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音楽スタジオあるあるトラブル、”マイクの音が出ない”を考える Vol.2

2024-07-26

テーマ:PA, 実録 ! サービスマン日記

以前、スタジオに置いてあるPAについてブログを書きました。
⇒ 音楽スタジオあるあるトラブル、”マイクの音が出ない”を考える Vol.1

続きを書いていきたいと思います

今回は「そもそもミキサーの使い方がよくわからない」「説明書を読んでも難しくてよくわからない」という方のために、超初心者でもわかるよう簡単にミキサーの解説をしたいと思います。

1. そもそもミキサーって何?

ミキサーというのは簡単に言うと複数の音を2つのスピーカーにまとめて出力させるための機械です。複数の入力される個所はそれぞれ1ch、2ch、3ch…とチャンネルとして呼ばれます。ミキサーにも色々な形がありますが定番の形は縦にそれぞれのチャンネルが分かれている物でしょう。

赤く囲った部分がチャンネル1、ということですね。
それぞれのチャンネルの音をまとめて音量や音色を調整し、黄色で囲ったメインアウト(MASTER OUT)からLとRの2つの出力にして出すというのが、ミキサーの一番簡単な概略です。

一番下にある、上下に動くつまみがそのチャンネルのボリュームです。ミキサーに詳しくなくても、なんとなく見てわかると思います。 問題はその上にあるつまみとボタンたちです。機種やメーカーによってつまみの種類はさまざまですが基本的な概念は同じなので、それぞれどういった意味があるのか覚えておきたいところです。

2. インプットジャックの選択

では、さっそくプラグを挿そう!と思うとミキサーによっては入力するジャックがいくつかある場合があります。

基本的にはマイクは上の赤で囲ったXLRジャックに挿します。
XLR(メス)-フォンのケーブルでフォン端子に挿しているパターンも見かけますが、

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MIP050 マイクケーブル 5m

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MIP050 マイクケーブル 5m

XLRで挿した方が音量が大きく音もはっきりしておりノイズも少ないです。
これは“バランス信号とアンバランス信号”や“マイクレベルとラインレベル”の違いがあるわけですが、今回は初心者向けの解説なのでここでの説明は省きます。興味がある人はこちらの記事もご覧ください。

⇒ バランス接続がノイズに強いわけ
⇒ バランスオーディオとは?

とにかく、マイクはXLRで挿した方が『いい音』であるということくらいで覚えておいてください。機会があればXLR-XLRのケーブルとXLR-フォンのケーブルを比べてみると音が全然違うことに驚くと思います。 また、コンデンサーマイクを使う場合はXLR-XLRのケーブルを使用しないと音は出ませんのでご注意を。

3. 入力レベルの調整

ほとんどの場合インプットの下にはゲイン調整のつまみがあります

パッと3機種ほど画像を撮ってみました。
スイッチがある場合もありますが基本的にはすぐ下にありますね。

GAINというのは“入力レベル”の調整です。
「入力レベル??ギターアンプはつまみをMAXにするものだからミキサーもMAXでいいんだよなぁ!?」 なんて方のために簡単に説明しますがギターアンプとは違いますのでミキサーでGAINをMAXなんてことはまずありません。

マイクに向かって発声すると、マイクの中で音声信号が電気信号に変換されます。マイクをミキサーに接続していればINPUTから入ってきた電気信号が、GAINのつまみの回路で増幅されます。
マイクをそのままパッシブのスピーカーやヘッドホンなどに接続しても音が出ません。ミキサーに入ってきた音声電気信号はその後加工していくためには大きくする必要があります。

GAINを上げていくと音にハリが出てきます。上げすぎると音が割れてしまいますし、ノイズも増えてきます。
アナログミキサーの場合、GAINはレベルメーターの0dbに合わせて上げていくなど、やり方はいろいろありますが、今回のテーマの「音が出ないけどどうしたらいい?!」という所で考えると、『ひとまずマイクを接続したのち声を出しながら9~10時あたりまで上げる』というくらいで覚えてください。

ただしライン信号を接続した場合などはほとんどGAINを上げていなくても音が割れてしまう、なんてことになる場合もあります。ライン信号というのは例えばキーボードなどの鍵盤やMP3プレーヤーなどを接続する場合です。

これは先にちょっと出てきた“マイクレベルとラインレベル”の違いによるものです。マイクに向かって発声してできた電気信号はかなり弱く小さいものなのでGAINを上げても割れませんでしたが、ライン信号はマイクの約千倍の出力があるので音割れしてしまうというわけです。
ヤマハのMGにはインプットの直ぐ下に2つのスイッチがあります。

この左のPADというスイッチが、ライン信号で音が割れてしまう場合のスイッチです。 PADスイッチをONにすると26db分入力レベルが下がる、という意味です。

ということは、マイクをつないで音が出ない場合にPADスイッチがONになっていないか?を見る必要があります。もしPADがONになっていたらいきなりスイッチを押すのではなく、一旦GAINを下げてからPADをOFFにした後GAINを徐々に9時あたりまで上げてください。

ちなみに横にあるHPFは「ハイパスフィルター」のスイッチです。スイッチを入れると低音が削れます。何に使うのか、今回は割愛します。

このようにそれぞれのつまみには意味があります。なんとなく漠然と色々回して音が出ない!と思っていた方も少しずつ覚えていただきたいところです。

ミキサーの本などを読めばもっと詳しく書いてありますので、もっと知りたい方はご自身でさらに調べてみると面白い発見があるかと思います。

技術サポート 前島 学

ギターリストとして活動している内にエフェクターなどの自作から始まり機材方面に興味を広げていった。楽器店勤務、ギターアンプ修理店で修業を積み、レコーディングスタジオで機材メンテナンスなどを経てサウンドハウスに入社。ギター演奏にも定評がありサウンドハウスの商品紹介動画でも多数デモ演奏を行っています。

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¥900(税込)

マイクケーブル、XLR(メス)-フォン、5m、黒

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