こんにちは!
みなさんはEIA規格をご存知ですか?
バンドマンや音楽家の方にとってはお馴染みのアレですが、知らない人が多いので、EIAってなに?スタジオラックってなに?という方に向けてEIA規格の世界をご案内します。
また、他のブログを見たから知ってるよ!と言う方もご一読ください、より詳しく紹介できていると自負しています。
■ 音楽機材をまとめる棚

ライブやスタジオでこのようなものをみたことがあると思います。
そう、これがスタジオラック(&機材)です。
イコライザーやアンプヘッド、コンプレッサーなど、機材には様々なものがありますが、ある程度高級なもの、業務用のものなどは、多くが「EIA規格」という規格に合わせて設計されていて、ラックに取り付ける、すなわち「ラックマウント」が可能となっているのです。また、一見マウントできないように見える機材も、アダプターを付けることによってスタジオラックに取り付けることができるようになるものもあります。
■ EIA規格
ラックから機材を全て外すと下のような枠(ラックフレーム)が現れます。

正面から見ると、穴が一定間隔でついている縦に伸びる金具(フレーム)が、左右に付いているのがわかりますね。ここにネジを使って機材をマウントさせるのです。
ざっくり言うと、
- 横幅を統一し、
- ネジの間隔を統一し、
- 裏面にケーブルを集中させ、正面にコントローラーを集中させる
のがEIA規格です。
EIA規格は、米国電子工業会によって定められた、ラックとそこに収納する機材のサイズに関する規格です。
幅は19インチ(482.6mm)で、高さは1.75インチ(44.45mm)の倍数となっています。
(知らなくてもいいですが、ちなみに音楽機材などで使用するラックのネジ穴は、ユニバーサルピッチと呼ばれるネジ穴の開け方に沿って開けられています。)
EIA規格はもともとサーバーのラックの企画として使われていました(一部では現在も使用)。
それがいつしか音楽機材でも使用されるようになりました。
■ 1U?2U?機材の取り付け方
ラックマウントが可能な機材はどれも、下画像のように全面に4つネジ穴がついています(あまりにも大きい重い機材などの例外を除いて)。

機材の大きさを統一しようとしても、全て同じ大きさであると、小型化できない機材を製造するメーカーが泣きます。さすがにそれはできませんね。
そこで制限された横方向ではなく縦方向に機材は大型化していきます。
あらかじめ言いますが、奥行きは統一されていませんの注意です。
これをまとめるために使われる高さの単位が「U」です。
1Uは1.75インチ(下画像)

2Uは3.5インチ(下画像)

3Uは5.25インチ(下画像)

Etc…
このように、高さが1.75インチの倍数となっているのです。
また、中には横幅が足りないじゃないか!という機材もあります。それはハーフラックと言い、ハーフラック用のケースに取り付けたり、アダプターを使って標準のラックに取り付けることができます。
たとえば、サウンドハウスで販売されている評価の高いスタジオラック。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CRK14N 14Uスタジオラック
これであれば、14Uと記載されているので、
3+3+3+3+2=14
で先ほどの画像のような3Uの機材が最大4台と、2Uの機材が1台でピッタリ埋まり、
3+3+2+2+1+1+1+1=14
で先ほどの画像のような3Uの機材が2台と2Uが2台、1Uが4台でピッタリ埋まります。
つまり、マウントしたい機材のUの数字をそれぞれ足した数字が、ラックのUの数字を超えなければ、なおかつ機材の奥行きがラックの奥行きをこえなければ、全てマウント可能です。
ネジは付属しない場合が多いのでご注意。こちら定番のインチネジです。燻んでますけど頑丈です。
MIDDLE ATLANTIC ( ミドルアトランティック ) / HPS ラック用ネジ インチ規格
かわいいですね。え?かわいくないって?そんな…
ここでポイント
ピッタリ埋められず隙間が空く、大きいラックに数台しか載せない、などの場合は下から詰めてマウントしましょう。特に安価なラックを使うときはなおさらです。重心が高いと、大きな地震などの衝撃があったときにラックのフレームが折れて高額で重い機材が倒壊していきます。(筆者経験済み)
スタジオデスクや、ミキシング機材に最初から4Uくらいのラックケースがニョキッと生えているタイプのものもありますよ。
MIDDLE ATLANTIC ( ミドルアトランティック ) / MDVDSK スタジオデスク
余談ですが、
機材側のネジ穴のつき方は、特に名称が設定されていないタイプと、ユニバーサルタイプの2種類があります。これらの違いはネジ穴の間隔です。おなじ高さの機材であってもタイプによってネジ穴の間隔が違うのです。音楽機材の場合、ユニバーサルタイプのネジ穴を設けてる機材はほとんどありませんし、どちらのタイプであっても高さは等しいのでラックに取り付けられる機材の数に変わりはありませんので、忘れても大丈夫です。
■ 持ち運びもできる「ラックケース」
機材を運搬、保存する時に便利なのがラックケースです。アタッシュケースのようなケースもあれば、キャスターのついた、本格仕様のものもあり、多種多様です。
スタジオラック同様にネジは付属しない場合が多いのでしっかり確認しましょう。
こちらが定番のラックケース。評価が良いです。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CPR1USII 1Uショートラックケース
こちらはラックスタンドと呼ばれるもの。
K&M ( ケーアンドエム ) / 40900 8Uデスクトップ用ラックスタンド
また、先ほど解説したハーフラック用のラックケースがこちらです。
ODYSSEY ( オデッセイ ) / FZHR02 2Uハーフラックケース
かわいいですね。お、こんどは同感してくれるのですね。
悲しいことですが、最近は劣悪品が多く出回っていて、すぐに割れてしまい機材が壊れてしまうケースもあるそうです(真面目です。親父ギャグではないです。)。しっかりと、信頼できるメーカーや販売業者から購入するようにしましょう。上記はどれも定評のあるモデル、メーカーの製品ですので安心、おすすめです。
■ まとめ
- EIA規格で横幅、ネジ穴の間隔は統一されている
- 奥行きは統一されていないので要確認
- ハーフラックは金具を使って取り付け
- ラックには下から詰めて取り付け
- 2Uは1Uの二倍の厚さ、3Uは1Uの三倍の厚さがある
- ラックは良いものを買う
いかがでしたか?これでEIA規格についてマスターできましたね。
では楽しいミュージックライフを!
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