップまでフェンダーのオーソドックスなやつ。
ベースもベタなジャズベースみたいですね。
こうして見ると、ギブソンの方が多いかな。
そういわれればそうですね。ギブソンの方がロックなイメージを持ってる気はします。
ハードロックやヘビーメタルの方がパロディー化しやすいし、ってのもあるんだろうけど、時代的にもホールやアリーナで演るためのパワーを欲した感じもする。
たしかに。今回は、自分のDVDコレクションの中から所謂バンドものを選んで、機材視点で鑑賞してもらいましたが、どれも映画としてお薦めです。楽器弾くのも、勿論お薦めですけど、たまにはこういった映画の世界に浸るのもいいかと・・・相変わらずのコロナ禍でなかなかお出掛けもしにくいですしね。年末年始でも帰省とかお出かけ出来ない人多そうですしね。
そうだね。しかし、夢も儚さも同居するロックバンドの世界よ!そこをサヴァイブするためにもこだわりの機材を使っていきたいね!そう、すべては?
愛ゆえに!
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